蛙の子はかえらない。

今日の午前中久しぶりに、長男の習い事の水泳に付き添いました。
忙しさにかまけて、最近は送り迎えしかしてあげていなかったのです。
でも今日は月に1度の進級テストがある日で、本人的には進級できる自信があるらしい。わざわざ数日前から「ママに見に来て欲しい」と言ってくれていました。生意気盛りの小2ですが、この辺は、まだまだ可愛らしい。


私が水泳の見学に行かなくなったのは、忙しさ以外にも理由はあります。次男を連れて行くと彼がじっとしておらず、追いかけ回しているだけであまり長男を見てあげられないこと。そしてかつての長男は、いつ行ってもレッスンにさほど身が入っておらず、見ているこちらがイライラしてしまうんです。

同じ級の子とふざけすぎて、先生の話を聞いていない。
指示を聞き漏らすので、次何をするか理解ができず対応が遅れる。
終わった後私もついつい「もっとこうすればよかったんじゃない?」って言ってしまう。
こんなことがしょっちゅうで、泳ぎもうまくならないので進級がなかなかできない。モチベーションが落ちる。負のスパイラルですね。
だから思い切って、見に行くのをしばらくやめることにしたんです。



今日久しぶりに付き添って、明らかに成長したなぁと思う事がたくさん。

これは水泳関係ないけど、説明がうまくなった!
行きの車の中で、自分がどの辺のレーンで泳いでいるのか、ものすごい的確に私に説明してくれました。
「入り口入って一番手前のレーンで泳ぐよ。スタートも入り口の方向からだよ。だから入り口付近の席で見ていたら、よく見えると思う。」
こんな的確な説明、私自分が小2の時絶対できなかった!
「手前」とか「付近」とか語彙力が増えたことにも地味に驚いた。
ただこれは、日頃から言ってる意味がわからなかったら、私はしつこく聞き返してしまうんです。だからスパルタ教育の賜物?弊害?もあるのかもしれない。


泳ぎも格段に上手くなってる!
気づけば結構級が上がっていて、周りには明らかに大きなお兄ちゃんお姉ちゃんに混ざっていた。先生の指示はきちんと聞いている。なにより泳ぎが上手くなってる。
終始リラックスして泳ぎもスムーズ。
クロールも平泳ぎも、しっかり25M泳げていました。


人のせいにせず冷静!
進級テストの結果は、残念ながら不合格でした。
自信満々だったのに思い通りになかった。彼の性格を考えたら、きっと泣きながら帰ってくるのだろうと思っていたんです。
でも私からすれば、拍子抜けするほど冷静でした。

長男曰く、
「25M泳ぎきるのがまだ安定してない」というのが進級できなかった理由らしい。
「きちんと25M泳げていたのにおかしいよね。ママ納得が行かないよ。」
私の方ががっくりしてしまい、危うくモンペになるところだった。
その辺も彼はクール。
「次の時に、どこがよくなかったのか先生にもう少し詳しく聞いてみるわ。」とか、
「まぁ来月こそは確実やで。いいよ。今日は。見に来てくれてありがとう!」など。
熱くなる私が、逆に小2に諭されました。

1年前だったら、うまくいかないとすぐに拗ねていたんですよ。
進級できなかったら即「もうやめたい」とか。
「僕ががんばったのに、進級できないのはおかしい」とか人のせいにして言い訳ばかりしていた。

そんなところが私にそっくりなもんだから、
「私の子だから、この子もこうなってしまうのだ。」
そう勝手に思い込んでいました。だけど今日の彼は全てが違ってました。私になんて、ちっとも似ていない。



”蛙の子は蛙”
子の性質や能力は親に似るものだというたとえ。 また、凡人の子は凡人にしかならないというたとえでも使われています。
でも蛙にしてしまっているのは、親の決めつけなのかなぁと。

「私の子だから、せいぜいこんなもん。」と、知らず知らずのうちにフィルターをかけて子どもの能力を予測してしまっていた。

別に偉大な人物になれとか、そういう高い理想を押し付ける気は毛頭ありません。だけど今日の彼はすでに親蛙以上です。
嬉しいような、でも大人になっていく感覚がほんのちょっとだけ寂しい感じ。

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浜田 綾(コトバノ):ライター
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