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よいひかり
とびきり心が揺さぶられたときではなく、自分という存在が沈黙したときに詩を書いているのだろう。
三角みづ紀 「よいひかり」あとがきより
何気なく通り過ぎてしまう日常のなかに、「ひかり」を射すことで言葉が生まれる詩集。そのなかでも「あとがき」の一節に琴線がふれました。
あるものすべてに物語がある。
がんばってグルグルと回っている扇風機にも、今日までの物語があった。目の前の本たちにも、今朝飲んだコーヒーにだって物語はあります。
ところが、自分を主役にした物語に没頭しすぎたあまりに、目の前の出来事に「ひかり」を射すような物語を編むことが出来なくなってきています。
自分を物語の中心から少し遠くへ離したとき 言葉はどこからかすべり出し、新たな発見が見つかるのです。ほんとうにおもしろいこととは、中心にあるのではなく、やや離れたところにあるんですね。
そのようなことを気づかせてくれた1冊です。