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S2,3PSA%検査の保険適用について

2024年2月1日付で保険適用された、新しい腫瘍マーカーである「S2,3PSA%」についてお話さ
せていただきます。

弘前大学の研究チームと富士フィルム和光純薬株式会社より臨床試験を経て保険適用されました。本検査はグレーゾーンと言われている「PSA検査結果4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下である者」に対して高精度に鑑別できるものになります。これにより偽陽性に対する二次検査として実施することで、がんではない人に針生検等による侵襲性の高い精密検査を行うことを回避できると期待されています。

≪参考URL≫
弘前大学プレス発表資料
https://www.hirosaki-u.ac.jp/wp-content/uploads/2024/02/20240220_press.pdf
中医協 臨床検査の保険適用について
富士フイルム和光純薬

◇S2,3PSA・i50 248点

・前立腺がんであることが強く疑われる者であって、「前立腺特異抗原(PSA)」の結果が 4.0ng/mL以上10.0ng/mL以下である者に対して、LBA法(定量)により測定した場合に、原則として1回を限度として算定する。ただし、前立腺針生検法等により前立腺がんの確定診断がつかない場合においては、3月に1回に限り、3回を限度として算定できる。

・「前立腺特異抗原(PSA)」、「遊離型PSA比(PSA F/T比)」又は「プロステートヘルスインデックス(phi)」を併せて実施した場合は主たる検査のみ算定する。

・「前立腺特異抗原(PSA)」の結果判明後であれば、「前立腺特異抗原(PSA)」の実施から3月が経過していなくても算定できる。

・レセプト摘要欄に「前立腺特異抗原(PSA)」の測定年月日及び測定結果を記載する。また、本検査を2回以上算定する場合は、2回以上の実施が必要と判断した医学的根拠を併せて記載する。
※レセプト電算処理システム用コードあり


《レセプト電算コード》
850190221 前立腺特異抗原(PSA)の測定年月日 830100838 前立腺特異抗原(PSA)の測定結果 830100839 2回以上算定する必要性
※前回実施日(前立腺針生検法等により前立腺がんの確定診断がつかない場合)
(初回の場合は、初回である旨を記載)
850190220 前回実施年月日(S2,3PSA%)
820190494 初回

以上が算定要件等になります。

欧米で特に多い前立腺がんですが、近年日本でも罹患数及び死亡者数が増加しています。前立腺がんは早期に発見し、適切な治療を行えば5年生存率は100%と言われています。ですが、発見が遅れ遠隔転移がんとなると5年生存率は53.4%と著しく低下するとされています。昨今は厳しい改定や仕組み等で、辟易することが多いですが、このように新しい検査が評価され保険適用される良いニュースがあるのは嬉しく思います。

今後とも、皆様にお役立ていただけるように記事を作成させていただきますので宜しくお願い致します。





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