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お給料をもらおう②

前回は賃金支払いの5原則、その1「通過払いの原則」について書きました。
今回はその2「直接払いの原則」について見て行きます。

おさらい:賃金支払いの5原則 
賃金は
1 通貨で
2 直接労働者に
3 その全額を
4 毎月一回以上
5 一定の期日を定めて
支払わなければならない

「直接払いの原則」は言葉の通り、賃金は労働者に対して直接支払わなければなりません。

例えば中学校を卒業して働いている人の親が「成人するまで私宛に給料を振り込んでください」というのは一見良いように見えますが、これもダメです。
使用者と労働者との間に仲介人が入ると、労働の対価である賃金が仲介人や第三者に不当に搾取されるおそれがあるからです。

ただし、賃金をもらう権利(賃金債権)を譲渡することはできます。
その場合であっても、使用者は労働者に対して賃金を直接支払わなければいけません。

質問
労働者の退職に際し、労働者にお金を貸しているという貸金業者が現れ、退職金を自分に支払うよう求めてきた。どのように対処すべきか。

回答
本人に支払い、その後、労働者と貸金業者の間で話をつけてもらう。

参考:労政時報の人事ポータル ジンジュールhttps://www.rosei.jp/jinjour/article.php?entry_no=56230&bk=category%2Fqa.php

上記の場合、うっかり貸金業者に労働者の賃金を支払ってしまい、労働者が会社へ賃金の支払い請求をしてきたら、もう一度その賃金を支払わなくてはいけません。

直接払いの例外としては、
①「使者」に渡す場合
②強制執行による差押え等の場合
です。
①は夫が給与支給日に体調不良で受け取れないとき、妻が代わって会社に受け取りに行く場合など。ただの「お使い」として受け取る分には良いことになっています。
②国の税金を滞納し、賃金債権が国税徴収法に基づく国税滞納処分を受けた場合や裁判所により民事執行法に基づく強制執行の差押えがなされた場合。使用者は、労働者に対して支払うべき賃金のうち差し押さえられている部分をその差押債権者に支払います。

ここでも労働者保護の観点で、強制執行(裁判所から)の場合、賃金の差し押さえは1/4までとなっています。

参考:未払い賃金・残業代請求ネット
賃金の意味・原則 賃金の間接払いが許される場合
http://www.mibarai.jp/chingin-gensoku/chokusetubarai-reigai.html

賃金の直接払いについては、有名な裁判例があります。
こちらも見ておくと、より理解が深まると思います。
電電公社小倉局事件(最判昭和43年3月12日)

参考:キノシタ社会保険労務士事務所 なるほど労働基準法
https://www.kisoku.jp/tingin/siharais.html

次回はその3「全額払いの原則」です!
意外に書くことがたくさんあって、シリーズものになってしまいました。

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