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Vol. 3 ▶︎『1時間だけゲストハウスに滞在してみた』

和の空間で
異文化交流が活発な
北の大地の大きなホステル━━━。

- THE STAY SAPPORO NAGOMI -

北海道 / 札幌市

×高村ゆうやさん

●THE STAY SAPPORO NAGOMI スタッフ

 生まれも育ちも北海道。21歳の時からゲストハウスの業務に携わる。大学休学時に「なにかやりたいな」と思ったときに、英語、ワーキングホリデー、宿泊業に興味があり、国内で経験できる場所を模索していた。そのころに千歳市のゲストハウスでアルバイトすることに決める。その後、生まれ故郷の札幌に戻り【THE STAY SAPPORO NAGOMI】の立ち上げから業務に携わっている。

 そんなゲストハウスで働く、高村さんのstoryやexperienceを紐解く…

interview

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学生時代はなにをしていていましたか?
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 学生時代は人文学を学んでいたんですよ。ざっくりいうとその地の文化、歴史に触れるようなTHE文系のような分野ですね(笑)ゲストハウスで働いてみて、かなりダイレクトに関わっている内容だなと改めて感じましたね。あとはサークルでジャズ研究会に入っていて、そこの合宿所として使っていたペンションに感銘を受けて、今の仕事に繋がっているんですよ(笑)

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なぜ札幌という舞台で働こうと思ったのですか?
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 地元が好きっていうのもありますし、あと僕フットワーク重いタイプでして(笑)慣れ親しんだ土地で、まったりして札幌で働きたい気持ちがありました。札幌には色んなカルチャーもありますしね。

客層が変わったんです━━━━━。

ロナ前は6割が海外の方で、そのうちの80%がアジアの方でした。しかしコロナが蔓延し始めると、次第に海外のお客様は減り、長期滞在する日本人・札幌に引っ越してきてアパートの引き取りの間に滞在する人・日本のビザをガッツリ延長して日本を旅行しきるんだっていう海外の人等が増えてきている。また団体客から個人客に変化し、割とゲストハウスらしい客層に変わってきて、これもこれで面白いなって思いますね。

一風変わった
観光客との出会いが━━━━━━━。

のコロナ禍でビザを延長して、日本で生活し続ける外国人も多くいました。そのケースで去年の9月ぐらいから年明けまでロシアの女性の方が泊まっていたんですよ。話していたら突然にその女性、「私札幌で現地調達しながら、キャンプで旅する」って言い始めたんです(笑)幸い僕がキャンパーだったんで、彼女の道具を集め手伝ってあげて、アドバイスしてあげたんですよ。まず彼女は寝泊りするために、ハードオフに売っている500円くらいのテントを買っていました(笑)

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なぜ NAGOMIでは "異文化” や "国際交流” にフォーカスしたのですか?
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1つは海外のお客さんが来ることが必然的に多くなってしまうんですよ。なぜなら日本と海外の認知度的に考えると、海外ではホステルやゲストハウスが文化として根付いているじゃないですか。だから特にバックパッカー層の宿泊が多いんですよ。あとはスタッフにもそういう人が多くて、…とは言いながらも僕は海外未経験者なんですけどね(笑)

去年の5月に入った
スタッフが━━━━━━━。

はここリノベのホステルで、2019年の1月に改築が終わったんです。リニューアルオープンから、宿泊者は多かったのですが、開催したイベントに参加する人が宿泊者含め少なかったんですよ。しかし同年5月に入ったスタッフがもの凄く友達も多く、インスタのフォロワーもそれに比例していて多かったんです。その彼女が宣伝をかけた辺りから、大反響、大盛況になったんですよ。

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NAGOMIといったら "異文化交流イベント"。特に大反響だった企画はありますか?
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 去年の5月に僕が企画したピザパーティーですかね。どーせやったって人来ないから、いいモノ作って自分で楽しもうって思って、結構手の込んだ(生地もトマトソースも1から作った)ピザを作ってたんです。そしたら予想外に人が来てね(笑)そこから定期的に開催して1イベント30人くらい来るようになりました。
 以前にタイ人のスタッフがいて、ここで働く前にアメリカにあるタイ料理でコックをやっていた人なんですけど、その人がタイ料理を作るイベントを企画したり、うちのマネージャーが韓国人というのもあって、数人の韓国人が雇われていたんです、その人たちが企画する韓国料理を作るイベントを開催したりしてましたね。自然と海外のスタッフが多くなって、海外の食べ物のイベントをやる機会が多くなったんですよ。

イベントの参加者8割が札幌在住の外国人!

ベントに参加する人は、ほとんどが札幌に住んでいる海外の方が多いんですよ。このイベントは宿泊をしなくても参加OKなので、海外の参加者のほとんどはイベントのみの参加なんです。

スタッフオンリーのキッチンにバリスタの方を呼んでカフェに???

まコロナ関連の話で出してなかったんですけれど、再来週くらいからバリスタの方を呼んでカフェをやります(笑)間借り(カフェやバーを一時的な時間を使って行う飲食店)を利用してやりたいなと考えています。

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周辺施設の見所はありますか??
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 ありますよ!(笑)狸小路の7丁目ってあるんですよ。札幌でちょっと有名な商店街のあるアーケードの道なんですよね。1~3丁目と、4~6丁目で1つの屋根にとなってて、ここ(7丁目)だけ切り離されているんですよ(笑)ここの空間だけボロッちいんだけど、何とも言えないローカル感・下町感があって、さらに近くでみてみると古いレコード屋さん・よく分からない電気パーツのお店・シンガポールかどっかのパブ・狭いビルの中にローカルの雰囲気あるお店が沢山詰まっていたりするんです。1~6丁目は一度改装されていると思うんですけど、ここ(7丁目)は改装されてなく、昔のまま残されているんじゃないですかね。かなり私はこの空間が好きですね。

観光サイトに載っていない
場所・モノを伝える━━━━━━━。

が思うに長い目で見ると、インバウンド系の需要って2018、19の時と比べてそのままめっきり同じ割合に戻ることはないと思うんですよ。そう考えると国内とかローカルに目を向けて仕事をしたい、言ってしまえばここ(札幌)に住むことを前提としたツアリズムをプッシュできるような企画を盛り込んでいけたらなって思いますね。
 個人的な話をすると、僕スープカレーが好きなんですよ。知らないかもしれませんが、観光客に人気のスープカレー屋さんって大きい野菜がゴロゴロ入ったようなものを提供しているんですが、実はそういうのじゃなくて、もっと名前の知られていないけど、地元の人が日常的に食べたりする美味しいスープカレー屋さんがあるんですよ。。そこが僕にとっての一種の札幌におけるオアシスなんです(笑)そういう地元に住んでる者にしか分からないことを紹介したいですね。ですので今後、各スタッフが選んだローカルならではのオススメなエリアを、観光客に分かるような仕組みで作っていきたいなと考えています。

僕自身の生活を
シェアしたい━━━━━━━。

々、コーヒーのミルや道具の貸し出しをしたいなって思っているんです。札幌はカフェや豆を焙煎しているところが多くて、そういうのを自分で探って購入し、味わうのは凄く楽しいと思ってて、それが僕の生活でもあるんですけどね(笑)そういうことをお客さんにシェアしていきたいですね。

先日行われた間借りカフェのお写真です↑↑
次回は2/13、14、23で行うとのこと((o(^∇^)o))☕️🌞

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今後ゲストハウスの開業を目指すハラちゃんにアドバイスをお願いします!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 コロナ禍も経験して感じたのが、旅行業という1つのモノに投資するのは凄い怖いことだなって1つ思い知らされたんです。だから少し金銭的な話になってしまうんですけど、ゲストハウス以外でお金を稼ぐ手段は作った方がいいと思うんです。プログラミングとかも今無料で勉強できたりできるんで、、てか僕も最近始めたんですよ(笑)なのでお金をほかに作る手段はあった方がいいと思いますよ。

とてもなくつまらないことほど、
ちゃんとやっておくべき━━━━━━━。

の内容と被るんですけど、お金の勉強をした方がいいですね。きっと将来的にハラちゃんさんも80歳以上生きていくと思うので、そうなるとお金って必要になってきて、その時のためにある程度の資産を作るってことをやっていかないとやばいと思うんですよね。だからそこの凄くつまらないことをちゃんとやった方が良いと思います。きっと面白い方なので、アイデンティティーは勝手に付いてくると思うので、どうでもいいと思うんですよ。大事なのは、とてもなくつまらないことを詰めることです!

以上でインタビューの内容は終わりです。高村さん改めて貴重なお時間をありがとうございました。1時間の滞在は、学びあり、楽しさありで、高村さんからNAGOMIや札幌という街への愛も伝わってきました。

このあとも引き続きお付き合いください。

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column

●もし僕が「NAGOMI」に泊まるなら…

13:00 【スープカリー Esola】でランチ🍛

(THE STAY SAPPORO 和のInstagramより)
14:45 【 NAGOMI 】にチェックイン。レンタル自転車を借りる🚴‍♀️

(THE STAY SAPPORO 和のInstagramより)

15:10 【Boulangerie Paume】で時間を忘れながら、出来立てのパンとコーヒーを味わう🥐☕️

(Andy : @hide_andyのInstagramより)

16:00 
【藻岩山】に向かう🚴‍♀️

16:20 【藻岩山のロープウェイ】に乗車、頂上に着き、札幌の街の夕暮れ→夜景に変わるのをじっくりみる🌃

(小柳津林太郎 : @rinsta_gram1002のInstagramより)

17:20 【喜楽湯(銭湯)】でゆっくり浸かる♨️

18:40 【狸小路の7丁目】にチャリンコを停め、レトロな街を散策。良さそうなお店があれば入って、夜メシ!帰りはコンビニでビールとおつまみを買うこと。

(t.nakayama : @t.nakayama1977のInstagramより)
20:00【NAGOMI 】に帰る^ ^
和風の畳ラウンジで一杯。たまにつまみ。。観たいテレビがあれば、奥のラウンジに移動する!

23:00 消灯。明日が楽しみ…。

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●ハラちゃんのメモ帳

 この1時間の中で、札幌の街の話、出会った旅人の話、現在・未来の観光業の話、宿内のイベントの話、お金の話、そして今後の「NAGOMI」でやっていきたい話、、1時間で収めるのはとても大変でした(笑)そのくらい充実でした。また今度泊まりに行かせていただいた時にゆっくりお話ししたいと思います(笑)
 そんな充実した取材の中で特に僕が学ばせていただいたことは2つあります。1つはお金の勉強をすべきということ。「つまらないことほど、ちゃんとやっておくべき」という高村さんの言葉には取材中何回もうなずいていました(笑)お金の勉強は大切だと思っていながらも、勉強方法の曖昧さや、カバーする範囲が広いので割と後回しにしがち(笑)目の前の自分で考えた企画(今やっている企画もそう)、開業を見据えた創作料理、投稿等はやっていてとても達成感があるし、同時にとても楽しいんです。けどそこは高村さんが言ったように「アイデンティティーは後からでも勝手に付いてくる」んです。だからと言ってお金の勉強を100%に置き換えるということはしませんが(笑)少しずつお金の勉強もしなきゃなと強く思うきっかけとなりました。「つまらないことほど、ちゃんとやっておくべき」。これは生きていく上でどんな境遇でも使える言葉だと思うので、脳裏に焼き付けておきます(笑)
 2つ目は、ゲストハウスの可能性の1つとして、自分(もてなす側)の生活をお客さんにシェアできるのではないかと思いました。今までは、お客さんが求めているコト、社会のトレンド等を基に、言ってしまえば本来の自分ではない姿で、ゲストハウスで過ごすお客さんにメッセージを送っているものだと思いました。しかし、自分が日常的にやっているコト、毎日のルーティンをお客さんにあえて共有し、実践してもらうスタイルもありなのではないかと考えました。そこでゲストの方が1日過ごしてみて、「ここの瞬間がとても好きだった!」、「この料理、DIY真似したい!」と共感していただければ、その人の日常に取り入れていただければ嬉しいし…なんて思いました(笑)ですので、高村さんのように自分の生活の全てじゃなくても、1部分でも、それがお客さんに伝えられたら・伝わったらいいな…って思いました。
 リアルな話と、ゲストハウスの新たな可能性の話でワクワクが止まりません…(笑)そんな素敵な話をしてくださった高村さんにはとても感謝しています。そして1時間という少ない時間、ゲストハウスに招き入れていただき本当にありがとうございました!

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