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まえがき-本編だけ読みたい方は飛ばして下さい 私は50歳をちょっと過ぎたおっさんだ。 …
霞がかつた青空に、斑のような雲。 先週降り積もった雪はすつかり溶け、春のような陽気が…
雲ひとつない初夏の青空。これから来る夏への理由のない期待。時折そよぐ風。梅雨明けの土曜…
はじめに この物語はstand.fmで配信していらっしゃる漫画家の緒方しろさんの収録『雨の図書館…
今日で17歳が終わる。 そんな事を考えながら、教科書から目を上げ、なんとなく窓の外を見…
アクリル板で仕切られた4人がけのボックス席に僕たちは座った。 僕の隣にリンが、僕の向か…
1 久しぶりに山の絵を描きたいと思ったのが、そもそものはじまりだった。 本業でないとはいえ、僕の絵を見て買ってくれる人がいたり、アイコンやサムネイルの依頼をしてくれる人がいるのは、正直に言って嬉しい。 おかげで会社の給料だけではギリギリだった生活が、今は少しは余裕を持って生活することができるようになった。 とはいえ、勤めとは違って収入は月によってまったく違うし、今年得た収入を、来年確定申告しなければいけないので、全てを使えるわけでもない。 絵を描くために必要
「はい、これ」 高校の帰り道、校門を出てすぐに、カスミはそう言いながら一冊の文庫本を僕…
その冬の夜、私は外へ出ました。 理由などありません。あるとしたら部屋の中にいると得体…
「蝶は変化変容の象徴なんだって。でもね、もうひとつあるの。何だと思う」 妻が洗濯物をた…