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【22-23冬】FCバルセロナ私的通信簿【SB,MF編】

「前回から1週間以上あいているな」

「時間はあったんだけどね。おかしいな」

「そもそもなんで会話形式で入るんだ」

「うるさいな、やってみたかったんだよ」

「本当にそれでいいのか?」

「いいだろ!それより前置き長くない?」

「それもそうだな」

「「それでは、続きをどうぞ」」



SB

#2 Héctor Bellerín

フリー移籍で加入してくれたものの、見ての通りほとんど出場機会を得ることはできなかった。というか、怪我人が多発していなければもっとプレータイムは減少していたはず。

単純に身体能力が間に合っておらず、チャビバルサのハイライン根性ディフェンスとはとにかく相性が悪かった。そもそもチャビが仕組みを整えてDFを守るタイプの監督ではない上に、ベジェリン自身もチームの形を変えるまでの攻撃面でのメリットを提示できなかった。正しい立ち位置からスタートしたのに、普通にマネにぶち抜かれていたのは象徴的なシーンである。

逆に言えば強度を上手い具合にごまかすことができれば、周りを見ながら賢くプレーできる選手のはず。スポルティングでは守田英正の同僚として頑張って頂きたい。


#18 Jordi Alba

これまでのシーズンとは違って、もはや絶対的なスタメンではなくなった。さすがに33歳になって対人守備の強度も下がり、おまけに競争相手が元気溌剌な19歳とあってはちょっと身体能力では分が悪い。

とはいえ往年のランニングが衰えたかと言われれば全然そんなことはなく、なんか攻撃にパンチないな~と思ったときに出せば何かしてくれる選手である。去年と違ってボランチ仕事をやらなくなったので若干関わる回数は減っているものの、低めの位置から簡単にボールを散らす姿も見慣れたもの。見ていれば褒めるポイントはたくさんある。

今シーズンは1試合に2回抗議でイエローカードをもらうというウルトラCを見せつける(協力:マテウ・ラオス)など変な見せ場を作っているが、工夫すれば余裕でチームの核としてプレーできるレベルにはあるはず。高年俸かつ稼働率が減ってくるとなると財政的には放出したくなるが、果たしてこれから巻き返しはあるのか。


#20 Sergi Roberto

地味に中盤でも出場しているが、やっぱり今シーズンの主戦場はここだろう。ベジェリンがいなくなってしまったので、右のワイドを上下動できるSBはこの人しかいなくなった。本人も30になって筋肉系の負傷も増え、おまけにアクシデントで肩を脱臼するなどまたしても厳しいシーズンになっていることは否めないだろう。

ラ・リーガ第11節、アスレティック・ビルバオとの試合では気迫あふれるプレーでゴールまで決めていただけに、その試合で肩を負傷してしまったのは痛恨だった。3日後のバイエルンとの試合で見てみたくなるパフォーマンスだったな。大ピンチを防いでくれたスライディングが原因なので、そこをとやかく言うわけにもいかないんだが。

これからはクンデのプレータイムを上手い具合に管理する要員としてプレーしつつ、4人起用が増えた中盤の穴埋めもするという便利屋扱いが増えていくと予想される。損だし地味だけど、大事な役回りだ。


#28 Alejandro Balde

シーズン序盤から出番を掴みつつ、本職ではない右SBでも全然出るという起用のされ方から分かるように、チャビの寵愛を受けてすくすく育った19歳。ガヤの負傷を受けてワールドカップメンバーにも選出されるなど、異常に濃い半年間を過ごしてきた。まさかのDF陣で最多の出場時間を記録しており、現在リーガ最少失点の堅守を構築した立役者のひとりと言っていいだろう。

最近はガビのWG起用に伴って高い位置を取る機会も増えているが、ドリブルで無双しているときは大体ちょっと後ろから助走をつけて駆け上がってきたタイミングである。突撃した勢いのまま、ライン際までえぐってからのクロスがちゃんと点に繋がっているのが偉い。

ワールドカップ日本戦でも見られたように自陣深くで詰まると焦って謎の挙動を見せたりするが、そのあたりは適当にぶつけてスローインにするアルバの姑息な手を見習ってほしい。というか、相手を抜けずともどうにかしてしまう手管は世界一の先輩だ。それが真似できれば最強になれる。


#5 Sergio Busquets

今年も当然のように出場し、当然のようにボールを循環させ続けた。アシストが2になれば去年の記録を更新する。頑張ってくれ。

代表引退、そしてバルセロナでの700試合出場を達成するメモリアルなシーズンになったが、なんと退団報道がずっと出ている。本人の意思次第なところがあるものの、クラブの財政状況などを考えると割と現実味があるのかな?と言えてしまうのが悲しい。

本人が限界を感じている部分があるとすれば、ネガトラで蓋をする部分だろう。もともと速くなかったのが今やシンプルに遅いおじさんになっており、ファールで止めたり突っ込んで外されたりというシーンもちょこちょこ見られるように。ブスケツの手をすり抜けてすくすく成長するかと思われたピンチの芽は、強力DFラインに即座に刈り取られるので日の目を見ることはほとんどないが。

#6 Gavi

やっとトップチームの番号を、6番を背負う日がやってきた。YouTubeで見た現役時代のチャビとはまったく違う火の玉のような青年は、トランジションを生命線とするチームで順調に中心選手への道を駆け上がっている。

まったくフィジカルコンタクトを恐れずにぶつかっていく姿勢はチームの中でも異質で、だからこそ替えがいない選手になった。レヴァンドフスキがいない試合はテア・シュテーゲンが彼をターゲットにロングボールを蹴っていたほどである。SB相手ならまあまあ勝つんだ、これが。これまで欠場したのはバイエルンとのセカンドレグだけという記録が何よりの証明である。

シーズン序盤は右のIHの位置から裏抜けを繰り返していたが、デブライネ的クロスアタックはほぼ全部コーナーキックにされたのであえなく取りやめとなった。いいキッカーもターゲットもいるんだから、もうちょっとセットプレーから点が取れてもいいと思うんだけどな。現在は左のWGの位置からスタートしているが、どこにいてもチームに熱を与えられる存在。クラブでも代表でも中心になれる!と言うにはもう遅すぎるよな。


#8 Pedri

既に昨シーズンの試合数、出場時間を越えた。ゴール数も1つ上回った。そして今シーズンからは憧れの8番だ。めでたい。すごい。素晴らしい。イニエスタにも会えたしね。

昨シーズン終盤の2つのゴラッソの影響があったかどうかは分からないが、チャビは一貫して左のIHに配置することにこだわりを見せていた。しかしチームとして若干前進がうまく行かない時期だったこともあり、ペドリは無事にビルドアップからゴール関与まで全部やるマンと化した。できることは全部やるんだから、あんたって人は。

チャビが中盤を4人置くシステムを発見してからは、ひたすらライン間で前を向いては相手ゴールを脅かす方向性へとシフト。アシストこそついていないが、アトレティコ戦での時空を歪めた侵入を筆頭に崩しの一歩目としても才能を発揮している。レヴァンドフスキの影に隠れてこっそりゴール前にも侵入するようになっており、得点もできる怖~い選手に変身中。眼鏡のゴールパフォーマンス、流行らないだろうか。部活やってる皆さん、ひとつどうです?

#19 Franck Kessié

基本的にずっと釈然としない顔をしながら、高い位置で走り回る仕事に従事している。ライン間で受けてターンとか、裏抜けでWGをサポートとか、プレスの先陣を切るとか、そういう絶妙に向いていなさそうなことをずっとやっている。国王杯では急に1G2Aの大活躍をしたらしいが、例によって視聴手段が存在しないので何も分からない。

ミラン時代のことも知らないのでほぼうまく行っていない姿しか見ていないが、唯一可能性の片鱗を感じたのが中盤の底での起用だった。スペースを埋めつつ来たボールを漏らさずカットする守備、そして大きな展開。落ち着いて周りを見られれば、シンプルに邪魔にならずプレーすることも十分にできるはず。

となるとやってみたいのはフレンキーと並べるやり方だ。奔放に走り回る相方を常に確認しながら、バランスを取り続けるケシエを見てみたい。あとは大穴の右SB起用とかもね。後方支援とカウンター対応が基本だから、意外とできたりするんじゃないか?


#21 Frenkie de Jong

財政的問題によって移籍が取り沙汰されていた(というかクラブ側は明らかに売りたがっていた)が、本人の強い意志によって残留。シーズン序盤は30分だけ出るなんて試合もあり、フル出場した試合は全体の半分ほどに留まっている。

というのも、このシーズンになってからペドリとガビが完全に外せない選手になってしまったのだ。IHは彼らの城ということで、ブスケツ後を見据えてピボーテで使われてみたり、3バックで中盤の底にガビと並べてみたりしたが最高のフレンキーを見せるには至らず。結局ペドリがボール出しのために出張してくるなど、いまいち得意の持ち上がりを活かせない状況が続いていた。

潮目が変わったのはブスケツと2人で並ぶようになってから。ほぼ左SBのような位置に下がってみたり、右サイドのクンデに駆け寄ってみたりと広くピッチを使ってボールを引き出せば、前にはペドリとガビが準備万端で待っている。崩しの段階では若干存在感が薄くなるので、前が詰まった時にゴール前に飛び込んで得点する仕様を再実装できれば地位は盤石だろう。

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