![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47470282/rectangle_large_type_2_0b784d6f4ee758379a18d4729a52dcf9.jpeg?width=800)
たんぽぽまつり
春の足音が駆け足に変わる頃、たんぽぽまつりが開催された。
河川敷一面にたんぽぽ。そのたんぽぽに負けじと、スミレ、菜の花、レンゲ草、シロツメグサ、ホトケノザ、オオイヌノフグリなどの野花たちも、私を見てとばかりに美しさを競い合う。春のあたたかい光を浴びて、河川敷は虹色に輝き夢の世界への入り口となる。
たんぽぽまつりの趣旨は、愛する人への想いや、幸せ・平和を願うメッセージを自分の好きなたんぽぽに囁く。
その想いは綿毛となって、必ず届けられると言われている。もちろん遠い世界にも。
みんなの想いが詰まったクライマックスには、たくさんの野花が見守る中、綿毛が一斉に空高く舞い上がった。
「あっ、バルーンだ!」
少年が叫んだ。
たんぽぽが次から次へと鮮やかなバルーンに姿を変え、世界中へと飛び立った。
今年の秋には、バルーンたちはこの場所へ帰ってくるだろう。
みんなの夢を土産に!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?