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心地よいくらし。

今朝ゴミを出し終えて、近所のおばさまと井戸端会議しました。
うちの下の子ってnoteでも何度か書いていますが、よく言えばユニークなオレ流。悪く言えば環境の変化に慣れるのが遅く臆病で頑固。普段は裸足で家の外を走り回っているので割と近所でも有名なんです。
私もそういう彼のことをよくわかってきたので、今はあまり気にしすぎず身構えているつもりですが、まぁ心配と言えば心配です。



「最近下の僕ちゃんはどう?幼稚園の帽子ちゃんと被ってえらいじゃない。」

と声をかけてくださったので、そこから次男の話。
帽子は少し前まで麦わら帽子だったから、彼はそれが気に入っていたんです。でも衣替えで少し前から冬帽子になったのが嫌だったらしく、数日間はずーっと抵抗していました。

冬帽子をかぶるようになったきっかけは、ささいなこと。
雨が振っていた日。次男は帽子は被りたくないから、片手に帽子を、雨の日なのでもう片方の手で傘をさしながら、朝私と一緒にバス停まで向かっていました。制服は嫌だけど幼稚園は好きなんです。だけどバス停へ向かうまでの道のりは緊張しているんでしょうかね。絶対に私と手を繋ぎたがる。

その時の次男は、帽子と傘を両手に持っているから私とは手を繋げない。傘をたたむと濡れてしまう・・・。
たぶん彼の中で「いーーー」って、葛藤したのでしょう。でも考えた結果、帽子は妥協というか納得して自分で被りました。そして空いた手で私の手をつなぎにきた。

そんなことがあったんです。
彼なりに考えて納得して何かを乗り越えたっていう、小さな小さなエピソードです。そういう他愛のない小話をうんうん、と頷きながら聞いてくださり、「まぁ子供のペースはみんなバラバラだから、大丈夫よ。」と声をかけていただき、ほっとする。

そのあとは彼女の3人の子供さんの話を聞きました。
末っ子(といってももう50歳くらい?)の男の子は、引っ込み思案で臆病だった。中学生になってもおねしょしていて随分気を揉んだけど、しかってはいけないと思ってじっと見守っていた。いじめられている時もあったから心配した、学校の先生にも理解してもらってなんとか乗り越えた。高校生になって部活に入って自分の世界をもったら途端に強くなった。
そんな話をたくさん聞きました。

「3番目の子に関しては大変だったって思った方が多かったけど、その分心に残っていることが多い。何より一番自分を育ててくれた気がする。子育てって自分が育つことよ。長い目で物事を見れるようになるから。」と一言。

そうなのかもしれない。
私は常々「子育て」というワードがあまり好きではないんです。もちろん便宜上使いますがね。だって圧倒的に私が育てられるというか、教えてもらうことが多いから。一緒に成長している気分なんです。

その方から最後に「まぁたくさん苦労するけど、後になってみれば楽しいからがんばって。」と言われました。
こうしてたくさんの人に見守られながら、子供を育てられる環境ってありがたいことですよね。



私が以前住んでいた場所は、知り合いが少なかったので長男が低月齢の頃は、ほんまに追い詰められていたんです。前noteにも書きました。

それが楽になったのは、その地域でもママ友がたくさんできたから。そうやって相談できたり声を掛け合える存在って、思っている以上に大きいんですよ。本当に。

よく虐待のニュースを見て思うのは、絶対によくないことだし行ったことについては許すことができない。
だけどそこまで追い詰められる心境は、わからなくもないんですよ。本当に一人でどうしようもない時って、私もほんの少しだけどあったもの。みんな多かれ少なかれあるんじゃないかなぁ。
そんな時、私は誰かがいたから踏みとどまった。

だからこうして気にかけてくれる人がたくさんいる暮らしって、私は心地がいいです。相変わらず核家族化は進んでいるし、近所づきあいが面倒だという人も多いんでしょうが、私はなんだかんだ言ってもいろんな人に囲まれている今のくらいが心地よい。そんな風に感じています。

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浜田 綾(コトバノ):ライター
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