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なぜ経営者としてスクラム開発に向き合い、認定スクラムプロダクトオーナーを取得したのか?

こんにちは。HarborS表参道のコミュニティマネージャのしのけん(@kenjirp)です。運営会社である株式会社アンチパターンの取締役もやっています。

株式会社アンチパターン は、
「日本のソフトウェアエンジニアを憧れの職業へ」
を掲げて、事業を運営する創業2期目(2021年1月現在)のスタートアップ企業です。

公式ホームページはこちら↓

自己紹介は、この記事では省略しますが、以前にインタビューをしてもらった記事をリンクしておきます。

エンジニアの価値はどうやって決まる?

エンジニア歴は約15年ですが、最近では、経営者の立場としてソフトウェア開発に向き合う時間が多いです。我々の会社は、ソフトウェアエンジニアを憧れの職業にすることをVisionに掲げています。

3つのアプローチで、Visionの達成を目指してますが、本日は、3に着目してお話ししたいと思います。

1 エンジニアの数を増やす
2 エンジニアの質をあげる
3 エンジニアを高く評価する企業を増やす

ソフトウェアエンジニアリングは無限の可能性を秘めているのではないかと思います。それを実施するエンジニアはある意味無限のパワーを持っているとも言えると思います。

しかしながら、エンジニアの価値を決めるのは何でしょうか?エンジニアの評価はとても難しいのではないかと思います。

「フルスタックで技術の幅がとても広い」
「アプリケーションアーキテクチャをうまく設計できる」
「適切な技術選定ができる」
「とても綺麗なコードを誰にも負けないスピードでかける」

いろんな視点があると思います。

しかし、エンジニアの年収を考えた時に、結局何がそのエンジニアの年収を決めているのかを考えた時に、

「関わっているプロダクトが大きな価値を提供している」

これがとても、しっくりきました。

僕は、SIerやコンサルティングファームやITプロダクトを持つ企業やソフトウェア委託開発企業と様々なエンジニアと接してきましたが、その年収とエンジニアのスキルが必ずしも相関していないのではないかと思います。

考えてみれば当然なのですが、プロダクトがどれだけ世の中に大きな価値を提供しているのかが、関わるエンジニアの年収に相関している例が多いのです。

さて、では、プロダクトの価値は誰が生み出しているのでしょうか。

多くのソフトウェア開発においては、

「何を作りたいのか?」

を考える人がいるのです。

あるプロダクトの事業責任者
ビジネス部門のシステム担当者
顧客企業のシステム発注担当者
UI/UXデザイナー
業務を適切に理解したシニアなエンジニア

ソフトウェア開発プロジェクトは様々な形式で行われますが、どのプロジェクトにも必ず、「何を作るか」に関して責任を持つ人がいるのです。

これまでの、エンジニア人生を振り返るとやはり、「何を作るか」を定義することがとても難しくとても大事だったのではないかと考えています。

アジャイル開発とウォーターフォール開発

2元論では語れませんが、次はソフトウェア開発手法について考えてみたいと思います。nulabさんの記事に分かりやすい図がありましたのでお借りしました。

ウォーターフォール開発:作るものが明確で前工程で企画した内容が正しいことを前提にあと工程に進んでいきます。全ての機能を実装してからテストを実施します。
アジャイル開発:作るものが不確定で、小さく早く世の中に出して、フィードバックを取り入れながら柔軟に改善を進めていく。リリース可能な小さな機能単位で開発を進めて、短いサイクルで「企画〜テスト」を回転させます。

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Backlogブログ(nulab by backlog編集部)
「アジャイル開発とウォーターフォール開発の違いは何?アジャイル開発の手法や意味も要チェック」より抜粋
https://backlog.com/ja/blog/what-is-agile-and-waterfall/

最近では、伝統的なウォーターフォール開発と比べて、アジャイル開発が注目されることが多いように感じます。

なぜ、アジャイル開発が注目されるのでしょうか?
その背景には、IT活用の時代背景があるように思います。IT技術はどんどん進歩してます。

昔は、業務効率化目的の活用が中心でした。業務効率化をするためのERPパッケージ製品やカスタム開発で、企業の基幹業務をIT化するプロジェクトが中心です。その時代では、向こう5年から10年間使うことを想定して、「業務プロセスのベストプラクティス」をIT化して業務を効率化する事を目的としており、かつシステムが複雑で大規模なものが多かった。その際には、事前にしっかり作る物を決めて、開発工程をしっかりと進めていく、「ウォーターフォール開発」が主流でした。

しかし、昨今では、新しい事業の創造、新しい体験の創造とよりクリエイティブな目的でのIT活用が増えてきました。また技術の進歩も早く、世の中の動きもとても早くなり、プロダクトのライフサイクルも短くなってきました。そのような状況下では、プロダクト開発は不確実性と変動性を受け入れながら進める必要が出てきたのです。

そのような背景から、現在の時代においては、アジャイル開発の手法をソフトウェア開発にしっかり取り入れるべきだと考えます。

スクラム開発とは?

アジャイル開発の中には、「スクラム」、「エクストリーム・プログラミング(XP)」、「リーンソフトウェア開発」、「機能駆動型開発(FDD)」と様々な種類がありますが、スクラムが主流の開発手法です。

スクラム開発は、不確実性が高いものに対して変化を受け入れながら、価値の最大化を目的としてチームでソフトウェア開発をするためのフレームワークです。

弊社代表であり、認定スクラムマスターの小笹(@yukiozasa)が、スクラムについて記事を書いてますので、まずはそちらをご参照頂ければと思います。

スクラムの歴史と3本柱について

ここでは、簡単に、スクラムの「3つの責務」、「5つのイベント」、「3つの成果物」について触れておきます。

3つの責務

スクラム開発は、スクラムチームといういくつかの役割を持つメンバーで構成された3名〜9名の開発者で進めます。

プロダクトオーナー:プロダクトの責任者であり、プロダクトのビジョンを語り、予算を管理し、開発の優先順位を決める最終決定者です。ブロダクトの価値を最大化する責務があります。

スクラムマスター:スクラムチームがうまく機能するように、チームメンバーのスクラム理論の理解を支援します。様々な形で、チームを支援します。

開発者:計画されたプロダクト開発するために必要なすべての作業ができる必要があります。プロダクトの成功に向けて最大限の努力をします。

スクラムイベント

スプリントという、1〜4週間のタイムボックスで区切って、繰り返し開発作業を実施します。各スプリントは、5つのスクラムイベントで構成されています。

スプリントプランニング:スプリントで実行する開発の計画を立てます。そのスプリントで実施するプロダクトバックログについて話して、選択し、それを必要なタスクに分割します。

デイリースクラム:毎日15分のイベントで、ゴール達成に向けての進捗状況や課題を明らかにし、必要に応じて計画の修正を検討します。

スプリントレビュー:スプリントの成果物のソフトウェアについて、ステークホルダーにデモをしてフィードバックを受け取ります。フィードバックに基づいて、必要であれば、バックログを修正します。

スプリントレトロスペクティブ:スプリントのプロセスについての改善事項を話し合います。うまくいったこと、問題があったことを明確にし、次のスプリントに活かします。

バックログリファインメント:次回以降のスプリントに向けて、プロダクトバックログの内容について見直しを実施します。上位のプロダクトバックログについて内容を明確にして、着手可能な状態に整えます。

3つの成果物

プロダクトバックログ:プロダクトとして必要な機能を記載したリストです。スクラムチームは、このリストを唯一の情報源として作業を実施します。

スプリントバックログ:スプリントで開発者が実施するタスクを記載したリストです。そのスプリントで実施する全てのタスクをリストた開発者のための計画です。

インクリメント:リリース可能な機能のまとまりです。プロダクトゴールを達成するまでの、ステップとなります。

簡単に説明しましたが、株式会社アトラクタ 取締役CTO / アジャイルコーチ 吉羽龍太郎さん (@ryuzee)がとてもわかりやすく図式化してくれてますので、こちらもご参照ください。

また、スクラムのフレームワークの詳細なルールについては、スクラムガイド2020に定義されていますのでご参照ください。たったの19ページにシンプルにまとめられています。

スクラム開発について、いくつかのプロジェクトで実際に関わりましたが、「プロダクトの価値を最大化する」、「経験主義に基づいており、チームの継続的な成長をする」、「不確実性や変化に対応する」というような点において、とてもポテンシャルを感じています。また、個人的には、これらの考え方に共感できるし、とても好きな考え方です。

そのため、我々はスクラム開発に注力していく事で、ソフトウェア開発の価値の最大化に寄与していきたいと考えております。

最後に

繰り返しますが、ソフトウェアエンジニアの価値を最大化するためには、やはり、プロダクトの価値を最大化する必要があると考えています。「日本のソフトウェアエンジニアを憧れの職業へ」を実現するために、不確実性が高いこんな時代だからこそ、「スクラム開発」に向き合うことはとても有効と考えております。また、何を作るかの責任を持つ、「プロダクトオーナー」の役割も非常に重要だと考えています。

これらの事が理由で、僕は、「認定スクラムプロダクトオーナー」に興味を持ち、資格資格を取得しました。

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後篇として、「認定スクラムプロダクトオーナーの資格を取得して考えたこと」という内容を書きましたので興味を持っていただける方は、そちらも読んで頂けると嬉しいです。


HarborS表参道で、今後、スクラム開発に関するイベントも開催していきたいと思いますので、ご期待ください。

HarborSのTwitterでイベント情報は告知していますので、是非フォローしてイベント情報をチェックしてみてください。


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