ジェネリックサンタさん

昨日、息子の通う保育園にサンタさんがやってきた
正体は地域の敬老会のボランティアさんだ。
年嵩がいっているので本物に近いサンタに見えた。
髭ももしかしたらこの日の為に地毛を伸ばしブリーチしたのかもしれない。
そんなわけない。

だが、息子をはじめ園児たちは大興奮のお祭り騒ぎ。
盆と正月ならぬ、サンタとお菓子状態。
給食も特別メニューで一日楽しく過ごしてきたようだった。

*

しかし、お迎えの時にプチ揉め。
たまたま同じ時間にお迎えになったお友達のYくん。
いつも仲良しで同じ遊びをする。
昨日も同じ色の紙ヒコーキを折って遊んだらしい。

下駄箱で靴を履いている時に、Yくんの手提げに２機の紙ヒコーキが入っていた。息子はそれを見て「返してよ！！僕の！！」と訴えた。私は制止した。待て待て。
Yくんの言い分も聞こうじゃないか「違うよ。これは僕が２つ折ったよ」なるほど。そうだよね。

息子に「鞄の中、確認してごらん。いきなり、友達のことを疑うのはよくないよね。」を話す。案の定、同じ色の紙ヒコーキを発掘。
私の目線で次の行動を予測した息子が
Yくんに「ごめぇん～」と軽めの謝罪をする。
もっと深々謝って欲しいところだ。
でもYくんも「も～、ええよ～」と懐が深い。

私はこの日、息子が同級生と揉めている現場を初めて目撃した。
正直あんなにヤイヤイ主張するとは思わなかった。
オモチャはいつも取られてばっかりだった息子。
言葉の成長が遅いため今でも少し口喧嘩では不利。
本質的に大人しいのか暴力もない。叩かれてもやり返さない。

*
この息子と友達のやり取りを見ていて
なんとなくこんなことを思いだしていた。
小学校6年生の頃だ。

香り付きのペンが異常なほど流行った。
いちごにバニラ、メロンにブルーベリー。
もう混ざって訳の分からん匂いになっていた。

我が家ではそんな娯楽めいたものは与えられなかった。
そんな時に席が近いKちゃんのバニラのペンが一本無くなった。
Kちゃんは私に近づいてきて「ねぇバニラのペン知らない？正直に言って」と疑ってきた。
「知らない。なんなら筆箱とか鞄見てもらってもいいよ。服のポケットとかもどうぞ」と言い返した。
Kちゃんは「私だって疑いたくないよ。だけど持ってないのあなただけだから！羨ましいんでしょ！！」その言葉に私がキレた。

「知らないって言ってるやろが！自分の荷物から探せボケナス！」
そう言ってKちゃんのランドセルや副鞄をひっくり返してやった。
床にバサバサと落とした教科書の間に挟まっていたペンがコツンと
音を立てて転がった。ちゃんと見つかった。

「ほら見ろ。あるやんけ。お前、実質疑っといて言うことはないんか？」
Kちゃんは無言だったので私は教室の窓から全部Kちゃんのランドセルを捨てた。４階だった。遠くの方でバスン…！！という落下音が小さく聞こえた。
kちゃんとその取り巻きは泣いた。

ライフのみどり姉さんよりも先に私は同級生の私物を窓から捨てる行為をしていた。

そして親が呼び出された。母は「どっちが悪いんでしょうね」と先生に逆に聞き返していた。

そんな狂暴な小学生だった。
息子にはそんな風になって欲しくないし穏やかな学校生活を送ってもらいたい。

*
そして昨日に戻る。
帰宅後、ご飯を食べていて好物のから揚げだけ食べてすぐに「もういらん。プリン食べたい」と駄々をこねだした。
「ご飯食べへん子にはデザートはないで」
そして息子は渋々ニンジンを食べていた。
ちなみにメニューは鶏じゃが。

そしてまた事件が起きた。
息子が手に持ったジャガイモをわざと床に投げ捨てた。
その行為に私が大激怒。

「なにしとんねん。もう食べんでいい。」と皿を取り上げる。
「プリンもない。もう知らん」

息子がまた「ごめぇん」と軽く謝る。
「ちゃんと謝り。そんな軽い謝罪受け入れられへんわ」と言っても
分からないので、もうすなよ（するなよ）といってとりあえず皿を戻した。
また食べ始めしばらくして今度はニンジンを捨てた。

「あんたなぁ。いい加減にしぃ。食べ物粗末にする子にはサンタさん来けぇへんぞ。ＬＩＮＥで連絡しとくぞ」先祖代々、親だけがなぜかサンタとの連絡手段を持っている不思議システム。

息子「なんで…？今日、来たよ」

そうだった。今日保育園に来た。写真もばっちり残っている。

お母さんとして嘘はつきたくない。だが言わなければいけない時もある。

「息子、今日来たサンタも本物のサンタ。でも12/24のクリスマスイブと12/25のクリスマスの寝てる時にもサンタはプレゼント持って来てくれる予定やってん。だけどそんな食べ物ほる子には合わせられへんわ。」

12/24にはラジコン。（両親サンタ）
12/25にはＬaQのおっきいセット（母方祖父母サンタ）
特に祖父母サンタは気合が入っている。
つい数日前にヨドバシカメラで購入したらしく
「クリスマスまで隠しておいてね！」と連絡が来た
だが宅配便は16時以降指定になっていた。その時間帯は息子は大体在宅だ。
詰めの甘い祖父母サンタ。ヨドバシカメラのダンボールはラッピングがしてあり「HO～HO～♪merry～CHRISTMAS」的なことが書いてある。

そんなこんなで慌てる息子。
皿に残っているおかずは残さず食べた。
もちろんプリンも食べてその後に魚肉ソーセージも食べた。
おかず・デザート・おかずの謎の順番。

*
そして夫が帰宅した
息子「また帰ってきたぁ～」
夫は決していじめられてるわけじゃない。
何かの言葉と勘違いをしている。

そしてサンタの件を話していた。
「今日も来たけどまたくるらしい」そんな内容を夫に力説していた。
面白かった。

夫は「サンタさんはなぁ、いっぱいおんねん。」
「でも本物は姿を見せへん。目に見えるところに出てくるサンタはジェネリックサンタや」
そう言って風呂に入って行った。

ジェネリック…。
息子はそう繰り返し呟いていた。
保育園で変なこと言わんといて欲しい。
心配である。

結論：サンタは何人もいる。

*

そしてクリスマスケーキは予約していない。
すまん。ホットケーキで我慢してください。
ホイップだけは絞れるようにするから。

年越しも蕎麦ではなく食べなれているうどん。
私はコンニャク麵。
毎年のことだが、お節料理は無い。
実家にいる時や新婚当初は作っていた。

今では元旦からパスタとか食べたりしている。
多分、夫は大晦日も元旦も三が日も仕事なので
ハッピーセットでも買いに行こうと何となく思っている。

#年末の過ごし方