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繋がる繋がる命のバトン

里帰り出産を諸事情により1週間、前倒しで元の家に戻ってきた、と前回の投稿でお話ししていました。

諸事情というのは、実家で同居していた祖父が急逝したためです。

あまりにも突然な話で、よく晴れた朝、電話越しに涙声の母から伝えられた事実はとても遠くに聞こえた気がしました。

平日は実家にお世話になり、週末、義実家に泊りがけで息子を見せに行っていた深夜、容態が急変した、とのこと。

かねてから病気療養中で通院していたものの、ついこの前は家族みんなで手巻き寿司を囲んだりしていたのに。
じいちゃん、あの時沢山おいしいおいしいて食べていたじゃない。

「ちょっとおっかないけれど、抱っこしてみようかな」と私の息子(ひ孫)を抱っこし、「あぁ結構重いね」とはにかんでいたじいちゃん

ここのところは体力が落ちて、家にいる時間が長かったけれども、ひ孫をカメラにおさめ、
写真を現像するんだと街までバスで出向き、店員さんに質問しながらプリント用紙を購入してくれたじいちゃん

珍しく暑い日が続いていた帰省中、アイスを差し入れてくれたじいちゃん

どれもこれもがつい数日前の話で、私は未だに掴み切れてなく、また息子をあやすじいちゃんに会えるんじゃないかと思っています。

大好きなカメラで沢山撮影してくれました
差し入れアイスのチョイスも素晴らしかった

まさかもう会えなくなるとは思いもしなかったから、義実家に発つ朝、サッと家を出てしまった。

じいちゃんに「行ってくるね」を伝えて出発したら良かったのにな。当たり前てないんだね。

小さな子を抱えてのお通夜告別式は大変だから、欠席で全然良いよ。
との母からの言葉を受け、明日、息子を連れて荼毘に付される前のじいちゃんと最後のお別れをしてこようと思います。

じいちゃん、迷わず天国へ行けたかい?
毎日、熱心にお仏壇にお経をあげていたし(おかげで私はちょっとお経を暗唱できる)、仏教の勉強をしていたからきっと丁寧なお迎えがあったんじゃないかな。

そっちはどんなもんかね。
もう大好きな甘いものを制限せず好きなだけ食べられているかな。

耳が遠いな、足腰が弱くなったなて嘆いていたけれど、今は途端に良くなったんじゃない?

ばあちゃんと一緒に旅した場所、また行きたいなぁてよく言っていたけれど、スイスイ行けるようになったかい?

大好きなカメラもお金を気にすることなく沢山手に入れて、撮影できているといいな。

「きのとや」のケーキが一番だ、と言っていたじいちゃん

甘いものが大好きだけど体重のこともあって、家の物置に簡易ジムを作っちゃったじいちゃん

昔、まだ離れて暮らしていた頃、飛行機で帰省した小さい私と弟を空港から直でトイザらスに連れて行ってくれたじいちゃん(そして好きなものを買うよと言う。なんて夢のようなんだ)

ピクニック先でお箸を忘れて、その辺の竹を削り、サッとお箸を作ってくれたじいちゃん

富良野美瑛の美しさを教えてくれたじいちゃん

旅と写真が大好きだったじいちゃん
私も少なからず影響を受けたよ

パソコン操作を母や私に質問して、メールや写真印刷もこなしていたじいちゃん
同じところ何回か質問あったけれど、もっと優しく教えてあげてたら良かったなぁ

どれもこれも忘れないよ。
私、記憶力には自信があるからさ。
忘れてたまるか、だよ。

そしてひ孫を見るまで、抱っこするまでがんばるぞと言っていたじいちゃん

実際に抱っこしたから安心してサッサとそっちに行っちゃったのかい?

じいちゃんが亡くなった日の夜、息子の夜泣きがいつになく激しくて大変だったのだけど、あれ、最後に近くまで来てくれたのかな?

「今度は晴れた日にひ孫の笑顔の写真を撮りたいんだ」
て言っていたじいちゃん

その役目、果たせなかったのは残念だけど、私が代わりに素敵な写真を撮るから見ていてね。

毎日、目まぐるしく成長を見せてくれる息子を抱えて直面した身近な人の死、というのは本当に、色々と考えさせられます。

私、お母ちゃんになったばっかりで弱気になる日が多く、帰省から元の家に戻れるのか、主人と息子と3人でやっていけるのか不安になっていました。

けれどもじいちゃんから最後、ちょっとがんばっておいでと1週間前倒しで送り出されたような気がします。

小さな命を抱えて、弱気になりながらでもいい、このバトンを繋いでいこうと思います。

私がじいちゃん側に渡るのはまだまだ先だけど(きっとね)、また会えたらよくやったねと直でトイザらスに連れて行ってくれる勢いで褒めてもらえるよう、がんばるね。

いっぱいありがとうございました。
またね。

この日記を書いてから早2週間。
短い時間ではあったけれどもじいちゃんとお別れするひと時を作ってもらえました。
じいちゃんはまるでお昼寝でもしているかのような安らかなお顔だったのが何よりでした。
最後の最後、じいちゃんに別れを告げて発とうとした時、抱っこしていた息子が「ぷぅ〜」と間の抜けたおならを放ち、私たち家族を笑顔にしてくれたのがなんだか良かったな。笑
こういう時、若い力はみんなを元気づけてくれるんだね。

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