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株式会社ハッピーわんが出来るまで#2ティアハイムベルリンに行ってみた

前回までのあらすじ。
日本の現状があまりにも問題が多いことを知るが、どうアプローチしていいのかがわからないまま日々はすぎる。
そこで解決策をなんとか見出そうと、ドイツへ旅立つことを決意した

①ティアハイムを訪れた


動画はティアハイムを訪れた当日の様子です。
さて動画を見てどう思われました?

細かい話はたくさんありますが
ザックリとした感想では

わぁ!ひろい!でかい!きれい!
猫たん幸せそう!

そんな感じしませんでした?

ただただ圧巻
私の感想はそうでした

今は、いろんな勉強をしてきたので動画を見て、なるほど。と思う部分もたくさんあります。もし再訪することがあれば見る目線もまた違ってくるかと。

例えば、猫ブースに置いてある物の数
すごくないですか?

上下運動・隠れる場所の豊富さ・遊び道具などもたくさん
屋外が見れるように、部屋を2つに分けて自由に行き来ができる
10畳ほどのスペースに1頭から2頭で過ごしていました

自宅内でこれだけのこと、なかなか出来ませんよね
猫が本来持つニーズを出来る限り満たそうとするその姿勢

ニーズを満たすための様々な工夫が見れる
どの猫も落ち着いて過ごしいたのが印象的
外の景色が見えるように開放的な部屋の作り。
両サイド猫の部屋。左右の奥に見えるところまでが一つの部屋となっている。

↑手前から奥まで全部保護猫のブース
動物のことを考えた、徹底ぶりに圧巻

②動物福祉に配慮した無理な譲渡はしない姿勢

動画にはないけど、サルのブースがあって↓

高さ3mほどの位置にサルが居た

一軒家ぐらいの大きさのケージの中に1頭のサルが過ごしていて、そのサルは譲渡対象ではなく、ティアハイムで一生を過ごすことになると言っていました。
理由は、一般家庭でそれだけのスペースを用意できないから

屋外で過ごしている猫たちのブースのときも
通訳の方が同じことをおっしゃっていましたね(↓写真)

屋外猫のブース
この中で十五頭ほどの猫が過ごしている

この屋外スペースで過ごしている猫たちは、譲渡対象ではなく
一生をティアハイムで過ごすそうです
なぜなら、屋外生活を経験した猫たちは、譲渡後も屋外で生活することを望み
その結果、地域猫が増える可能性と、室内飼育することにより、その猫たちのニーズ(動物福祉)を補えないからだそうです

犬のブース。ここに居るのはごく一部だそう。
床暖房完備

犬たちのブース
写真や動画ではわかりづらいですが、床暖房完備
この奥にも部屋があり、さらに広場へも自由に出入り出来る様になっていました
また、保護犬たち専用の広場やランもあり、相当な発散が出来ている

ティアハイムの方が言っていましたが、犬たちのストレスを考えて、本当に譲渡を考えている方以外での、このブースの一般見学は取りやめる方向を検討しているそうです

さぁ
それを自分が持ち帰って、日本で再現できるか?

無理だ・・・

このときは世界の最高峰の凄さに圧巻しっぱなしというのが、正直な感想でした

そして、これだけ動物福祉の考え方が進んでいるドイツで、ティアハイムが全国で500カ所も必要になってしまう現実

ドイツはドイツで戦っているということ

それともうひとつ
自分がやろうとしてたことの、究極の形を見たとき

蛇口を閉めるためのアプローチをした上での
2歩3歩も先に進んだ形なのだな

そう感じたのです

実はティアハイムに訪問したのはドイツ滞在日程の最後の方で
このときもう、自分の中で答えを見つけた後だったのです

うさぎのブース
鳥のブース
鳥ブースの入り口

↑写真はほんの一部ですが、哺乳類・鳥類・爬虫類などありとあらゆる動物たちがいました。敷地も広すぎて全部は回れませんでした

③ベルリンの街で

ドイツを訪れたもう一つの目的

「世界一、犬が幸せな街ベルリン」ってテレビがいってた(笑)
それを実際に肌感覚で体験して、何を感じるのか?
がもうひとつのテーマ

日程は1週間ほどでしたが、ホテルの近くで馴染みのカフェが出来るほど、ずっとベルリンに滞在してました

(友人念願の肉ざんまいな日々)

何してたかというと
ベルリン市内、東西南北をひたすら歩きまくる!
行ってない地域を地図で確認しながら、ときに観光しながらひたすら歩きまくる

途中で迷子になって目的地にたどり着かないことも何度かありましたが
それはそれで目的達成しているので、よし!とする

美術館も博物館も入らない
ずっと犬や猫を探していました

ちなみに友人は別の観光地へ行きたがってました
(ごめんね。ありがとう)

歩いていると、日本と同じように犬と一緒に散歩をしている人に出会います。
ところが、その様子が圧倒的に日本と違っていた

④滞在初日の衝撃

ちょうど通勤時間帯だったのですが、朝食が食べられる店を探しに出たとき
突然、ノーリードのバーニーズマウンテン(大型犬)がビルの角から現れて
小走りでこちらへ向かってきたのです

急な出来事過ぎて、心臓バクバク
日本なら、ちょっとした事件です

バーニーズちゃんは、自分たちには目もくれず、横を通り過ぎて行く

そうすると、飼い主らしき若い女性の方が現れ
犬の名前を呼ぶと、すぐにその女性のところまで戻ってきました

あまりの突然過ぎて、心の準備も出来てなかったけど
ドイツ語も英語もわからないながらも、とにかく写真を撮らせて欲しいとお願いしました。

もちろん日本ではノーリードは絶対にダメですよ
ノーリードと排泄の処理を疎かにするほど、犬と出かけれる場所が減りますよ

あくまでドイツの話です

初めはビックリしたのですが、歩いているとそんな状況によく出会すようになる

飼い主の居ない、野良ジャックラッセル・テリアがいたと思ったら、後ろから飼い主がゆっくり歩いてきた。とか

飼い主の居ない、野良スピッツみたいな犬が現れたと思ったら、電動車椅子のおじいちゃんの犬だったとか

恐ろしいもので、数日もするとその様子に慣れてくるんですね
どこに犬がフリーで居たとしても、誰も何も干渉せず、それが日常になっている

そして犬たちも、飼い主と一緒に行動すること以外の
吠えたり、誰かに飛び付いたりなど、余計なことをしない

今はトレーニングの勉強しているので、その状況もちょっと危ういなとは思いますが
(現にドイツでもノーリードはダメみたいで、最近はベルリンでもリードは付けようみたいな形になってたような。情報がうる覚えでごめんなさい)

このときは、衝撃の連続でした
日本で見たことのないレベルで、トレーニングがなされていることに・・・

公園はもちろん、カフェ、電車内、デパート、スーパー、普通のお店の中で、どこへ行っても、犬連れの方をみかけました

レストランで1時間ぐらい食事をしてたとき。
2つ隣のテーブルで、おばあちゃんがお茶飲んでて。足元でブルドックがフセて待機してたのを、おばあちゃんが立ち上がるまでずっと気がつかなかったとか。

⑤小さい人が入ってるの?

たまにこの話はするのですが
ビックリしたのが、デパートの前でシェパードみたいな大型犬がノーリードで入り口の方に向かって待ってて

それだけで事件性ありなんだけど
その犬がどうするのか、しばらく観察してみたんです

するとデパートからリード付きの小型犬を連れた人が出てきて、近くの信号待ちしたんです

そしたらシェパードが、ムクっと起き上がってその小型犬の方へ近づいていったんですね

わわわ!こわい!
しばらく見てたら

シェパードは小型犬に、ちょこっと挨拶したら、またデパートの入り口に戻って、先ほどと同じように入り口の方を向いて座って、おそらく飼い主が出てくるのを待ってた

もう小さい人間が入ってるんじゃないか?と

それ以外にも話は沢山あるのですが、
1週間いろいろ回って、たくさん散歩の様子を見て
驚きなのはその間、一度たりとも犬の吠え声を聞きませんでした

観光地でも、デパートが並ぶ繁華街でも
たくさん人が居るような場所でも
自然に犬がいて、飼い主とリラックスして歩いていて

唯一、吠え声を聞いたのは
ティアハイムの犬ブースのときだけ

もちろん犬同士のケンカや、人や他の犬に飛びつく様子も見ませんでした

また市内中をまわっても、屋外で1匹の猫を発見することも出来ませんでした

市内には公園もたくさんあって、フェンスで囲まれた犬をフリーに出来るランもあちこちに、ありました

もう自分が知っている犬との暮らしとは
何もかもが違うことにカルチャーショックを受けて日本へ戻ることになったのです

つづく

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