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令和6年度診療報酬改定〜発熱患者等対応加算について〜

今回の改定にて、表題の加算が新設されました。 前回改定で新設された【外来感染対策向上加算】に対する加算となります。

◇発熱患者等対応加算 20点

[算定要件]
外来感染対策向上加算を算定する場合において、発熱その他感染症を疑わせる症状を呈する患者に対して適切な感染防止対策を講じた上で診療を行った場合は、月1回に限り20点を更に所定点数に加算する。
従って、当該加算の対象項目である

初再診料、医学管理料、在宅患者診療・指導料
精神科訪問看護・指導料
        +
   外来患者対策向上加算(6点)
        +
   発熱患者等対応加算(20点)

となり、月に1回に限り26点の加算ができることになります。 月に1回なので、同じ月に初診料に加算、再診料に加算といったことは出来ず、どれか一つの項目に対して月に1回しか加算できないということになります。この解釈は外来感染対策向上加算についても同様です。

更に、外来感染対策向上加算に関する施設基準が追加されました。

1.外来感染対策向上加算に関する施設基準【抜粋】

(2)当該保険医療機関内に感染防止対策部門を設置し、組織的に感染防止対策を実施する体制及び感染症の患者を適切に診療する体制が整備されていること。 ※太文字部が追記された。

(13)当該医療機関の外来において、受診歴の有無に関わらず、発熱その他感染症を疑わせるような症状を呈する患者の受入れを行う旨を公表し、受入れを行うために必要な感染防止対策として発熱患者の動線を分ける等の対応を行う体制を有していること。

(14)感染症法第38条第2項の規定に基づき都道府県知事の指定を受けている第二種協定指定医療機関(第36条の2第1項の規定による通知(同項第2号に掲げる措置をその内容に含むものに限る。)又は医療措置協定(同号に掲げる措置をその内容に含むものに限る。)に基づく措置を講ずる医療機関に限る。)であること。

(18)感染症から回復した患者の罹患後症状が持続している場合に、当該患者の診療について必要に応じて精密検査が可能な体制又は専門医への紹介が可能な連携体制があることが望ましい。

[経過措置]
令和6年3月31日において現に外来感染対策向上加算の届出を行なっている保険医療機関 については、令和6年12月31日までの間に限り、1の(14)の基準を満たしているものとみなす。

以上が今回の改訂で新設された内容になります。 なお、今回の施設基準(14)にある「第二種協定指定医療機関」については、感染症法が令和6年4月1日に施行されます。自身の都道府県にてどのような条件が設定されているか確認が必要です。

また、多くのコロナ特例における診療報酬上の取り扱いが3月末で終了しました。自院にて対応可能であり、算定できるものについては施設基準を確認し、届出を行い、逃さないようにしましょう。

今回、ポストコロナにおける感染症対策の評価として当該項目が新設されました。ですが、「発熱その他感染症」と文言にあるように新興感染症発生時には医療提供を行うものになります。新型コロナウイルス感染症により、医療現場は大変な混乱と負担が生じまし た。今後も、新興感染症に対する医療の提供体制の確保が必要ですが、有事における病床数の確保や自宅療養者への医療提供など様々な課題がある中で、国が示した目標値には未 だ達していません。現場が満足する診療報酬改定及び人員充等は中々実現せず、理想の制度と現場の乖離は進む一方です。

微力ながら、先生方のお力になれるよう寄り添ってまいりたいと思います。 本記事が先生方、医療関係者等の皆様のお役に立てれば幸いです。

※参考資料 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001224802.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001220531.pdf#page395 https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001209926.pdf

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