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共有型リーダーシップ促進に向けた企業管理職の行動:論文レビュー

こんにちは、原田です。
共有型リーダーシップ促進に向けた企業管理職の行動についての論文です。

共有型リーダーシップとは:
リーダーシップの影響力が、複数のチームメンバーに散在している創発的なチームの状態(Carson et al. , 2007)

参考論文:
・Zhu et al. (2018)
・Pearce & Sims (2002)
・Erkutlu (2012)

今日の論文

An Exploratory Study on the Behavioral Processes and Contents of Corporate Managers to Promote Shared Leadership in Team
管轄チームの共有型リーダーシップ促進に向けた企業管理職の行動過程と行動内容に関する探索的研究
日本労務学会誌 Vol. 24 No. 2 (2023)
Shiho Horio, Jun Nakahara

サマリ

  • 本研究は、企業管理職がチームにおける共有型リーダーシップ(Shared Leadership)を促進するための具体的な行動内容とそのプロセスを探索的に検討するもの

  • 14社に所属する15名の企業管理職を対象に、インタビュー調査を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析を行った

  • その結果、共有型リーダーシップ促進に向けた行動が3つのフェーズに分類され、各フェーズにおける具体的な行動が明らかになった

わかったこと:
共有型リーダーシップ促進に向けた企業管理職の行動過程

企業管理職が管轄チームの共有型リーダーシップ(以下、共有型L)を促進するために実行している行動が、3つのフェーズと12のカテゴリーに分類されました。

  1. 場づくりフェーズ:
    チームの土台となる「場」を作るために必要な行動

  2. 共有型リーダーシップ醸成着手フェーズ:
    共有型Lを育むための具体的な行動

  3. 共有型リーダーシップ促進フェーズ:
    共有型Lをさらに深化させ、持続可能なものとするための行動

企業管理職は、チームの管轄を任されてから即座に共有型 L の促進を図るのではなく、そのための用意周到な準備をしていた。そのうえで、段階的にチームメンバーのリーダーシップ促進に向けた行動を取っていたことがわかります。

論文から得た学びと活用場面

チーム全体のパフォーマンス向上や、共有型Lの発展に貢献する行動が分かりました。特に、メンバーとの対話や関係構築に注力し、メンバー一人ひとりの成長を促すことで、チーム全体がリーダーシップを共有する環境を作り上げていることが示されています。
共有型リーダーシップを促進するためには、どのような行動をどのような過程で発揮すればよいかの指針となりそうです。


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