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通院と顕微授精について

こんにちは!晴光です!前回は僕が閉塞性無精子症だということが分かり、TESE(※精巣内精子採取術の略称)を受けようと決めた時話を記事にしました。今回はTESEのために通院したこと不妊治療のセミナーに行った時の話です。

泌尿器科への通院

TESEは精巣を開いて精巣内を探す手術なので外科手術に分類される。奥さんが通っているのはあくまでもレディースクリニックなので上記の手術を行う設備はない。そこで僕は先生に紹介状を書いてもらい、TESEができる病院に通うことになった。

新しく通うことになった病院は総合病院で、僕は泌尿器科に通うことになった。(不妊治療で泌尿器科と聞いたときには意外に思ったが、調べる場所のことを考えたら泌尿器科に分類されるのも納得した)レディースクリニックはこじんまりとした佇まいで、院内は明るくきれいだったが、総合病院は存在感ばっちりの大きさで院内は薄暗く年季が入っていて対照的だった。

通院の初日は前の病院での検査結果を伝え、問診をおこなった。問診の中で無精子症の原因として精巣癌やクラインフェルター症候群の可能性があると告げられ検査することとなった。精巣癌はその名の通り精巣にできる癌で、クラインフェルター症候群は簡単に言うと染色体異常である。クラインフェルター症候群だからといって健康面で大きな問題はないそうだが、平均寿命が少し短くなるらしい。

検査の結果はどちらも引っからなかったが、精巣癌にしろ、クラインフェルター症候群にしろ「死」というものを意識させられ、結果を聞くまでは怖かった。不妊治療をしているのに自分の精子でははなく生死の心配をするとは思わなかった。

その他にも再度精液検査や麻酔に体が耐えられるかの検査、TESEの説明や日程の調整など週に1回程度の通院を2か月ほど続け7月にTESEを実施することが決まった。無精子症が分かったのが3月、TESEの手術日が7月とここまではトントン拍子に話が進んでいった。

顕微授精について

TESEを受けるための通院と同時進行で、奥さんと一緒に不妊治療のセミナーに参加した。もし僕の精巣から精子が見つかった場合は顕微授精という特別な方法で妊娠を目指すことになるので、顕微授精について詳しく知る必要があったからだ。セミナーでは不妊治療の歴史や治療の細かい流れ、データとして出ている成功率などを教えてもらった。

顕微受精とはその名の通り顕微鏡を使った受精方法である。専用の注射に精子を入れ、卵子に精子を直接打ち込み、人工的に受精卵を作る。受精卵は子宮に戻し、あとは着床するのを待つ。着床したら妊娠成功という具合だ。

精子があることが必須条件であるし、受精卵を作るために奥さんは時期をみて排卵誘発剤を使い、子宮から卵子を採卵しなくてはいけないので奥さんの体への負担も大きい。TESE~顕微授精までの費用は100万ほどかかるらしい。なかなかのハードモードだ。

1回の顕微授精で成功する確率は2割と言われている。もちろん年齢や体の状態によって変わり、年齢が若い方が確率は高くなる。また顕微授精は体力さえ許せば複数回実施できる。つまり若いほど妊娠の可能性は高くなるのだ。経験者は語るだが、20代後半で不妊の不安がある時はなるべく早く相談にいくと良い。子どもを授かるということにおいては若さがものすごいアドバンテージになる。

セミナーのおかげで治療の方法は具体的にイメージできたのだが、新たな不安もでた。それは「子どもを授かって男の子が生まれた場合、無精子症が遺伝する確率はどうなのか?」だ、このセミナーでこの話題が出た時思わず「うーん」とうなってしまった。子どもを授かることばかり考えていたが、もしその子も自分と同じ苦しみを味わうとしたらどうなんだろうか?少し思考が停止して考えてしまったが、セミナーでは他にも興味深い話題がたくさんあったので、頭を切り替えて話を聞き続けた。しかしこの遺伝というワードがこの後、僕の考え方と決意を大きく変えることになる。


お読みいただきありがとうございました。本文には書きませんでしたが、TESEを受けようと決めてからは毎日近所の神社にお参りに行き、「精子がみつかりますように!」と祈っていました。でも見つかる確率が低いこともわかっていたので、頭の中で術後「残念ながら精子はありませんでした」とお医者さんに告げられるシーンも再現して心の準備もしていました。自分の力ではどうにもすることのできない問題だったので、僕にできる事は神頼みしかありませんでした。

TESEの日程も決まり、その後の流れも確認できた僕たち夫婦ですが、新たな壁にぶつかってしまいます。次回はそんな話を書こうと思います。

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