親不孝という名の親孝行

5年患った心臓病のおかげで、母が父の葬式費用に貯めておいた貯金もなくなった。

父の葬式費用を私が返済するまで、死んでは駄目だと父に言った。

父は余裕の笑みで100歳まで生きる 

と言っていた。あと20年あればなんとか返せるだろう。親不孝行者の自分のできることは、サッサと金を貯めることだ。

お菓子も酒もみんなやめた。

もう父には時間がない。長い間、半身不随だった為に肉が腐り、掻きむしると身がえぐれてしまう。

生きながら体が腐る。どれだけ辛いだろう。父の年金がなければ生きていけない母は、50年かけて父を服従させることができたのに、また同じような奴が現れて、私は不幸だと言ってきた。

母は自己肯定感が低い故に、自分の夢を諦め、子どもの為にすべての自分の命を捧げた。

私は母の生き方が好きになれなかった。

だからこそ、私は自分の為に生きたい。そして、犠牲ではなく自分ができる範囲で人の喜ぶことをして暮らす。

でも、まだまだ毒親の毒牙にかかっている。介護の道は一日にしてならず。