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きっと流行るはず。オンライン句会

こんにちは。ガクチョです。3日ぐらい続けてやっているのですが、これがもう、抜群に楽しいんです。オンラインで俳句を詠む会を開催する。ただそれだけの遊びですが。

4月の頭から続けている「オンライン絵本読み聞かせ」の派生企画としてはじまりました。経緯の詳細こちら↓

ルールはシンプル。季語も文字数も気にしない

事前に設定したルールはこちら。

俳句を詠み合います。紙に句を書いてきてください。詠み人の名前も書いてね。原っぱスタイル句会ですから。もちろん何でもありです。字余りとか季語とか気にしないでいいですからね!

字余りも季語も関係ない。

そう、これは原っぱスタイルの句会。

日本の伝統の美しき十七音も気にしません。芭蕉先生もなんのそのです。なんたって、参加する子らが2歳、3歳からですから。あまり小難しいルールを課すとつまらなくなっちゃいますから。

あとはみんなで詠みあう。味わいあう。行間に触れる。情景を思い浮かべる。もうそれだけです。言葉って素晴らしい。

これはね、オンラインの力を存分に生かした遊びです。皆さんもぜひ。

秀逸すぎる作品たちの一部をご紹介します。

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はらっぱで はやくマシュマロ やきたいな あやね

原っぱ大学の山でマシュマロを焼いていた当時の楽しい思い出と、外出自粛で家からなかなか出られない今の自分の姿の対比が浮かぶ世相を反映した秀逸な作品です。

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やりかたを おしえてほしい ちちんぷい ほのか

とってもかわいい句ですね。アニメや絵本の世界ではいとも簡単に使える魔法。「ちちんぷい」。簡単そうなのにいざ、現実の世界でやろうとおもったらなかなかに難しい。ぜひ使いたいしやり方を教えてほしいという女子の心の底からの願いを詠んだ句ですね。

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ガクチョーと おはなしできて よかった みりい

ストレートかつかわいらしい句ですね。あえて最後を「よかったな」とか「よかったよ」といった形で5音に寄せずに4音で潔く終わらせているところが清々して素晴らしいです。安易に誰かのルールにしばられるな、という大人たちへの警句が込められていますね。

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やまのぼり しにきたはずが きのぼりに かずき

子どもの日常あるあるですね。当初の目的を忘れて目の前の楽しさに全力で没頭してしまうさまを端的に表現しています。遊ぶ、っていうのはそういうことだと。当初の目的など殴り捨てて、目の前の喜びの渦に身を任せろと。そんな力強いメッセージが感じ取れますね。

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スパイダーマン たすけてくれて ありがとう たいし

秀逸ですね。スパイダーマンの恰好をして、スパイダーマンへのお礼の句を詠むという。完全に自作自演。あるいはスパイダーマンを愛しすぎて同化してしまった少年の姿、ということでしょうか。文字だけでなく自分の姿も含めて句に思いを込めるという全身全霊の表現に圧倒されます。

身体を張る、という意味ではこんな作品もあります。

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あああつい アイスのうみに はいりたい ゆうと

あえて、紙ではなくほっぺたのうえで詠まれた一句。あつい夏への思いと自由な子ども心をこれまた捨て身で表現している渾身の作品です。詠まれている句とは関係ないのにヒゲが描かれているところもポイントです。

つづけて2作品連続でいきます。

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いちごすき いちごだいすき いちごすき みなと

ばななすき ばななだいすき ばななすき みなと

兄弟の連作ですね。大好きなものへの強い思いをストレートな言葉で表現した句です。好きで好きで仕方ない。その思いをこれでもかというほどストレートに表現しています。いくらでも量産できそうなところがまた最高です。

つづいて才能あふれる詠み人の作品を2つ続けてご紹介。

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ドライヤー ときどきぬける ママのかみ てんきち

ぶよぶよだ 父ちゃんの毛は ぶよぶよだ てんきち

「髪の毛」という一見当たり前で意識が行かない部分に着目してお父さん、お母さんへの深い愛、想いを表現している作品です。心象風景はあえて語らず、写実的にママの抜ける髪の毛と父ちゃんの頭髪のぶよぶよなさまを表現している。その向こうにすけて見える両親への優しい思いが静かな感動を誘います。

ここからはさらに若い、新進気鋭の俳人の作品を紹介していきます。

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はやくさんじになって おやつくいたい ひろと

ストレートな「今」の自分の気持ちをあますところなくストレートに詠んだ句ですね。じつはですね、ちゃんと17文字におさまっているんです。秀逸ですね。

はやくさん じになっておや つくいたい ひろと

ということですね。たぐいまれな才能をかんじます。

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はやくおひるごはん おわって ゆーちゅーぶみたい かえで

前述のひろとさんと同じく、自身のストレートな心象風景を詠んだ句です。もはや文字数とかそういう小さいことにはこだわっていません。この外出自粛の折の子どもたちの素直な心をそのまま詠んでいるんですね。いまだかつて、ここまでストレートで型破りな俳句が存在したでしょうか。新しい時代を感じます。

同じく、才能ほとばしる若手の俳人の作品2つを鑑賞してください。

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はやくはらっぱで びぃだまあそび したい まなか

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きのこきのこ ききききき まなか

なんという自由な、なんという斬新な作風なのでしょう。この2作品にはワタクシは何も批評を加えることができません。俳句とは何なのか、ルールとは何なのか、自由とは何なのか、感じるままに表現するとはどういうことなのか、そんなことを突き付けらている気がします。ああ素晴らしい。

最後に、紹介しないと後で怒られるので原っぱ大学スタッフの泰子さんの一句を紹介して終わりにしようと思います。

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かぐやひめ それってわたしの ことかしら 泰子

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