35年ぶりの『ファ♯』後編


3ヶ月思い悩んで自分に与えたご褒美⭐︎ 

『真っ白いキーボード』

大事なものを大事にしすぎて壊さないように、飾って置くだけにしてしまう…。
そしていつのまにか劣化してしまった、時代遅れでそもそもシステム的に使えなくなってしまった、手放すしかなくなってしまった…。
給食の時間、大好きな食べ物を最後に食べようと残していたら、事もあろうに担任に食べられて泣いてしまう…。
キラキラしてるものや素敵すぎる人に出会ったとき、近づきたいのだけど、構えすぎて素直に手を伸ばしたり、素直に手を取れなかったり、肩の力を抜けないような気がしてなかなか近づいて行けなかったり…。

そんな自分を思い出したのだけど、
嬉しすぎて届いた日に開封できず…2日間梱包されたまま寝かした。

これで誰かが開けたら、それはそれで違うって言うタイプ。
…本当、すっごい面倒くさいヤツ(笑)

2日ほど…プレゼント開封前のワクワクを存分に味わって
無事、開封の儀を経て、真っ白いキーボードとご対面した。

この先、わたしの楽しい時間の相棒の1つ。
とりあえず、1曲弾けるようになりたい…と、たまたま話すきっかけを貰ったので、
先日書いた先生にず〜ず〜しくも35年ぶりにお願いをして楽譜のコピーを貰った。

昔からレベルはそこそこ。
楽譜を読むのも得意じゃない。
だけど…全く0じゃないし、そこそこ練習したら弾けるんじゃない?
な〜んて35年の月日を全く舐めていた。

まず、おたまじゃくし達を読むのに一苦労。
ドのいくつ上だからこれだな、それだな…のレベル。
そんな中、ト音記号の横のCみたいなマークに気を取られ…なんだこれは?…で大パニック。

そこから音大出身というパート仲間に教えてもらうまで…諦めモードで、ひと月封印。
いろいろなんだかんだで今年になった。

結局、コツコツに勝るものはない!ということをここでも実感。
0からやるつもりで毎日のルーティンにする事にした。

ある日、練習中に、この曲を弾きたいって思った理由が浮かんだことをきっかけに100個くらい記憶が芋づる式に溢れて止まらなくなった。
自分しかわからない記憶と感覚がオセロの黒をゆっくりと白にひっくり返していく。。。聞いてはいたけれどはっきりと体験した。
思った以上に穏やかで優しい感覚だった。

人生が癒やされはじめてる。

そう感じた。

全然上手く弾けないピアノの音が、重なって和音になる。


子ども時代に感じていたピアノの好きな音とあまり好きじゃない音。
好きな和音と好きじゃない和音。
そんな感覚がいつも自分の中にあったことを思い出した。

それは、この音とこの音は合わない。
なんか好きじゃない。
もやもやする。
こんな気持ちになる…止まりで、ピアノから離れた。

幼い子どものピアノは、白い鍵盤で弾く曲が多い。
黒い鍵盤で良く出てくるのは、大体『ファの♯』と『シの♭』だった。
『シの♭』は嫌いじゃなかった。
けれど『ファの♯』は好きじゃなかった。



35年ぶりのピアノは、曲にはほど遠い。
ぎこちなく紡ぐ音が和音となって響く瞬間。
しっくりくる安心感と美しさを感じた。
同時進行で100個くらいの記憶(ちょっと盛ってるかな?(笑))がゆっくりオセロを白に変えていく。

そのせいだろうか…たぶんそうだろう…
好きじゃなかった『ファの♯』を含んだ和音がものすごく美しく感じて涙が止まらなくなってしまった。

他から見たら、ヤバいやつかもね(いたしかたない。)

どうして『ファの♯』が好きになれなかったか…。
もうこれは自分の感覚でしかないからひとりごとなのだけど。

『ファの♯』が、全ての不条理?不調和?人の力ではどうにもならないように感じる苦しい出来事や悲しみ?成長するのに必要な出来事?を…違う言葉で言ったら重たいものを含んでいて…それすらも柔らかく大きな愛で包んでいた音だと知った。

好きになれなかったのは、それすらも…より、前も後も拒絶していた(理解出来なかった、受け取れなかった)からじゃないかと…。

わかったような気持ちになった。


(おしまい)


現実は厳しいもので、
お〜いおいおいおい(笑)
前編、後編共によく書けたなぁ〜(笑)
って100人いたらほぼ皆さんに突っ込んでいただけるほどに辿々しい状況ですが、
驚愕の音声ファイルをまたUPしますね。(笑)

内緒にしとくくらいがいいのでしょうけど
等身大のわたしを知ってもらう人生がいいなって思うんです。
どう転んでも、それがわたし。
他の人にはなれないし…ね。

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