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往来ノオト

片一方だけで、思い巡らせていても辿りつけないものがある。それはなにか。

南天棒の「行き帰り図」という名品がある。昨年、スペイン大使館にて開催された「禅と美」展にて拝見した。一見すると可愛らしい絵なのだが、これがすばらしい。

それから少し経った昨年末から「山學ノオト4」を読み始める。そうしたら、おどろいた。

青木真兵著/山學ノオト4

筆者の青木氏は、村と街の往来によって見えてくるものを綴っていたのだ。ときに苦しみ、歓喜し、、、重要なのは往来だったのだ。

この往来は、さまざまなことにもつながってくる。例えば「日常と非日常」。

自分にとって、日常が広義の意味で仕事であれば、非日常とは読書である。

また、ひとり行う読書が日常であれば、ふたり以上で集う読書対話は非日常である。

ひとつを深掘りするのもいい。しかし「ひとつ」を実感するには「ふたつ」がなければわからないのだ。理屈で言えば簡単なこと。この簡単なことさえ日常では気づけない。

知らぬ間に、ひとつだけに偏り過ぎてしまっていた。だからこそ敢えて往来することを大切にしたい。
本年もよろしくお願いいたします。