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産後の身体を立て直す【薬膳】の力〜産後ヘルパーの立場から

訪問ヘルパーの仕事を始めて11年になります。NPO法人に所属しており、行政からの委託事業のひとつ、産前産後のママの支援をしております。

産前産後のママのお宅に訪問して、食事作りや買い物、お掃除などの家事代行が主なお仕事です。

その現場で感じていること。産後のママの食事についての情報が少ない、ママたちに響いていないという感覚です。

私が初めて出産した20年ほど前も同じような状況でした。妊娠中の食事については雑誌からの情報もたくさんあり、産院や保健所からのアドバイスもあったおかげで、あまり不安になることなく過ごせました。

出産した後は、母乳によいとされる食事や産後の回復によいとされるが推奨されます。リーフレットや雑誌に情報が掲載されていたのかもしれませんが、

日々の赤ちゃんのお世話に追われていたため、読む暇もなく、手っ取り早く食べられる物を食べる日が続きました。

里帰り出産やご家族などのお手伝いがある人が羨ましかったですね。

産後のママを訪ねて思うのは、「ママのカラダの回復のため」に、必要な物を摂れていないということです。

献立は基本的にママがたてるのですが、(行政の委託事業のため、ヘルパーができることには制約があります。)

「カラダの回復のため」というより、ご主人が好きなメニューだから、上のお子さんが食べたい物だからという場合も多々あります。

余裕がなくて献立を立てられない場合は、ヘルパーに任されます。そのような時は、温かくて、柔らかくて、滋養のあるものを心がけております。

また、出産は腎(五臓のひとつで腎臓、膀胱、生殖器を含みます)を消耗する営みですので、腎の回復によい黒い食材を使ったおかずも意識して作ります。(ひじきの煮物は定番です)

ご飯と味噌汁をベースとした和食。和食は、消化に負担がかからないので、産後のカラダにも優しい食事です。

ご飯と味噌汁というベースがあるので、主菜のお肉やお魚、副菜のおひたしや酢の物、発酵食品のお漬物、作り置きできる常備菜を組み合わせて、献立をアレンジしやすいのも特徴です。

私も産後の食生活においてもその後も、自分のカラダの回復を後回しにした為に、長い間、元気の出ないカラダだった経験があります。

カラダを立て直せるきっかけとなったのは、日々のの食事に「薬膳」という考え方を取り入れたことでした。

中国には「薬食同源」といって、薬と食べ物は本来同じものであるという考え方があります。薬膳の元となる考え方です。

食材には、食べた時にカラダに及ぼす作用があります。カラダを冷ます食材もあれば温めてくれる食材もあります。潤いをもたらすものもあれば、乾かす性質の食材もあるのです。

食材の各々の働きを知り、体質や季節の変化、住んでいる土地の風土に合わせて、いちばん適した食べ方ができれば、カラダもバランスを保ちやすくなりますね。

日々の気取らない食事に薬膳という考え方をプラスして、女性のカラダの回復と元気に繋がることを願っております。

◆Instagramでは、毎日のおうちごはんを応援するお料理を紹介しております。

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