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ストグラで見る適者生存

最近かなり人気を集めストリーマーやその視聴者を虜にしているストグラ…かくいう筆者もストグラを見るのが日課になっています(楽しい!運営様と参加者の皆様本当にありがとうございます!

どんどん有名な方の参加や、それにともない新たに有名になっていくキャラクターの巣窟ともいえるストグラ…そこにはどんなドラマが生まれ、どんなストーリーを紡いでいくのか?笑いあり涙ありのストリーマー達の動向に目が離せません。

そんな中でこの世界をご覧になられている人の中には、〇〇ファンや推しをお持ちの方も多いでしょう。そしてその推しにはこの世界のTOPになって欲しいと願う人も多いことかと思います。

がしかし、ストグラも現実世界も自然界も、例に漏れず適者生存がしっかり働いてるように感じます。ここらへんを解説したいなぁと思いますので、ストグラが自分の思うようにいかないと憤りのファンという名のアンチコアファンの方には是非見ていただけたらなと思います(そうじゃない多くの方も是非楽しんでいただけたらと思います。)


半グレとギャング

ストグラの世界には半グレとギャングという枠組みがあります(半グレは通称ですが…)そして半グレの人はギャングからかなり煙たがられています。例えばお薬のお話しについてはコチラの動画で語られていますが…

※以下キャラクター名は敬称略
新規発足したシャンクズ率いるNO LIMITのメンバーが、古参である大手ギャングのボス、ヴァンダーマーに詰め寄られた事があるというお話やら、ギャングだけがお薬関連で収益を得れるという裏社会のルールみたいなものの価値観についてトークしています。

ここでAPは恐らく疑問になっていた部分があったはずで「なんでギャングだけがそんな権利を有しているのだろう?半グレだろうが一般市民だろうがお薬は作って売っていいはずなのでは?この街は自由に生きていいはずなのに?」と。この辺の感覚はAPの発言からも読み取れます。

じゃあなんの権利を持ってヴァンダーマー、およびその他のギャングはお薬を売ってるんだ?そもそもなぜギャング以外に手をつけさせようとしないのか?というお話になりますが、これはある種の棲み分けではないかと思います。

そもそもGTA含めストグラの世界は犯罪中心の世界であり、犯罪で得られる利益はかなり大きめです。お薬も例に漏れず、他に大型ミッションと呼ばれる犯罪ミッションもかなり金額が大きいです。

そして利益の大きいものには奪い合いが発生します。この奪い合いは結果として全体への分配へと働き、最終的に誰かだけが得をするという状況から、均等に行き渡るようになるわけです。

ようは「お前だけの利益独占は許さん!俺にもよこせ!」が発生して、それらが集まった結果、毎回奪った奪われたするよりも権利を持つもの同士で均等分配するのが良いという方へと進むわけですね。

そのうえでギャングという力を持つものだけがこの権利を有するようになっていき、ギャングという門をくぐったもののみが得られるようにすることで、無用な争いは避けるという方向で進めていったのでしょう。

恐らくお薬関連もこの流れで、ひとまずギャングたちが独占する事でギャング全体での公平分配の権利を守り、この裏社会ルールを守らないモノは徹底的に潰すというやり方をとっており、ある種当然とも言えます(ギャングの社会から見れば、半グレは略奪者そのものであるがゆえ)

なので、この世界において実は暴利を得ようとしているのはギャング側ではなくて、ギャングに属することなく自由の名のもとにの利益を独り占めしようとしているのは半グレ側である…といえるのではないでしょうか?(これは半グレが良い悪いの話ではないです。半グレもロールプレイの一環ですので。)

となるとここでの適者というのはギャング側です。半グレチームがすぐ解体する理由や半グレの人がギャングになりたがるのは、そもそも風当りが強く生存に向かない=短命であるからと考えられます。

もちろん半グレでずっとやっていける人もいますが、半グレという自由気ままを許せるようなキャパは世界全体でも少ないのではないかと考えています。そして少ないからこそ半グレ同士でも淘汰が起こっているように感じています。


強さ≠利益

もう一つ興味深い適者生存を見れるシーンがあります。それはギャング同士のミッション受注権の獲得の仕方です。

上記で出た大型の犯罪ミッションというのは、受けれる時間が決まっており、ギャング側の代表者が受けてそのギャング構成員で攻略するレイドバトルのような仕組みになっています。

だからこそ利益も大きいのですが、ここの受注はギャングじゃなければ受注できない(わけではないが、上記のお薬と同じく暗黙の了解となっている)からこそ、ギャング同士で奪い合いが発生するわけですが…

ギャング同士ではある種の取り決めが行われており、ミッション受注では受注場所で先に待っていたギャングが、後から来たギャングたちに好きな方法で競って決めて良い…というものになっていました。

ここでは長らく「殴り合い」という手法が使われていました。タイマンもしくはチームでの勝ち抜き形式のような感じで、銃器を使わずにできる相手を殴ったり蹴ったりしてダウンするまでやるというような感じです。

そうして勝ったギャングが大型ミッションを受注できる権利を得れるという形で公平なルール化してはいたものの、当然殴り合いでの強い弱いが出てくるようになりました。

また受注できる確率が上がるようにテクニックを磨くギャングも多く、技などに名称をつけていたこともありました。餡ブレラというギャングからは「餡パンチ」ALLINからは「黒閃」という名前で、これらのテクニックを使えるもの同士が勝った負けたの争いをして殴り合いという競技に研鑽をかけていた様子です(どちらも似たような格闘テクニックでしたが、最終的に黒閃に名称は統一されていきます)

当然ギャングボスやその側近たちの殴り合いの強さは比較的高く、中でも「真黒閃」を習得していたであろう無島かな、ヴァンダーマー、MonD、アルフォートウェスカーは殴り合いの最前線に居たように思います。その中でも無島かなは、ヴァンダーマーやアルフォートウェスカーといったギャングボスの面々から師匠と呼ばれており、真黒閃習得者の中でも数枚上手の実力者であったことは間違いないです。

しかしここで一つの時代の幕開けとなります。新興勢力である「NO LIMIT」がこの殴り合い強者として割って入ってきます。そもそも餡ブレラの構成員だった四皇シャンクズが立ち上げた新ギャングであり、四皇シャンクズ自体がこの殴り合い自体をあまりしておらず、NO LIMITのメンバーも特にギャング界隈で目立った名前では無かったためノーマークだったのでしょう。

しかし四皇シャンクズが誰かに教えてもらったのか、或いは独自で研究していたのか定かではありませんが、真黒閃を習得しており、また対処方法含め無島かなレベルの強者であったことが発覚します。

さらに新興勢力のギャングともあって、仲間内で殴り合いの特訓を日夜進めており、シャンクズが持つ技術などを他メンバーが習得することにより、NO LIMITのほぼ全員が殴り合い強者へと躍り出ることになりました。

実際動画でもある通りNO LIMITのゲラであり突っ込み担当のけっつん太郎が、やられキャラっぽく見えて餡ブレラ構成員をどんどん倒していったり、ミッション受注の殴り合いでもNO LIMITメンバーが他ギャング構成員に対して圧倒的な勝率を誇っていました。

ミッション受注のかかってない腕試し殴り合いにて、ヴァンダーマーや無島かなといった殴り合い強者相手にNO LIMITの構成員たちが互角に戦えていたこともあり、この殴り合いという競技が加速しつつある時代でもありました。

しかしこの殴り合いによる権利獲得が終焉を迎えそうな出来事が起きます。

ALLINの白井満太から通称「白井流:釘パンチ」が開発されてしまいます。

それまでNO LIMITが殴り合いで一歩リードしていた時に、この圧倒的な殴り技術が開発されたことで、白井満太とそれを習得したALLINが最強に一気に躍り出てきました。

これによりNO LIMIT最強時代は終わり、ALLINが殴り合い最強になったことは間違いないのですが…事実上の殴り合いでのミッション受注権の争いはほぼ終わってしまったといっても過言ではないでしょう。

というのもALLINが受注場所に後から来る場合は、露骨に殴り合いを避けられてしまい、別の運ゲー(チンチロ)で決定されてしまうことも少なくないように思います。全体的に殴り合いのレベル差が大きく開きすぎてしまったのが原因でしょう。

これは最強を得た事で莫大な利益を得れるかと思いきや、むしろ運ゲー確率まで引き下げてしまったと見れなくもないです。もちろん釘パンチをを開発し発表した白井満太が悪いという話ではないです!

しかし結果として圧倒的な力をつけてしまったがゆえに、ALLINの特権になる予定だった殴り合い競技自体が没落しかけているのが現状です。もともと殴り合いも強く無島かなが所属していたALLINですが、釘パンチの開発により殴り合いがされなくなってしまい、利得率が落ちた可能性があります。

ここらへんはゲーム理論に近い現象が起きてる気がしますが(詳しくは囚人のジレンマやらナッシュ均衡などで検索してみてください)いずれにせよ、このリソースが限られていてある種の分配が発生している状況では、強すぎることはマイナスに働いてしまうということです。恐らく釘パンチがある程度浸透するまでは、殴り合いは再開されないでしょう。

ようはストグラのような弱肉強食の世界に見える場所であっても、適者生存がしっかり働いていて、むしろ正解は適者であることのように思えます。

MOZUのボスであるヴァンダーマーは、以前は警察署長であったこともあってか、その経験ゆえに俯瞰した視点を持っているように思います。ここらへんは配信衛星でも見れることがあるのですが、白市民(犯罪歴のないプレイヤー)の事をよく考え、警察組織の事も考え、なおかつMOZUという組織の事を考えているであろう内容をよく語っておられます。

ギャングボスという強い権利を持ち自由気ままに暴利を貪れる立場ではあるがそうしないというのは、弱肉強食より適者生存の感覚のほうが優れているからだと感じます。故にストグラの中でも歴史があり勢力も大きいギャングボスで居続けられるということでもあります。

また殴り合いのパートで紹介したNO LIMITのボス四皇シャンクズも、この感覚に優れている住人の一人であると考えられます。一時期殴り合いにおいてNO LIMIT最強になったあたりでメンバーに「ミッション受注以外では殴り合いを禁止する」と通達していました。これはあまりにもNO LIMITが強すぎる事で目立ってしまうのを避け、また必要以上に強い事で自分たちの利益が減ってしまわないように配慮した方針だと考えられます。

これはヴァンダーマーや四皇シャンクズだけでなく、ギャングボスと呼ばれる人や何かの組織の頂点に立っている人はだいたい持ち合わせている感覚だと思われます。


自由や強さの代償 -適者とは?-

さてここまで長々と書きましたが、ここからは視聴者、配信者含めストグラの世界の適者生存の考え方を我々の夢の世界現実世界に当てはめて役立てたいと思います。ここからは私なりの考えですので、それを踏まえた上で見て頂けると幸いです。

まず、ある社会において「自由を行使することの莫大なリスク」と「強者であることのリスク」を正しく認識するべきであると考えています。

ストグラにおいても私たちの世界においても、生まれつき「自由」というものを持っていて、そして自由を追い求め自由に何かできる事こそが人間らしい…というような、ある種の理想みたいな思想はありますが、これの裏に隠れたリスクを認識しておくべきでしょう。

どんな集団あるいは社会かによって程度の差はあれど、私たちひとりひとりの「自由」を許せるほどキャパは無いと考えておいたほうが無難です。

そしてそのキャパを認識せずに自由を振舞うことは、誰かの権利やリソースを搾取したり強奪する結果になりやすいということです。

ストグラ界隈の配信コメントは荒れがちですが、そこらへんもそういう事に繋がります。

SNSや配信コメントでは「自由」にコメントしていいはずなのですが、その自由という武器を振りかざして鳩行為、誹謗中傷、あるいは指示コメなどをしてしまう人が一定数います。これは自分のやりたい事(自由)を優先させて、配信者の社会や権利を侵害してる事であると思います。

こうする事でどうなるかというと当然BANやらブロックされてしまいます。これは自らコンテンツを楽しむ権利を失う事であり、適者生存でいうならば淘汰されてしまう側であり、短命であると言えます。

さらに私たちは圧倒的に強い人に憧れます。その強さこそが自由を生んでくれるのではないか?強くなれば莫大な利益を得れるのではないか?という幻想を追いかけがちですが…

適者生存の働く世の中では、強者は恐れられ避けられるだけで適者にはなり得ないでしょう。故に「強くなる」のではなく「強くある」のが正解だと思います。

このあたりは、かの名作ゴッドファーザーでも見られるテーマの一つじゃないでしょうか?ギャングのボスたるものは確かな実力はあるが、決して無用な血は流さないし流させないのです。無駄に強さを誇示し続けるよりも大切なことが、適者側に居続けることなのを身に染みてわかっているのです。

これは配信者側やストグラのロールプレイでも同じでしょう。何か上手くいってるように見える配信者やストグラロールプレイは、この適者生存を上手に通り抜けた適者側にあるように思います。

社会の外(ストグラにおける観測者目線)から見てみると、とても自由で羨ましく思えるものでも、実際に中に入ってみると全然自由ではないことはよくあります。自由そうに振舞えてる人というのはその適者側でいる間、ほんの少しの自由さを謳歌しているだけに過ぎないということです。

僕たち私たちはこの「強さ」や「自由」さを持っていて、そしてその強さや自由であることをもっともっと…と求めているように感じますが、この自由や強さの幻想に囚われ過ぎている気がします。「もっと自由に生きるべきだ!」とか「全員に認められる最強を目指す!」みたいな耳障りの良い言葉に感覚を狂わされているかもしれませんが、社会で生きている以上不自由であり、強すぎても意味がないということです。

そしてその幻想に惑わされた結果、ある種の自由に見える人を見て「自分も自由であっていいはずだ!」と自由を行使した結果、適者生存が働き自ら生きにくく風当りが強く短命になっていく…という負のループに入っていくのかもしれません。

視聴者や現実世界、あるいは配信者やストグラの世界でも、上手くいってなさそうな人はここらへんで躓いているのではないでしょうか?僕たち私たちが目指すのは自由や強さではなく適者であり、生き残り続けることだと思います。

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