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お給料をもらおう①

嫌がらせ(ハラスメント)の意図がなかったのかもしれませんが、「お給料をきちんともらえないまま会社を辞めた」という話はたまに聞きます。
基本的な知識さえあれば、出るところに出たのに、知らなかったので泣き寝入りだった、と言う人もいます。
こういう話を聞くと、従業員の知識がないのをいいことに、敢えて支払わなかったのかな、と悪意を感じます。

一方で、払う意志はしっかりあっても、支払い方を間違えると大変です。

私は会社員のときに、ホールディングスの人事と言う立場でグループ会社の人事業務の対応をしていました。
当時接していたグループ会社の社長は、社長といっても自分で会社を一から立ち上げたわけではありません。現場で優秀なプレイヤーであった人がどんどん役職をあげて社長というポジションに就くことがほとんどでした。

そのため、人事や労務系の話は当然ながら専門ではありません。
「年俸制で、給料を年に10回払いにしたい」など言います。

それはダメです

年俸制であろうと何だろうと、給与は毎月1回以上支払わないといけません。

※当該会社では管理部門がしっかりしていたので、そのようなことは行われていません。

お給料の支払い方には、ルールがあります。

これは、人事・労務の人だけでなく、お給料をもらう人であれば、知っておいた方が良いことです。
勝手に給料が引かれている、支払いがいつあるかわからない
などはあってはならないことです。
ご自身を守るためにも、基本的なことは知っておきましょう!

賃金支払いの5原則 

賃金は
1 通貨で
2 直接労働者に
3 その全額を
4 毎月一回以上
5 一定の期日を定めて
支払わなければならない

これは労働基準法第24条で定められています。

具体的に個別に見て行きます。

1 通貨払いの原則

「通貨払い」とは、現金(お札・硬貨)で支払うことです。
多くの人は、銀行振込や証券総合口座への振込により、賃金を受け取っています。
この原則から言うと、振込により支払う方法は、「通貨払い」ではありません。

振込は例外として労働者からの同意を得た場合にのみ、銀行口座と証券総合口座が定められています。
「同意なんてした覚えない」という方、同意しています。
入社時に、振込先として銀行口座を書いて人事に渡していますよね。それが同意です。

また、労働協約(労働組合と使用者が行った取り決めや契約)があれば「現物払い」も可能です。
昼食や住宅などはこれにあたります。

ちょっと細かいルールがあります。
例えば、昼食1食を
A社では2000円と設定し、食事代として月4万円支払っている
B社では500円と設定し、食事代として月5000円支払っている
など会社によって金額が異なると困りますよね。
なので、「現物給与価額」が定められています。
たとえば、東京都であれば1日あたり710円、1か月あたり21,300円の価額が設定されています(2020年4月現在)。

そして、この価額の2/3以上を食事代として徴収している場合
(たとえば、東京都であれば710円としている「現物給与価額」のうち2/3以上、500円を従業員が負担している場合)
「現物による食事の供与はないものとして取り扱われる」ため、現物給与価額は0円となります。


細かいルールはこちらが分かりやすいです

あしたの人事Online
現物支給とは?給料の代わりになる物・ならない物、制度の仕組み
https://www.ashita-team.com/jinji-online/labor/10415

そして、なんと2021年度には「給与デジタル払い」も解禁予定です。
〇〇Payなどで給料が支払われることもOK、ということですね。
時代です…。

ただ、これについては
・〇〇Payのような「資金移動業」が破たんした場合のリスク
・不正利用のリスク

などがあるとして、連合は反対の立場をとっています。

連合
何が問題?賃金のデジタル払い
https://www.jtuc-rengo.or.jp/digitalmoneypay2021/

ここまで見てきましたが、通過払いの原則の例外として許されるものは、細かくルールが定められています。
労働者が不利になるような支払われ方が行われないように、厳しくなっています。

賃金支払いの5原則は、労働者を守る観点で定められているものです。
次回は2つめ以降、「直接払いの原則」を見て行きましょう!

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