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【22-23春】FCバルセロナ私的通信簿【FW編】

「ログ・ホライズン」って作品、知ってたりします?これ、ゲーム世界に飛ばされたプレイヤーたちが脱出のために奮闘する、いかにも中2の心に刺さる内容の小説なんですね。

いわゆる「なろう小説」という括りではあるんですが主人公がひたすら無双するわけではなく、とにかく読んでいて気持ちのいい作品だったわけなんですよ。

でもね、この小説、完結してないんです。続編待ってるんですけどね。

何が言いたいかって?

時間はかかっても、完結させることに意味はある。そういうことです。


#7 Ousmane Dembélé

昨シーズンに続き、チームの主軸として崩しの局面で活躍。序盤は左で先発するものの、なんとなく上手くいかずに右に戻される流れは何度も繰り返し見られた形である。プレー選択とその精度を考えると、両利きと言いつつドリブル時に触るのは左足、キックをちゃんと蹴るなら右足なんだろうなという雰囲気がある。

改めて言及するまでもないが、単体での局面打開力は本当に目を見張るものがある。しかし、プレーエリアがタッチライン際に偏りがちなこと、そして1月末にまたも筋肉系の負傷に見舞われたことが原因で印象ほどの数字は出ていない。

前回とは打って変わって契約更新に向けた交渉は順調だと報じられているが、「半シーズンの男」から脱却できていないだけに起用方法は慎重に考えていかなければならない。デンべレが軸ではなく、プラスαになるチームづくりが理想だろう。


#9 Robert Lewandowski

暫定リーガ得点王の絶対的エース。デンべレとペドリがいなくなってからはこの人のポストプレーが前進の基本ルートとなっており、毎試合相手CBに蹴られまくっている。シーズンが進むにつれてペースが落ちていることと、ゴール前以外での仕事量の増加は無関係ではないだろう。スペシャルな選手なことに疑いの余地はないが、34歳のおじさんにやらせる仕事量ではない。

とかなんとか言われつつもベテランとして、チームのために働き続ける姿は若手たちのよいお手本になっているはず。得点するたびに全速力で駆け寄ってくるガビはその最たる例だろう。プレー面でもメンタル面でも、すっかりバルセロナの柱として君臨しているその姿は頼もしいの一言だ。

怪我人が絶えないスカッドにおいて、(退場によるお休みはあったものの)ほぼ怪我なく来ているのも嬉しいポイント。とはいえ頼りっきりにならないように、レヴァンドフスキ以外の得点手段の発見が急務である。


#10 Ansu Fati

これまで怪我無く来れている。おおよそ200分に1点と、数字もある程度は出せている。ポジティブなことと言えばそれくらいで、完全復活にはまだ道半ばといったところだろう。

プレーを見ているとなかなかギアが上がり切らない印象で、保持時にしても非保持時にしてもかつての俊敏さ、勤勉さは見られない。あれだけ負傷離脱を重ねれば無理のないことかもしれないが、キレが戻らないままピッチに立ち続けているように見える。

本来なら、100%を出し切れない選手を出場させるべきではないだろう。しかし、ことアンス・ファティに関してはそれでいいのか?という疑問も少しあったりする。仮にシーズン途中に優勝が決まった場合、復活のために時間を与えてみるくらいのことはしてもいいのではないだろうか。実際に試合に出続けることがどれだけ選手に自信を与えるか、ガビやバルデを見ていれば分かるはずだ。


#11 Ferran Torres

こちらもなかなかトンネルから出られなかった人。フル出場は10節まで待たなければならず、その後もなかなか結果が出ないままであった。アトレティコ戦でサヴィッチにヘッドロックをかますという暴挙に及び、仲良く退場していった事件がいちばんインパクトがあったかもしれない。

そんな風向きが一変したのが22節のカディス戦。左SBのアルサメンディアをひたすらボコボコにして気をよくしたのか、その後は数字が出なくとも迷いなくプレーするように。焦らず騒がず、自分にできることをピッチ上でやりつくす気概が見えるようになった。

右サイドでの起用では積極的な裏抜けこそ減るものの、抜き切らずに上げるクロスの精度の高さは折り紙付き。レヴァンドフスキとのタイミングもばっちりなのだが、ギリギリで決めきれないシーンが量産されつづけているのが不憫。


#22 Raphinha

リーズで熾烈な残留争いを闘い抜いてやってきたブラジル代表。最初はデンベレ延長か、それともハフィーニャ獲得か?という扱いだったはずが、気づけば2人ともチームにいたのだった。

シーズン序盤はそのデンベレとの同時起用を目論むチャビによるディ・マリア化計画が進行していたが、左サイドでのプレーには分かりやすく困惑している様子だった。スタートでは右にいたのがいつの間にか左に回されたりもしていたが、その根気が実を結ぶことはなさそうな雰囲気に。そもそも右で使いたくて獲得したんじゃないのかい。

メッシ、デンベレと規格外のドリブラーを見てきた身からすると単騎での突破力は物足りないが、基本的に何でもやってくれる万能なウインガー。果たしてチャビに彼を活かし切る気はあるのだろうか。


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