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テレビ視聴の合いの手

テレビを見ながら独り言って言うじゃない。つっこんだり。美味しそうなラーメン映ってたら「うまそう」とか。野球とかサッカーのスポーツ見てても「下手くそ!」とか「どこ見てんねん」とか。バラエティなんかでも「ウソつけ!」「おもんないねん!」なんて言うじゃない。本心とか、心からそう思ってるとかでなく、それこそ脊髄反射的に、テレビ視聴の合いの手の様に好き勝手言うじゃない。
SNSがこれほどまでに浸透する前はそれは部屋から表に出る事はなかった。ごく一部の人々は掲示板に書き込んでウサを晴らしていた。その頃まではまだ捌け口として限られた世界で公開されていたように思う。
ところがここまでSNSが普及して、これまでのそうした独り言は比較的多くの人の目に止まるようになった。そもそもはテレビ視聴の合いの手の様な発言だった野次が、伝言ゲームの様に尾ヒレが付き、拡散され肥大化し、世間の声としてまとめられ、報道されて、エンターテイメントの首を絞め出した。
不謹慎狩りとは少し違う、無責任とも少し違う、そもそもが本心で無い、ただの独り言、テレビ視聴の合いの手のつもりの発言が、書き込まれた時点で意見となり、まとめられ、エンターテイメントの首を絞める。発言が問題視されたとしても発した本人は「野次くらい言うやん」くらいの軽い気持ちで、責任は感じないから手に負えない。全ての発言に責任を持てとは言わないが、そうした発言をあたかも意見かのようにまとめ、報道することはいかがなものかとも言わない。そうしたニュースの大半は「テレビ視聴の合いの手」なんだという大前提を忘れてはならないと思う。

水道橋博士のメルマ旬報に詳しく書いてますのでぜひ!
https://bookstand.webdoku.jp/melma_box/jyunpo/detail.php?sid=53&aid=1448

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