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「潜在意識で特定の人間と復縁(恋愛成就)する」はありえない

よくスピリチュアルとか心理学とか恋愛論を掛け合わせた系のインフルエンサーが、「潜在意識を使って特定の人物と復縁」と言っている。

潜在意識のメカニズムというか本質を理解している人にとっては、これがいかにおかしな理論だと感じるだろう。

この手のインフルエンサーは、利益のために復縁や浮気や不倫・見込みのない恋愛に縋りついている人間をカモにしているか、そのインフルエンサー自体が潜在意識のメカニズムをそもそも間違えて捉えており、理解しているつもりになっているかどちらかだろう。



どういう理由にせよ潜在意識は破局という結果を選択した

そもそも復縁というのは、一度相手と別れているのである。この時、復縁を望んでいる精神状態が悪いと言いたいのではない。私も初めてできた彼氏と破局した時に何年も引きずり、復縁を望んだものだ。忘れることができず、前に進むこともできず日々絶望していた。

ただ潜在意識の本質を考えると、まず顕在意識が「復縁を望んでいる」と認識しているのに現実はそうなっていない、ということに注目する必要がある。

となると、「本当は、自分は相手のことを本質的に愛していないのでは?」と考えるのが潜在意識にフォーカスするということである。

言ってしまえば終わりだが、相手が自分と関係を続けることを望んでいないのに、自分が一方的にそれをしたがっているということがエゴそのものである。それは愛ではない。「自分から離れることによって相手の人生がもっと良くなるのなら、その方がいいよね」と思えるのが愛である。もちろん、そこまで達観できるまで時間がかかるし、なんなら時間がたってもそんなふうに思えないだろう。

「現実は無視」という文言を誤って捉えると危険

そしてまた厄介なのが、「相手の幸せを願うことが相手にも伝わって、忘れた頃に元恋人から連絡がくる。だから現実は無視、元恋人が結婚しようが気にしなくていい」なんて宣うインフルエンサーまでいる。これらを主張するインフルエンサーは本当にタチが悪い。ストーカー製造機である。

「現実を無視」というのを噛み砕いて解釈すると、一喜一憂しないということだろう。これは人間関係や仕事に例えると、いちいち目の前のことに振り回されない、自分軸(主体性)をしっかり持つこと、と言い換えられる。

しかし、「現実を無視する」という文言が危険すぎると思う。こういった言い方だと、まるで相手がどんなに嫌がっていても一方的に思いを伝えるストーカーでしかない。妄想にとどめておいただけでも、見込みのない恋愛にずっと縋り付いているやばい人に成り下がるだけだ。

こういったインフルエンサーの言った通り忘れたふりや諦めたふりをしてみた復縁希望者もいたのではないだろうか。

「正直、恋愛以外にもうまくいっていない事があって、それを復縁に陶酔して現実逃避したいのかもしれない」という「気づき」がないと、この状況から抜け出せないし、相手と連絡が取れても絶対に上手くいかないと断言してもいい。

その復縁を達成することで自分も相手も幸せになるか

注目すべきなのは相手のことをおざなりにしている、という視点である。一度別れた、自分は戻りたい、でも相手からはそれが返ってこない。この時、「納得できない」と思うことが、もう相手を愛していない。

潜在意識は現実と感覚(健全な直感)に出る。自分の考え・思いは、エゴ満載の状態ではわからないのだ。自分にないものを相手の中に見て、それを欲しがっているのである。

復縁希望者の多くが「あれ(相手)が手に入らなければ、自分は幸せではない」という精神状態なのである。それがエゴだ。

ではエゴじゃないものって何を判断に感じたらいいのか。それは「感覚(健全な直感)」である。

したがって、「潜在意識を使って相手と復縁」自体があり得ないと断言する。もし潜在意識を使って復縁に向かっているのなら、復縁希望者が悲観的になりながら相手に執着し、来る日も来る日も絶望しているわけがない。

潜在意識とは、そもそも自分が認識できない自分である。不本意に相手と別れなければならなくなった、よくわからないけど相手と居心地が悪くなって振ってしまった、音信不通になってしまったなど、いずれにせよ潜在的(もう1人の自分)に「この人とは幸せになれない」と判断したのだろう。

「誰になるのかわからないけど、潜在意識が自分と合う人間を知っている」−こう言った考え方をしている人なら、潜在意識の本質を知っていると言っていいだろう。