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株式会社ハッピーわんが出来るまで・1


株式会社ハッピーわん代表の藤田です

初めましての方も多いかと思います。
改めて

○なぜ今の活動を始めたのか?
○なぜ個人事業主から株式会社に法人成りしたのか?
○これから何を目指しているのか?

それらについて、これまでの流れを振り返りながら書いていきます

ハッピーわんは、1999年6月に山口県萩市というところで、トリミングショップとしてオープンさせました
5坪ほどの店舗に、トリミングテーブルやハサミなど最低限のトリミング道具だけを準備して、私一人で始めました。当時24歳の頃です。

その後15年間でお客様や仲間が増えペットショップとして県内に3店舗の経営をしていた頃のお話から始まります

(写真は以前のハッピーわん山口店の閉店後)

①きっかけ

始まりは県から動物愛護条例の有識者会議メンバーに選出されたことからでした。
2020年の会議にもお声がかかっていて、なぜ自分が選ばれているのか未だに謎なんだけど。
しかし、このことが後に大きな流れを変えてくれたので、今はとても感謝しています

その会議では、様々な資料を手渡され検討していくのですが、その中で県内の犬猫の殺処分数が尋常でないということを、恥ずかしながら初めて目の当たりにします
当時は全国3位の多さだったかな?

なんとなくは知っていたものの
その数と、問題の大きさに愕然としました

動物の世界でご飯を食べさせて頂いている者として、これは見てみぬフリはできないと強く感じたのでした

数ヶ月に渡ったその会議の最後に、偉い人たちの前で
自分!動きます!
みたいな、正義感だけが突っ走った啖呵を切り困惑した空気を作ったので次に会う時ちょっと恥ずかしいから、みなさん忘れてくださっていることを願っています(笑)

②動き始めるが・・・

そうは言ったものの、さてどこから手をつけて行こうか?

まず最初に
殺処分される寸前の犬猫たちを保護して、里親さんを見つけようと動き始めます
ところが早速、壁にぶち当たります

今では、保健所に保護された犬猫たちを譲渡することができるようになっていますが、当時はそのシステムがなかったのです

なので動物愛護センターへ何度も通い、犬猫たちを引き出させてほしい!と直談判しました。
ここで、その後を決める大きなヒントを得ることになります。

結果を言うと、センターから犬猫たちを引き出すことは叶いませんでした
そもそもシステムが整ってなかった時期でもあったし、正確には、活動実績がある愛護団体には譲渡しているけれども
これまで何もしてこなかった、訳のわからないペットショップの人間が行っても信用はしてもらえなかった

けれども、どこの誰だかわからない自分にセンターの方々は、本気で向き合ってくれて厳しくもたくさんのことを教えてくださいました

何よりもセンターの方々は本当になんとかしたいと思っていること
そして、その後の方向を照らす大きな問いをくださいました

それは

「では、あなたに譲渡したとしましょう。
けれど、問題行動を起こして飼い主から手放された犬が新しい里親のもとで、同じ問題を起こしてしまうとしたら?
それでまた手放されるとしたら?
あなたはそのことに対する解決方法をお持ちですか?」

その当時の自分に、刺さった言葉でした
この言葉は今でも、自分に問いかけています

実は活動を始めようとしたときから、自分の中でひとつ大きな疑問がありました

もちろん理不尽に消えていく命を救うことは、めっちゃ大事なんだけど
そもそも捨てられる数が尋常じゃない現実に対して、
それでは到底追いつかないのではないか?
溢れ出る水道の蛇口を閉めるような、
もっと根本的な手立てはないだろうか?

その時は、その問いに対して
「そんなの、やってみないとわからないじゃないか!」
と、子供のような答えしか返すことができず

今となってはあの時、ブレーキをかけてくださったことに大変感謝しています

そうはいっても、大きな問題に対して動き出そうとしたものの
いきなり道を見失い、さてどうしたものかと悶々とする日々へ突入していくのでした

③そうだドイツへいこう

勢いよくスタート切ろうとしたら、フライング!とストップ!

見ようとしていた道は行き止まり
根本的な解決法も見出せず

あらら?なんか違うな・・・

勢いの部分も大きかったけど、もちろんそれまでにたくさん本を読んだり、いろんな方からお話を聞かせてもらったりなどリサーチはしていました

けれど、どうにもピンとくるような道筋は見えず・・・
その当時の自分では、見えるものも、検索力にも限界を感じていました

いろんなことを調べる中で、たびたび出てくるキーワードがありました

「ドイツは犬猫の殺処分0」

ほんと、たまたまなんですが、ちょうどその頃NHKで
「世界一、犬が幸せな街・ベルリン」という番組もやっていて

ゼロ?!世界一しあわせ?!そうだドイツへいこう!!
いま、振り返ってみたらアホ丸出しなんですけど(笑)

もちろんその当時はもっと色々と考えてましたよ。
ドイツ行きを決めたのも、時系列でいうと県の会議しているときだったり。
何はともあれ、友人誘ってドイツ行きのチケットを購入。
軽いノリで、いいね!とついて来た友人も、なかなかクレージーだけど
とても感謝しています。

(空港のなんだかおしゃれなバー)

④ティアハイム・ベルリンへ

もちろんドイツへは目的地がありました。それは

「ティアハイム」というドイツ国内に500か所以上ある民間が運営している保護施設があり、その中でも、ヨーロッパ最大の施設

「ティアハイム・ベルリン」の視察です
概要を下に載せときます

そんなに凄いのなら、この目で確かめにいこう
そうすれば、何かヒントがあるかもしれない
そんな思い一心で

友人は、ドイツビールと肉を毎日食べてやろう
そんな思い一心で(笑)

それぞれの思いを胸に旅立ったことが、その後を大きく変えることになるなんて
この時は想像もしていませんでした。

つづく

⑤ティアハイム・ベルリン概要

「ティアハイム・ベルリン」
18.5万平方メートル
会員数約1万五千人
常勤スタッフ140名
年間1万〜1万五千頭の動物が収容

そのうち4割が野良などの飼い主がいない動物または、劣悪な環境で飼われていたために保護された動物
6割は、飼い主の死亡、引っ越し、離婚などの理由で引き取られた
年間の維持費は約9億6千万
大半が市民や企業からの寄付、会員の会費などで賄われている
行政からは約7千2百万ほど、保管委託料というかたちで援助が出ている

保管期間が過ぎた動物に対する不足分はティアハイムが負担している
犬や猫を飼いたいと思っている多くの人がここを訪れ
相性を確かめたうえで、たくさんの犬や猫がもらわれていく
毎年90〜95%以上が新しい飼い主に巡り合い、この施設を去っていく
誰でもいいというわけでなく、毎日しっかり世話を出来るかどうか、
快適に飼える環境かどうかを厳しくチェックされる
飼い主が見つからない場合は一生ここで暮らすことになる

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