初秋の失恋
9月終わりにその日は突然やってきたのである。
それまでベタベタ、イチャイチャしていたのに、何も言わないし、あからさまに会話を避ける。これはどうしたことかと相方さんと話し合いをする事になった。
理由は私の体重増加に対する姿勢の甘さだそうである。ちょ、ちょ、待てよーってキムタクみたいに言ったわな。
薬の副作用もあるし、引きこもりの環境もあるし、そんなすぐには無理だって。長い目で見てよ。
と、そんな話はしたんだが、もうぶよぶよの美月、これ以上見たくないって言われてしまう。体重5キロ増えただけでこの言い方。。。
訪問看護を受けてる精神病患者にかける言葉に怯えてる割に、容赦がない言葉運びだなと思った。まあ、前からこの人の言葉のコミュニケーション能力は戦闘に近い形でしか表現できないのである。
私がこの話し合いをして別れる可能性は7割以上だろうと思っていたが、蓋開けてみたら8割ほどだったというね。こちらに直接言わずに憎悪を中で膨らますタイプなんだよなーと思ってはいたけど、前のように話し合いくらいはしてくれると思ってたから、豚の死体でも見るみたいな相方さんの冷たい眼にこちらはヒンヤリ殺意に近い怒りを感じたわけである。
よくよく話を聞いてみれば、前の交際のときにトラブルを起こして話し合いをした事がトラウマになってしまったとのことで、言いたい本音を言う事が怖くなってしまったのだという。
だったら復縁しなきゃいいと思うけど、そこは私を可哀想だなと思ってしまったんだろうね。本人が最初にある程度回復をするまでの期限付きの交際というところに変更はなかったわけです。
そして自分も別れても頼らない程度に大丈夫なくらい回復をしてきていたので、話し合いをきちんとできたかなと思います。私はあまり自分の気持ちは話さなかった。言えば、相方さんが自分の気持ちを言えなくなるんだろうなと思ったから。
最後はちゃんとお礼を言って終わりにできた。
私、本当に偉かったなあ。悲しまないなんてそんなに好きじゃなかったのかと思われるかもしれないけれど、そこは違っていて、本当に大好きって思ってたからそんなに好きと思えない私に縛られて不機嫌な顔されてるより、もっといい人にお互い出会う方がハッピーだろうと思ったから。
相方さんは私の事をモテないクソデブ女と思ってるけど、私はこっそり交際中も2回くらい他の男性とデートして交際を申し込まれて断ったりもしたし、捨てる神あれば拾う神ありだと思うので、さっさとこのネガデブな関係は終わらせようと思ったのであります。
ダメージはある程度覚悟していたものの、左手の大火傷以上の心の痛みが日に日に大きくなるばかりである。くまのプーさんの言葉じゃないけど、
僕はなんて幸せなんだろう。こんなに別れが悲しい人と出会えたなんて。
と、クリストファーロビンに言うんですよね。今はそんな感じで、失恋をしっかりと味わっておく時期だと思うわけです。きっと半年もしたら爆笑しながらデブでフラれたって言ってる気はする。
その日がくるまで、しばらくは夜に目が覚める度に涙を流すんだろうね。一緒にいっぱい添い寝してくれてありがとう。さよなら。相方さんへ。