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希望退職を前向きにとらえる

希望退職を募る企業は増えている

昨年の春先からコロナ対策として自宅にこもり勉強や仕事をし、遊びで外出なんて、とんでもない!と自粛をしてきました。今も引き続きその状況であり、説明をするまでもありません。

外出による消費が減るわけですから、外出消費などの事業を行っている企業の売り上げは減ります。
昨年2月からの「新型コロナウイルス関連倒産 累計発生件数水位」です。
累計で2000社です。

参照:帝国データバンク 新型コロナウイルス関連倒産(2021年9月3日)
https://www.tdb.co.jp/tosan/covid19/index.html

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業種別にみると、上位は「飲食店」(336件)、「建設・工事業」(203件)、「ホテル・旅館」(109件)、「食品卸」(103件)など
のようです。

ここにあるのは「倒産」であり、現在厳しい状況にある企業の情報は入っていません。現れていないところに膨大な苦しんでいる企業があると考えられます。また、これらの倒産により、取引先も大口顧客がなくなるなどの影響を受けている場合があります。

倒産する前に企業は様々な手を打ちます。固定資産を売却したり、子会社を売却したり、従業員のボーナスカットをしたり。希望退職者を募ったり、最終的に整理解雇をする場合もあるでしょう。

私が元人事で「ハラスメント」を事業とし独立しているため、いろんなところからハラスメント関連の話が入ってきます。
最近は「希望退職やリストラ(ここでは整理解雇の意)」の話をとてもよく聞きます。

ただ、対象者本人からの相談はほぼありません。これらは自分が対象ということや自分がそれによって退職したことを言いたくないという気持ちが働くのだと思います。

ここでお伝えしたいのは、それらの対象になったからと言って「直接その人の能力に関係するわけではない」ことです。
別に恥ずかしいことでもありません。希望退職やリストラ対象になり落ち込む人も多いと思いますが、そういうことではないのです。
能力ではなく、職種や勤続年数、グループ会社…など明確なカテゴリで退職者を募ります。

例として、大手企業が希望退職を募ると報道されると、その対象事業所がある駅や、そこの路線の公共交通機関に人材募集の広告が大きく出ることがあります。
その会社では残念ながら雇用し続けることが難しくても、他の会社からすると喉から手が出るほど欲しい人材であることはよくあるからです。

希望退職を受けるメリット

下記が参考になります。

参考:エン転職 転職大辞典
希望退職募集制度とは?早期退職との違いやメリット・デメリットについて
(2019年8月23日)
https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/10294/

(一部抜粋)
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【メリット】
退職金が多く得られる
希望退職制度を利用すると、ほとんどの場合で割り増しの退職金を提示されます。当面の生活を心配することなく、過ごすことができます。

失業給付金をすぐに得られる
希望退職の場合は「会社都合」での退職となるため、「自己都合」の場合に比べて2ヶ月以上も早く、給付金の支給が始まります。

失業給付金の給付期間が長い
「会社都合」の退職の場合、「自己都合」の退職よりも、最長で2倍以上の期間にわたって失業給付金を受け取ることができます。

転職活動の際に離職理由を説明しやすい
業績悪化の希望退職の場合、「自分の意志で退職した」という意味で、リストラよりも格段に離職理由を説明しやすいはずです。

【デメリット】
社宅住まいの場合、引越しが必要
社宅は、当然退職時に引き払わなければなりません。その際に生じる引越し代などは、大きな負担となってしまう可能性があります。

転職先が決まらない可能性もある

景気の変化などが理由となり、当初想定していたよりも転職先を見つけづらい…なんてことも考えられます。「退職してから探そう」と楽観的に考えた結果が裏目に出る可能性も、想定しておく必要があります。

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同業種・同職種の転職はやりやすいかもしれませんが、異業種、異職種での転職やこれまで高い給与をもらっていて同じ水準で見つけようとすると難しいかもしれません。
また、超大手企業の希望退職者を他社に紹介採用しようと動いたプロジェクトでは、超大手→大手・中堅に転職の場合、給与がネックで決まらなかったという話はよくあります。

たとえば、超大手の部長クラスであれば1000万円越えが当然でしょうが、それが世間一般の水準ではないということを理解し、受け入れられれば転職先はあると思います。

プライドは時に邪魔になってしまうこともあります。うまく折り合いをつけ、同じ業界で同じ職種で転職先を探せばきっと仕事はあります。

会社を辞めて起業するには

ここからは私の意見です。私は転職経験が5回あり、組織で働くことが向いていない人間です。そんなやつの意見なので共感できないという方もいらっしゃると思いますが、それを承知で下記に書きます。

私なら、希望退職の募集があればさっさと辞めます。喜んで。
そして、事業を始めます(もう始めているんだけど)。

理由としては、大きく4つです。

A.金銭面でのメリットが大きい
割り増しで退職金がもらえる、「会社都合」で失業保険が早くもらえる。
事業の元手が増える。
B.雇用されるというストレスから解放される
めんどくさい人と絡まなくて済む、意味不明な指示をする人がいなくなる。
C.起業コストがほぼかからない
昔のように株式会社に資本金1千万用意する必要がない。バーチャルオフィスなら数千円から使用可能。さらにバーチャルオフィスで登記できる。
D.孤独でない
今は個人事業主や少人数の社長がたくさんいるので、良いコミュニティが見つかれば質のいい情報が得られ、協力者が得られる。

起業のハードルは高いと思われがちです。
会社法が改正されたのが平成18年(2006年)。まだ15年前の話なんですね。
今は1円でも株式会社が設立できますが、昔の印象が強く残っている方にとっては「会社をつくるなんて自分には無理!」と最初から拒絶反応を示される方もいます。でも、社員を雇う必要もなければ、オフィスは自宅でも良いのです。登記して名乗ってしまえば社長になります。
手続きに必要な20万円くらいあればできてしまいます。


また、一方で「自分には得意なことがない」という方もいらっしゃいます。さすがに20代で社会人経験が浅い方が「私は人よりもこれに長けています!」と言い切ると少し疑ってしまいます(子供のころからプログラミングをやってきたとか、趣味やバイトで培ってきたスキルを伸ばし続けているとかは別です)。
ただ、40代に入った方であれば何かしら人より長けていることはあるはずです。それは続けることが苦にならないとか、努力できる、勉強が苦にならないなども該当しますし、これまでの会社員人生で培ってきた人脈もそうです。
分かりやすい特技があればそれで独立すればいいし、そうでなくとも特技の組み合わせがお金を生むこともあります。

いろんな業界に知り合いが多い人は、自分の専門分野を生かしたコーディネーター業が成り立ちます。割とこのように仲介をやっている方は多い印象があります。
また、自分の専門分野を少し一般化してわかりやすくかみ砕き、講師の仕事をしている人も多いです(人事、法務、広報経験者など)。

それでも決心がつかない場合は、副業をやってみることがお勧めです。
月に3万円~5万円の業務委託をやってみたり、スキルをココナラやビザスクなどのサービスで売りに出してみます。このくらいの収入が作れれば、会社を辞めても、副業に時間を全部費やした場合、少なくとも20万円くらいにはなるのではないでしょうか。自分ひとりのご飯は食べれるくらいでしょう。

なぜ希望退職に応募することをお勧めするのか

そして、話を希望退職に戻します。
もし、希望退職を受けなかった場合どうなるかというと、その後はなかなか厳しいものがあります。

多くの場合「面談」があります。人事などが、そこはかとなく、退職を促してきます(ふんわりと奥歯にものがはさまったように)。
辞めないと、何度も何度も面談が繰り返されます。

何度も個室で、複数の相手に言われ続けると、精神的にも参ってしまいます。これで転職活動をしても自信を失っている状態では、あまりうまくいかないでしょう。

タイミングを逸すると、割り増し賃金は出なくなりますし、会社に残ってもハラスメントになるかならないか微妙なところを攻めてくる可能性もあります。

働くことへの価値観

超大手企業・大手企業にいる人にとってはその会社に在籍することがステータスであり、部長や課長などの役職がある人であれば、さらに忠誠心も高いのだと思いますが、大変残念なことに、世間の働くことへの価値観は目まぐるしく変わっています。

超大手企業・大手企業やかつて人気のあった業界への、新卒学生の応募は著しく落ち込んでいます。
そして入社したからと言って、がむしゃらに働いて上り詰めたいと思う人も減っています。コスパ良く働きたい若者が多いのです。

これについては「今の若い人はちゃんと考えているな」と感心しますし、日本もまだまだいけると感じさせてくれます。

このあたりのデータは少しネットを調べれば簡単に出てきます。

リクルートワークス研究所
「コスパ志向」が若者の仕事観にもたらした真逆の2つの結果を考える
(2021年1月27日)
https://www.works-i.com/column/works04/detail036.html

マネー現代
日本の若者たち、いよいよ「大企業離れ」が止まらなくなってきた…!(2019年12月13日)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69098?imp=0

企業の名前や役職にこだわりを持っていて、手放したくないという気持ちがあったとしても、実力のある若者たちには、だからなんだ、と思われているでしょう。

今は企業の名前や役職ではなく「その人の本来の力」が求められているのだなと思います。今は、かなりそういう環境であることを認識する、受け入れる段階なのではと思います。

希望退職というのは、「希望がある退職」と私は考えます。
挑戦って、始めるまでは怖くても始めてしまうと意外と平気だったりします。

この記事を通して言いたかったのは、希望退職でも目の前に現れたそれをチャンスとして、楽しみましょう!ということです。
力がある人がこれをネガティブに捉えてしまい、縮こまることがもったいないと思っています。一緒に挑戦しましょう。

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