CDにあってダウンロード版の音楽にないもの。

ライターなので堂々と言うのも気が引けますが、私あまり読書家ではないんですよ。さすがに今は、たくさん本を読むようになりましたけどね。
音楽の方がずーっと好きだったで、これまでの人生本を読むよりも音楽を聞いていた時間の方が長いと思います。


さて私の子供の頃といえばCD全盛期でした。
幼稚園の頃流行った光GENJIの歌の音源は我が家の場合カセットテープでした。少し時が流れて小学校3年生くらいのとき「やまだかつてないテレビ」というテレビ番組があって、その企画のCDを買ってもらったのが最初だったと思います。そこからは、もらったお小遣いの大半をCDに費やしてきました。だから本棚は必要なかった私ですが、CDの棚は常に必要だった。増えてゆくCDを整理するのが課題でもあり楽しみでした。


ただ大人になって少し熱が冷めたのもあって、持っていたCDの大半は処分してしまいました。場所が・・・と言う問題もあるし、音飛びがひどかったものもあるので。またそもそも今は音楽を聞く場合パソコンやスマホでも聞けますよね。スピーカーと連動すれば音質だって申し分ない。もうわざわざ専用プレイヤーで音楽を聞く理由がなくなったから、CDがいらなくなってしまったというのも処分の理由です。

今は何か聞きたいなーって思ったら、itunesでダウンロードすることの方が圧倒的に多くなってきてしまった。時代の流れとはいえ、CD世代としてはちょっとせつないですね。

ダウンロードして音楽を買う場合、CDのように音は飛ばないし、わざわざ外出しなくても欲しい時に欲しい場所で手に入る。本当に便利ですよね。
でもやっぱりCDもよかった。CDにしかない良さも今ならわかります。


ジャケットが良い。

何がよかったと言えばまずはジャケットですよね。
「ジャケ買い」って言葉もあったくらい、CDのビジュアルを楽しむって大事。ダウンロードした場合も、もちろんジャケットがスマホなどの端末に表示されます。だけどCDのように手にとって眺めるのとは全然味わいが違うんです。

ちなみに私が初めてジャケ買いしたのはヴァネッサパラディのアルバムでした。田舎の中学生だったので、ジャケットのなんとも言えぬオシャレオーラにノックアウトされたのだと思われます。


ライナーノーツが良い。

ジャケット写真の後ろについているもので、ライナーノーツってありません?音楽ライターや評論家が、この作品が生まれた背景やレコーディングの秘話のようなものを書いた文章。今思えば私あれを読むのが結構好きだったんですよ。買ったCDを普通に聞くのもいいんだけど、ライナーノーツを読みこんでもう一度聞くとさらに味わいが違って聞こえると言うか。作品の背景にあるストーリーですよね。これを知るのが大好きだったんです。
もちろんアーティストたちも作品を売らないといけないから、雑誌のインタビューでも同様の受け答えはするのですが、CDのライナーノーツがやっぱり一番面白かった気がします。


訳が良い。

これ洋楽限定の話になりますが。
人にもよりますが、邦楽でも洋楽でも私は絶対に歌詞がきになるので、歌詞カードは舐めるように見るタイプでした。洋楽の場合これに加えて訳を見るのも好きでした。やっぱり英語だけじゃわかりませんからね。ちなみにこういうことを好き好んでやっていたので、学生時代英語は割と得意でした。あ、でも全然しゃべれないので、あくまで受験英語レベルですがね。

今はネットで和訳に挑戦されている方がいらしたりしますが、やっぱりプロのがよいですね。(あ、でもネットでプロの方が訳をしているサイトもありますね。そういうのはもちろん良いですし、素晴らしいものを公開してくださって感謝しかありません。)
ネットで見かける和訳って「この単語にこの言葉を使うかー。うーん。」って感じることが多い気がします。

例えばだけど、ビヨンセの「Halo」という曲があります。
これ「Halo」という単語自体は”後光、光輪”そういう意味があるようです。

”I can see your halo”

という歌詞、私なら、
”私にはあなたの光が見えるの ”
こういう訳がしっくりきます。

だけどそのままの解釈で、
”私はあなたの後光が見ることができる”
とか訳す人もおられるんですよね。

あってるんだけど、それ普段言う?まぁ「光が見えるの!」とも言わないけど。その辺は宗教的な文化が違うから仕方がないし、そこを差っ引いても「後光が見えるわ!」って好きな人に言わないでしょ。だからなんか変。

そういう翻訳アプリ使ったような訳が多い気がするんですよ。その点当たり前ですがプロの方の訳って、文化的背景の違いをわかりつつ、日本語に直した時の印象などすべて踏まえた上での言葉選びをされますよね。そういうのが読みたいんですよ。私は。


とはいえ、ダウンロードで音楽を買うことがこれだけ便利で普及しているので、今更流れは変わらないと思うんです。CDってもはやそのアーティストの熱心なファンしか買わないアイテムだと思う。某アイドルみたいにね。

だけど、個人的には今でも
美しいジャケット写真はもっとじっくり眺めていたいし、
ライナーノーツも読みたいし、
洋楽なら素晴らしい訳も読みたい。
多少値段が上がっても。

だからダウンロード版の音源に加えて、ちょっと上乗せした金額を払ったらジャケ写、ライナーノーツ、訳のファイルをダウンロードできるとかそういう制度できたらいいなって切実に思います。
こういう特典あった多少値段が上乗せされていても、私なら買うけどなー。

CDとダウンロード版のよさを合わせた販売方法。
密かに誰かが実現してくれるといいなって思ってます。

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浜田 綾(コトバノ):ライター
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