全ては、デカすぎる卓球台から始まった。
この机?卓球台?デカすぎる……。
2018年10月、NASUのオフィスデザイン物語のはじまり。
私は新大阪のマンションの1室、株式会社NASUのオフィスにいました。
2022年の今現在の目線で言えば、私もNASUの社員なので自社オフィスに当たるのですが、当時のは、私はフリーランスのライター。そして、NASU代表の前田さんが主宰するコミュニティ「前田デザイン室」の運営チームリーダーであり、メンバーみんなで作った雑誌『マエボン』の編集長として、この事務所にやってきました。
目的は、クラウドファンディングで『マエボン』を購入いただいたみなさまに発送するため。前田さんがオフィスを借りてすぐの頃だったので、配送する場所があって助かるわ〜。と思い、オフィスにお邪魔したところ……。
机代わりの大きな卓球台が、届き立てホヤホヤでした。
『マエボン』の配送をしにきたつもりだったのですが、まずは机兼卓球台を組み立てるところから始まりました。
組み立てたはいいのだけどさ。
どう考えても、部屋に対して、デカすぎますね。
浜田:「どう考えても卓球台が大きすぎますよ。どうするんですか〜。もうこれ以上なにも置けないじゃないですか!」
前田:「これがネタになるように、数年後には、もっと大きなオフィスに引っ越す」
たった4年前のことなのに、こんなやりとりも、今となっては語りぐさです。前田さんの実力と勢いは、4年前でもわかっていたので、いつかNASUは本当に移転するのだろうな。そこまでは、私も予想できました。
だけどその時は、思っていたより、うーんと早く訪れました。
2019年7月、転機が訪れる。
コルクインディーズ(現在のコルクスタジオ)の決起会イベントが、ピースオブケイク社(現在のnote社)にて開催されました。前田さんは、コルクインディーズのロゴをデザインしたデザイナーとして、また、当時は漫画家転向宣言をしていたので、漫画家としてもイベントに参加していました。私も、NASUのお仕事として、レポートを書くためにこのイベントに参加しました。
このイベント自体がとてもよかったのですが、もう一つ、大きな刺激を受けたのはオフィスです。ピースオブケイク社の新しいオフィスは、イベントスペースが併設されていて、すんばらしく素敵だったのです。
それで言えば、前田デザイン室でいつもお世話になっている、CAMPFIREさんのオフィスも素敵で、大きなイベントスペースがあります。前田デザイン室の東京での定例会は、いつもここをお借りしております。
オフィスと言えば、TOMORROWGATEさんのオフィスもかっこいいですよね。ここもイベントスペースがあります。
「イベントスペース付きのオフィスが欲しい」
卓球台をおいても狭くないことに加えて、イベントスペースがあるオフィスという前田さんの目標が定まりました。
あったらいいけどねぇ、そう簡単には難しいですよね……。と思っていたら2ヶ月後には、オフィス移転の話が浮上します。
なんなんだ、このタイムリーすぎるタイミング。
説明しよう。これは、たくさんの縁が数珠のように繋がった結果です。
なんなんだ、この脅威の伏線回収力。縁をつなぐ男。前田高志。
そんなこんなで、ビル共用ではありますが、イベントスペースつきのオフィスに移転が叶いました。イベントスペース付きのオフィスに移転したいと呟いてから、2ヶ月後には実現してしまう、ウルトラCが目の前で起きました。なんだかすごいことになってきた。
2019年11月、なんばのT4ビルに移転。
ちょうどこの頃、私も翌年の春からNASUに入社することが決まったので、業務委託として移転したてのT4にあるNASUオフィスにもちょくちょくお邪魔していました。
T4のオフィスはとても快適でした。まず、ビル自体がおしゃれですよね。
私たちが入居していた601号室には、広いバルコニーがありました。
コロナ禍に入る前は、イベントスペースをお借りしてのデザインイベントもさせてもらいました。社内ではオフィスをおしゃれにしたいプロジェクトが動き始めて、どんどん快適になりました。もう卓球台がパンパンじゃない!!(←これ大事)
途中から、隣の602号室を借りて、ギャラリーやイベントも開催しました。
そう、T4ビルのオフィスには、何も不満はありませんでした。でも現状に満足せずに、もっとより大きな願いを持ち続け叶えようとするのが前田さん。
まぁ、でも流石にそんな簡単には移転しないだろう。なぜかそう思っていました。
だって、最初のオフィスから移転したころとは、NASU自体が大きく変化しています。T4に移転した時は、3名の会社でしたが、今は6名。人数は倍になりましたし、このオフィスに合わせてオーダー家具も買いましたから。そんなフットワーク軽くは動けないだろうと。
けれども、この見積もりも甘く、いい意味で予想を裏切られました。移転に向けて動き始めた数ヶ月後…、移転が決まります。
今回は、契約したら即お引越しではなく、フルリノベーションしたので、工事が終わってからの入居となりました。T4に移転して2年経たずしてのお引っ越しです。
2022年8月末、大阪天満橋のフルリノベーションしたオフィスへ移転。
新オフィスは、手前味噌ですが、おしゃれです。
卓球台が、何個入るんだろう? 最初のオフィスから考えたら、うーんと広くなりました。
でも、ただただおしゃれなのではありません。ここは、良いデザインを生むために作られたオフィスです。
念願のイベントスペースもあります。3年越しで伏線回収です。
移転したてほやほやなのに、前田さんは最近「オフィスの近くにある、あのビルいいなぁ」なんて会話をちらほらしております。次はビル一棟借りか買っちゃう!? 本当にやるかどうかはわからないけど、私はこれも叶う気がしています。だって私は、これまで前田さんの叶え力を何度も間近で見てきた一番の生き証人ですから。
日本のお茶の間に、デザインの力を届ける。
そうそう。このビルへのオフィス移転の話が出した頃と並行して、前田さんから「日本にデザインの力を」の言葉が多く出るようになりました。
最初は「日本て…、ずいぶん大きく出たな」と心ひそかに思っていたことをここに告白します。でも今は、これも叶う、とういうか叶えられる気がしています。
社長や部長、私は役職や立場という器が人を成長すると常々感じています。
オフィスも同じです。良いオフィスを構えると、それに見あった姿勢、仕事をできるようになる。
だからこそ、オフィスは大事なんです。このオフィスは、おしゃれで良いオフィスです。でももっと良くなる。オフィスを進化させることで、きっと私たちの仕事も進化する。それに見合うような器になる。それを繰り返していけば、日本のお茶の間にデザインの力を届けられると確信しています。
NASUは、日本一のデザイン会社になります。
日本にデザインの力をお茶の間に届ける役割になります。
そしたら、デザインの力を扱えて幸せになる人が増えます。
お茶の間にデザインの力が届くとは、みんながデザインのことを知ってる状態にすることです。例えば、義務教育の科目にデザインがあったり、小学生のなりたい職業ランキングにデザイナーが入ったり、野球と言えばイチローみたいな、デザイナーといえば〇〇を誰もが答えられるようになる。そうしたらデザイナーの地位も向上するし、デザインの力を使える人が増えるから幸せになると思うんです。
私は、34歳くらいまで、グラフィックデザイナーという職業を知りませんでした。でも私のような人の方が日本においては大多数だと思います。だからこそ、デザインの可能性と素晴らしさを多くの人に伝えたい。
デザインとは、ただかっこいいとかおしゃれなのではなく、目的にそって情報を伝えるビジュアルコミュニケーションです。コミュニケーションって生きている以上だれにでも必要なことですよね。それなのに、デザインを意識してない人があまりにも多いので、これははっきり言ってデザイン、というか見た目で損していると言えます。
デザインをするのは、デザイナーですが、デザインの力は、意識さえすれば誰でもできます。言いたいことが伝わる。見た目で損をしない。デザインを使えると幸せになれます。
デザインは楽しい、すごい、誰でも。
広がれ、デザイン!
このスローガンを良いデザインが生まれるデザインのパワースポットである、このオフィスから届けていきます。
私たちは、このNASUオフィス(いや、パークと呼ぶらしい)から日本一のデザイン会社を目指します。今後ともNASUをよろしくお願いします。
良いデザインを生むためのオフィスから生まれたデザインや、このオフィスを感じられるお返しを多数ご用意しています。応援・支援していただけると嬉しいです!
写真:増田 好郎、前田高志、ただのちひろ
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