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大手Vtuberから学ぶ【新人Vtuber】や【新人ストリーマー】の戦略と思考②

前回の①は主に「ロールプレイ」について深堀ってみましたが、今回はそこから繋がる「コミュニティ」の話をしていこうと思います。

実はこれ、ロールプレイもそうなのですがコミュニティはそれぞれのスキルとして見るよりも、両方ありきで考えたほうがいいかもしれません。

なぜなら、このロールプレイとコミュニティは密接につながっているように思えるからです。

- 大手の箱内でのコラボ -

まずはこれが一番大きいように思いますが、ロールプレイもさることながら、そもそもの箱が大きく、同じメンバー同士でコラボレーション企画が非常に成立しやすい事が挙げられます。

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いわゆるデビュー同期だったり、2~3人で一緒に絡んで雑談したり遊んだりしたり…と、加入時期や個別企画でもVtuber同士が絡む事が多いです。

「にじさんじ」だったり「ホロライブ」だったりと、そもそもの大きなVtuber同士の箱のコミュニティとして機能しており、さらにそこから仲のいい人だったり企画単位での絡み…小規模コミュニティを形成しています。

こういったコミュニティはどういう役割を果たしているのか?というと、それぞれのキャラクターを補正したり強化したり、はたまた新しい側面を見出させたりするんです。

これは別にVtuberに限ったことではないのですが、人がある集団に属する時にその集団の内容によっては色んなキャラクターを演じることになります。それはその集団がもつ属性で様変わりし、そしてそれに応じたポジションを取る…ということです。

そしてVtuberでも同じように、その人の基本的なスタンスは大きく変わらないにしても、やはりある程度組む人でロールプレイが微妙に変わってきており、その時にVtuber達は様々な表情を見せることがあります。

最初はとても初々しさを感じていたが、ある程度時期を経ると「あの初々しさはどこへやら…」という感想を抱く事もよくあると思います。そして多くの人は「初々しさは無くなったけど、今のほうが生き生きとしてて好きだ!」と評してる事も多いでしょう。

これはつまり、リスナーをも含めたVtuberというコミュニティで多くの人との付き合いにより、ロールプレイでのキャラクターの原石が少しずつ磨かれていき、だんだん宝石のように光りだすのだと思います。そうして磨かれていくさなか、ちょっとずつ「中の人」の個性が漏れ出してくる…というような感覚に近いかと思います。

- コミュニティで変化する個性 -

我々人間は、他人との比較でしか性格や能力を判断できません。逆に言うと自分の性格や能力は他人からしか見出されないとも言えます。

新人Vtuberに必要なのはソロでやっていくためのアイドル性などではなくて、いかに他の人々に見出されるのか?という事で、そのためには色んなコミュニティに属する必要があります。

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さらに言うならばアイドル性といったものは最初から持ち合わせていなくとも、他人と関わったりコラボしていくさなかに、誰かが勝手に見出してくれるものだと思っています。

こういうエンタメにおける一番の難敵は「飽き」であり、特定の個人Vtuberだけを追っかけていると、大手であろうがなかろうが飽きる事も多いんですが、コミュニティに属するとこういった飽きに「待った」をかける事も可能なのです。

新しい人と出会い繋がる事によって、新しい側面や新しい展開になったりしてチャレンジにもなります。そのチャレンジから新しい属性を見出されたり、応援されるといったきっかけ作りの一つになります。

つまり絶えず変化するための材料こそがコミュニティです。

普通はこういったコミュニティは誰しも億劫に感じると思います。ところが前回の①で説明したように、そもそも大手Vtuber達にはロールプレイするという前提が揃っているので、コミュニティにおける立ち位置を遂行しやすい環境にあるという事です。

最初は上手くいってないように見えていても、ある段階から熟成が進んでいき、結果的に仲良くやっていたり上手くいってたりする場面も多いという事なのです。それもこれも前提でのロールプレイが為せる技でしょう。

そうしてコミュニティがコミュニティを呼び、さらにそのキャラクターの人気を加速させ、かつ新鮮さも保てているという正のスパイラル構造を作っています。おそらく運営側もこのへんをしっかりとVtuberの中の人に説明しており、更に定期的に運営側がコラボを組んでいるようにも思います。

なのでロールプレイとコミュニティという2つの強みを融合させて、圧倒的な人気やコンテンツを生み出しまくる地盤が整っていると感じます。

- 新人Vtuberは戦略を立てれるのか? -

これらのリソースから見て、新人Vtuberには勝てる要素があるのか?もしくは戦略を立てれるのか?という結論になると考えています。

残念ながら、真逆のを行く新人Vtuberが多いと思います。

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上記のSKB部というのはある意味象徴的かもしれません。にじさんじ女性Vtuber4人組による、かなりセンシティブなチームです。なんと男も引いちゃうくらいの下ネタを連発する企画チームなのです。

これは自分が男性だから…という視点ではなく、そもそも女性Vtuberや配信してる人々の多くは「下ネタ禁止」としてるところは多いです。

もちろん、その配信主のやり方が尊重されるべきであり下ネタ禁止間違っているなどとは思いません。

しかし頭に入れておいたほうが良いのは、大手Vtuberですらチームで女性なのに下ネタをバンバン使い、過激で面白くしてくるぐらいにはコンテンツが濃厚だという事です。(SKB部までいくとちょっと濃すぎる気もしますが…)

ということは、新人Vtuberで下ネタ禁止!みたいなスタンスだと前提の時点で大きく敗北しているという事実は認識しておくべきだということです。

大手ですらこのくらいなりふり構わないような狂気のコンテンツをぶち込んでくるのに、新人Vtuberの多くはなりふり構ってる人ばかりだというのが現実だと思っています。

そして幸か不幸か、この天と地の差ほどあるものが同じように無料で並べられて見られてしまうのが現在のVtuber界隈だと言えます。

表面情報だけを必死に拾い上げその裏側にある重要な要素を全く見れてない人たちが、同じようなVtuberというガワとゲーム画面という2つの構図だけを用意し「自分もイケる!」と何にも考えずにスタートしてしまうのが恐ろしい現状でもあると思います。

あとは宝くじかの如く、誰かに発掘されるのを待っているという地獄絵図が広がっているのではないでしょうか?

かなりきつい言い方になったかもしれません。が、自分は決して新人Vtuberをバカにしているわけではありません。

ですが安易な気持ちで入って来て…来るまではいいのですが、何か宝くじのような夢を見ていると、辛い現実を見ることになるかもしれません。

特にVtuberなどはアバターを用意するのに、かなりのお金と時間を費やすことになりますし、それだけで何とかなる世界では無いという事を改めて認識してほしいという次第です。

そして長々と説明した重要な要素であるロールプレイとコミュニティという2つの武器を確保できない場合は、正直に言ってしまうとVtuberとして何かを期待するのは諦めたほうが良いかもしれません。

大手Vtuberですらこれくらいロールプレイ武装して、コミュニティによる集団戦で挑んでいるのが現実だと思います。新人Vtuberが何の武器もなしに個人で戦うなど無謀すぎると感じています。

それでもチャレンジしたいというのであれば、少なくともこの2つの要素は押さえて戦略的にやるべきだと思います。

発掘されないとダメなVtuberが人気になれるとは思えません。

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