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【22-23冬】FCバルセロナ私的通信簿【GK,CB編】

昨シーズンの終わりに選手別レビューを書いた時にね、思ったんです。1年前のこととか覚えてない!って。毎試合レビューを書いてれば別なんですが、今年もそれは企画倒れとなっております。ままならない世の中です。

そこで今シーズンはやります、冬でのまとめ記事。タイトルがちょっと違うのは気分です。もっといいやつがあれば教えてください。

それでは、前置きもそこそこに。始めていきましょうか。


GK

#1 Marc-André ter Stegen

ここまで本当に助けられている。ラ・リーガで最小の6失点は確実にこの人なしでは成しえなかった記録で、試合をきっちり閉じるのが苦手なチャビバルサにとって彼のセーブは勝利の前提条件になっている節もあるくらいだ。初タイトルとなるスーペルコパを獲れたのも、彼がPK戦で活躍してくれたおかげである。

個人的な記録を見てみても、クリーンシートが既に昨シーズンの15まであと2つに迫っている。CLでは1試合に2失点の地獄ペースだったが、あれはDFラインに欠員が出すぎていた結果なので仕方ないだろう。悪い夢だったと思うしかない。

ひとつだけ気になる点を挙げるとすれば、チームが劣勢のときのロングボールの使い方。これも本人というよりチーム全体の問題だが、簡単に相手にボールを渡してしまう場面が目立つ。残りのタイトルを制覇するには、テア・シュテーゲンをもっとうまく使うことが必要になってくるだろう。


#13 Iñaki Peña

ついにトップチームの背番号を手に入れた23歳。セカンドGKの宿命として出番には恵まれておらず、出場はここまでCLで1試合、国王杯で2試合の300分のみとなっている。

そしてなんと、国王杯は日本からの合法的な視聴手段が存在しないのだ。なんでだ!DAZNでもWOWOWでもいいからなんとかしてくれ!頼む!

そういう関係で、この人に関する情報は少ない。頑張ってくれ。


CB

#3 Gerard Piqué

ラ・リーガ第13節アルメリア戦を最後にカンプ・ノウに別れを告げたピケ。今シーズンはクリステンセンとクンデの加入により序列が低下し、さらにわかりやすいミスがCL敗退の遠因になったことでファンからの信頼を失ってしまったように見えた。

それでもシーズン途中の電撃引退の報は衝撃的で、それ故に世界中から注目を集めた。盛大なセレモニーでキャリアを締めくくったのは、ショーマンとしての意地だったのか。ホーム最終戦ではいつものように上質なロングフィードを蹴るたびに、スタンドから歓声が上がり続けていた。

・・・と書いてしまうとこの試合を最後に引退したように見えてしまうが、13節はあくまでホーム最終戦。14節のアウェイオサスナ戦でもベンチ入りしたピケは、ハーフタイムにヒル・マンサーノに退場させられるというセンセーショナルな形で現役生活に別れを告げたのだった。

長い現役生活のほんの一部ではあったものの、この偉大で話題に事欠かないセンターバックの活躍をリアルタイムで見ることができたことに感謝したい。お疲れ様でした!


#4 Ronald Araújo

シーズン開幕からスタメンに定着したものの、代表ウィークで筋肉系の負傷をしてしまい離脱。その後チームはCLで4試合を戦うも9の失点を記録し、全試合で失点を喫するという不甲斐ない記録を残してGL敗退となってしまった。

出場時のDFラインの耐久力は一級品だが、いかんせん無理ができてしまうが故に肉体の耐久力が足りていないのが懸念点。代表でもこれから主力となっていくはずなので(W杯では怪我が治っていないまま招集)、クラブ側でなんとか出場時間をマネジメントして大事な試合にぶつけていくしかない。

実際に今季も半分以上の試合を欠場しており、通年での起用は考えにくい選手となってしまっている。大事な試合になかなか出場できず忸怩たる思いがあるだろうが、だからこそ適度な休憩を大切にしていってもらいたい。

#15 Andreas Christensen

26歳という年齢、チェルシーでの実績を鑑みるに、絶対的スタメンとは言わずともある程度の貢献は求められていたはず。その期待に応えるだけのパフォーマンスを果たして見せられたのか?見せてくれてたんですよねこれが!

左右のCBをこなし、強度もスピードも水準以上。そしてきっちり縦パスを刺せるだけでなく、うまくパスコースを作る立ち位置を取るのが非常に上手い。いわゆる綺麗で大きな五角形を描ける能力値を持っている男である。

フリーでの移籍を選んだせいでメンタルが弱いだの勝負弱いだの弱いだの言われていたが、今のところ大きな不安要素は見つからない。それだけに、足首の捻挫でインテル、バイエルンとの2ndレグを棒に振ったのは痛恨だった。筋肉系の怪我と違って予防できるものでもないが、いてくれたらELだなんだと煽られることもなかったかもしれない。優勝して見返してやりましょうや。

#17 Marcos Alonso

まさかのCB枠で登場である。実はうちではこっちでの出場のほうが多いんだ。びっくりだよな。左のSBに売り出し中の成長株バルデ、信頼と実績のアルバの2人がいること、クンデが右SBに出張しがちなこと、シンプルにCB陣に欠員が増えたことなどが真ん中で起用されていた理由である。

188cmという身長はブスケツの189cmに次いでチーム2位(アラウホと同じ)でエアバトルにもそこまで不安はなく、ロンドン方面からの疑問とは裏腹に安定感のあるプレーぶりを見せてくれている。というか、攻守ともに局面を自力で何とかすることを求められるSBよりもこっちのほうが向いているのではあるまいか。獲得時は自分もいろいろ疑問だったが、フリーでこの選手をチームに加えられたのは成功だったと言っていい活躍ぶりである。

守備のセットプレーでは流石に本職のCBほどの信頼感はないものの、攻撃時にはこっそり得点も記録している。このあたりはWBで突撃していたチェルシー時代の経験が活きているのだろう。怪我体質の人が多いDFラインなので、これからも健康に頑張って頂きたい。


#23 Jules Koundé

こちらも今夏からの加入。DFラインは一新されたよね、ほんと。御多分に漏れず、期待以上の働きを見せてくれている頼れる新人である。

右SBでの起用も多いものの、スーパーな個性を発揮できるのはやっぱりこっちでしょう。ブスケツが中央に鎮座している中でCBが突撃するのはリスクが高いが、降りてきてボールをもらいたがるフレンキーが中心となればむしろポジションをひたすら入れ替えて無敵化する可能性もある。まあ全部妄想なんですけどね!

機動力があり、カウンターの芽を事前に潰し続ける勤勉さもある。そしてボール扱いが上手いとなれば、すぐにフィットしたのも当然と言えるだろう。懸念点はやっぱり負傷が気になるところで、この人もちょこちょこシーズン中に離脱を挟んでいる。DFが大怪我から立ち直るのはなかなか難しいということを我々は学んでいるので、無理なく怪我無く末永くをモットーに活躍していってほしい所存にごさいます。よろしく。


#24 Eric García

出場時間的にはアラウホやクリステンセンより多い。多いのだが、だから序列が彼らより高かったとは言えないのがつらいところだ。むしろ、彼らがいなかったために出場時間が増えたというのが実情になるだろう。

アラウホは置いておいて、左利きのアロンソに立ち回りの上手さで循環を途切れさせないクリステンセン、そしてワンツーでの突撃までできてしまうクンデの3人がいると、わざわざボール運びのためにエリック・ガルシアを起用する試合はどうしても限られてきてしまう。

22歳のCBというプロフィールから見れば決して悪くない出場時間にも思えるが、ライバルが23歳だったり24歳だったりするのであんまり若手感が出ないのもかわいそうなところだったりする。我慢の1年となるか、シーズン後半に巻き返すのか。今後に注目です。

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