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はじめてのリスティング広告(引き継ぎ資料です)

業務の引き継ぎって、1時間程度の引き継ぎの割に、やらなきゃいけない業務量めっちゃ多かったり、そもそもの背景わからなかったり、思考のプロセス見えなくて、「前の担当者乙…」となりがちですよね。

わたし自身も、引き継がれた業務をすすめる中で、「え、事前にこの考え方伝えておいてよ・・・」「暗黙知多すぎな・・・」と思うことがあり、なんとか出来ないかと考えてきました。

そんな時、自身の業務を引き継ぐタイミングになったのですが、引き継がれた後任の方から、「業務の引き継ぎ資料がわかりやすい!」「もっと理解を深めたくなりました!」と言われることが多いので、引き継ぎ資料をほぼ丸々(自社のサービス名等は伏せた状態で)共有します。

そんな本日は、WEB広告についてほぼ何も知らない後任に「リスティング広告ってなんですか?」と聞かれた時に渡した資料を共有してみます。

ーーーここから引き継ぎ資料ーーー

リスティング広告とは?

ユーザーの検索したキーワードに合わせて広告を表示することを言います。

例えば、「apple」と調べた時に、「Apple」の公式HPの広告を表示させたり、「スマホ」と検索したときに、「iPhone」の広告を表示させることを言います。

(下記画像の「広告」と記載のようなやつ。一度はみたことあるのでは?)

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広告の費用はどうやって決まるの?

広告の費用は、原則下記2つのいずれかのタイミングで発生します。

・クリック課金型(主流)
 →広告が表示されてクリックされるたびにお金が発生
・CPM型
 →広告が1000回表示されるたびにお金が発生

では、そのクリック単価や1000回表示単価はどうやって決まるのでしょう。

それが「オークション」と呼ばれる方法です。その名の通り、欲しい人が多ければ多いほど高くなり、少なければ少ないほど安くなることを言います。

土地の値段の決まり方と同じで、例えば銀座1丁目1番地にお店を出店するのと、どこぞの山奥にお店を出店するのとでは土地の値段が大きく変わってくるのはなんとなくわかるかと思います。

リスティング広告も同じで、人気のあるキーワード=みんなが使うキーワードはクリック単価が高くなり、一方でニッチな人が使うキーワードや、検索されることが少ないキーワードの組み合わせのものはクリック単価が低くなります。

リスティング広告を勉強したはじめの方によく「ロングテールキーワードを探さなきゃいけないんですよね?」と聞かれることがありますが、ある意味理にかなっています。

ちなみに、ロングテールキーワードというのは、検索ボリュームは少ないものの検索したユーザーがアクションに繋がりやすいため、低コストで獲得できる2語以上を複合したキーワード群のことを言います。

仕組みは何となく理解した!では次に何をしたらいいの?

上記の仕組みを理解していただいたら、次は「何を検索をしている人にどんな広告文を出すのか」を考えるタイミングです。

・何を検索をしている人か?
      =キーワードの設定
         =どんな魚がいる池に糸を垂らすか
・どんな広告文をだすのか?
      =コピーライティング
         =どんな餌を垂らすのか

「apple」と検索している人は、例えばAppleに関する”公式”の情報や、”最新”の情報を提供するのがいいと思いますし、「スマホ」とざっくり固有名詞ではない検索をしている人には、カメラの機能性や安くスマホを買える方法やスマホの選び方などの”価値の提案”や”ノウハウ”を提供していくのが良いと思います。

◆例えば、あなたが「Apple」社である場合
 ●固有名詞での検索(指名検索と言います)
  →オフィシャルで、鮮度の高い情報
  (例:公式HPやサービスリニューアル等の最新情報)
 ●固有名詞以外での検索(例えば、「スマホ」など)
  →価値提案・情緒的情報・機能的情報・ノウハウ
  (例:カメラの機能・スマホの選び方など)

では、早速自分のサービスで考えてみよう!
・・・と言いたいところですが、実はまだ早いのです。

WEB広告を考える=マーケティング全体を意識しろ!と言われる理由

実は、リスティング広告しかり、バナー広告しかり、WEB広告を考える上で大切なのは、マーケティング全体を意識することです。

例に出してきたAppleのような一定規模のブランドで、しかも認知率も脅威的にあるような会社・サービスの場合、WEB広告の手法別(リスティング広告はリスティング広告、バナー広告はバナー広告で費用対効果)を考えても最悪良いのですが(本当は良くない)、

「これからローンチします!」とか「ローンチして3ヶ月です!」のような新サービスの場合、手法別に費用対効果を考え設計する手法は通用しない(と思って)います。

なぜなら・・・
➀そもそも直接指名検索されない
(リリースしたばかりだから。知ってる人少ない)
➁検討される競合サービスが多いから
(例えば、スマホの機種なんて、世の中に5万と存在しますよね?)
➂口コミがないor口コミを聞かないから
(Appleは、Apple信者と呼ばれるような口コミを自発的に発生させてくれる人がいたりする)

と、ネガティブな理由が超多いからです。そのため、リスティング広告やバナー広告など、手法それぞれだけの成果を見ていたら絶対に費用対効果は合いません。

ではどうしたらいいのか。
そのカギは、ユーザーの動きにあります。多くのユーザーは下記のような検索行動をとるかと思います。(実際になにかを検討する時に下記のような行動をとったことがあるのではないでしょうか?)

【何かを調べる時の流れ】
○○検索(固有名詞以外で検索)
 →いくつかの表示されたサービスをクリック
 →比較検討
 →それぞれのサービス名を指名検索
 →詳細ページ確認
 →何かと理由をつけてアクションしない
 →”急に”思い立ち、たまたま表示されているバナーをクリックor再度指名検索して流入
 →購入

最近、わたしがヨガを検討していたので、ヨガを例にとると…

➀ ヨガと検索

➁検索結果に出てきた広告を見る

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 ・ヨガじゃなくて、実はジムでもいいのかも
・オンラインでもできるんだ!
・ホットヨガ最近人気だしな・・・

☞おそらくいくつかクリックして中身をのぞき、「自分にあってそうなものを探す」のでは?


➂詳細のジャンルで検索

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・「オンラインヨガ」で検索
・「ホットヨガ」で検索
 ※最初の「ヨガ」よりも一段深い層で検索。
 ※ここでジム系のサービスは最初の検索の段階で違うとなったため、検索しないとする

☞ここでようやく直接的なサービス名・ブランド名が出てきていますね!➀の段階でも「SOELU」という名前は出てきていますが、おそらく➀の段階では、オンラインヨガの代表の一つ程度の認識かと思います。
ここで初めて、オンラインヨガ=SOELUなのかな(単純接触効果による)となっている可能性があると考えられます。


➃固有名詞で検索
例えば、下記のようなサービスを固有名詞で検索しました。
・SOELU・LAVA・トルチャ

☞はじめは「ヨガ」と検索していた人が、サービス名にまでたどり着いていますね!
※この段階では、ホットヨガというジャンルの選択肢は消えておりましたが、もしかしたらLAVAの「うちヨガ」のページをみている内に、またホットヨガにたどり着く可能性もある


⑤サービスは見つかった!なのに行動しないフェーズ

☞でも、続かないだろうし…まだいいかな…もう少し落ち着いたら/時間ができたら調べようかな…と行動を止める感情が出てくる


⑥まるで自分に必要かのように様々な広告が出てくる

(上記のように時間がないと言っているわりに)ネットサーフィンやSNS見ていたらこの前調べていた「●●」の広告が出てきた!え、しかも今なら90%OFF?!

☞ターゲティング広告やリターゲティング広告が発動!


⑦ ⑥のバナーをクリックした後申込or再度、指名検索で調べ、広告orHPでコンバージョン

という流れを辿るのではないでしょうか。なんとなく分かるのではないかなと思います。

長々と話しましたが、ここで言いたいのは、つまるところ、リスティング広告やバナー広告だけでなく、ユーザーの検索行動を洗い出し、ユーザーの行動に応じて顧客とどのようなコミュニケーションをとるのか考える必要があるということです。

もちろん、オンラインだけでなくオフラインを組み合わせても良いと思いますが、WEB広告=マーケティング全体を考えろ!といわれる理由です。

理想と現実(お金)とのジレンマ

さあ、ここで問題です。

Q.上記ヨガの例の⑦のタイミングで、HP経由で例えば、オンラインヨガのSOELUさんにお申し込みをしたとします。この時の下記の値はどうなるでしょうか。

●リスティング広告のCPAは?(広告の出稿費用を5万円とします)
●バナー広告(NonRTG・RTG)のCPAは?(広告の出稿費用を10万円) 

・・・

・・・・・・

 ・・・・・・・・・

正解は、

●リスティング広告のCPA:評価なし
●バナー広告のCPA:評価なし
※ただし、ラストクリックモデルとする。ラストクリックモデルとアトリビューションモデルはここでは言及しません。申し訳ないですが、調べていただければと思います。

です。出稿した広告経由でコンバージョンしていないため、評価なしということになります。管理画面等で実績の確認をすると、悲しい「0」という数字が並んで見えるようになります。

では、上記の通り費用対効果が悪い「リスティング広告」「バナー広告」を止めても良いでしょうか。もちろん答えは、否です。広告上の成果がなしだからといって広告を止めてしまうと、おそらく今度は1件もアポにつながらないと思います。なぜなら、上記の場合、顧客が申し込みをした時の行動の起点は、リスティング広告だからです

でも、お金は限りあるものなので、湯水のように垂れ流すわけにはいかない。とはいえ、効果を数値で測れないものは怖い。だとしたら、今はお金のかからない申し込みのついているHPだけを運用するのがいいのでは?…しょうがない…お金のかかる広告は止めよう。

これが、理想と現実(お金)のジレンマです。

【コラム:貢献度を計測できるツールについて】
もちろん、これを解消するために、広告の貢献度を計測できる外部ツールがあります。大手企業様だと導入しているケースが多いですが、ツール導入にもコストがかかるため、社内決済大変だったりします。しかし、ツールを導入することをおすすめします!

導線を考え、ユーザーが欲しいと思うタイミングで適切な情報を出そう!

改めてですが、ここまででわたしが何を言いたいのかというと、リスティング広告をやる前に、今一度、ユーザーの導線を考え、ユーザーが欲しいと思うタイミングで適切な情報をどう出すのか考えよう!ということです。

本当にこれにつきます。

そして、この導線を考えた後に、リスティング広告で、ユーザーが何を求めているのか・どういう価値を提供したいのか・どういうアクションをとってほしいのかを伝えることで、より高い効果を発揮することが可能です。

実務面については、また別紙にて共有します!
リスティング広告について大枠の考え方で気になることがあれば、[社内チャット]でいつでも答えるので聞いていただければと思います。

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本日は、以上です。あくまで引き継ぎをベースにしているので、資料+口頭がベースですが、引き継ぐ際の参考になれば嬉しいです。

いくつか引き継ぎ資料を公開した後に、引き継ぎで意識したほうがいいことについてまとめてみます。

需要あるかな…無くても備忘録的に。

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