ハンマニと。
私は、成人の日には振袖を選んだ。
日本の行事には日本式で参加したいと思ったから。
だけど、私はチョゴリを着ることも選んだ。
「おばあちゃん!成人祝いに一緒にチョゴリ着やん?」
電話した時、おばあちゃんは照れながらもすごく嬉しそうだった。
私自身はチョゴリを何度か着たことがあるが、祖母の韓服姿は見たことがなかった。
それもあって一緒に撮りたいなと思った。
レンタルと撮影をお願いしたのは鶴橋にある安田商店さん。
昔からずーっとあるお店で、おばあちゃんはお店の方と顔馴染みだそうだ。
「こんにちは〜!」
と優しそうなお姉さんが2人、私たちを迎えてくれた。
このお店では、好きなチョゴリをレンタルしてメイクやヘアメイクもしてもらって写真を撮ってもらうことができる。
チョゴリの種類がすごく多くて悩んだけど、振袖と同じ色、私の好きなピンク色を選んだ。
おばあちゃんは紫のチョゴリを選んでいた。
メイクや着付けをしてもらっている間、お店のお姉さん(3代目らしい)と在日韓国人あるあるで盛り上がっていた。
ポッサムはチョジャン派か塩派かとか、あそこのお店のアレが美味しいんだとか。
チェサはもうあんまりしなくなってしまったとか、コリアタウンもすっかり変わったとか。
あそこに馴染みがあるからこそ共有できる話が出来て嬉しかった。
メイクも着付けも終わり、いよいよ撮影が始まった。
チョゴリを着ている祖母は本当に綺麗だった。
すっごく似合っていて感動してしまった。
それぞれの個人写真と、祖母と私と妹の集合写真を撮ってもらった。
普段はおちゃらけた感じなのにカメラを向けられた時、意外といい顔をするおばあちゃん。
また新しい一面を知れた気がした。
楽しく撮影は終わった。
2週間後くらいにアルバムをお送りしますとのことだったので、ワクワクしながら待っていた。
先日家に届き、さっそく中を見てみるとなかなかいい写真が撮れていた。
↑真ん中が祖母。みんな笑顔でいい写真。
おばあちゃんはこれまで子供の頃や結婚した時にチョゴリを着たことがあったのだろうか。
私にはわからないけれど、とにかく終始祖母は楽しそうだった。
長時間の撮影でしんどかっただろうに、ずっと笑顔だった。
やっぱりチョゴリを着れたこと、しかも孫と一緒に着れたことが嬉しかったんだと思う。
そんな祖母を見て、私も嬉しかった。
国籍選択の時も迫っているけれど、私はこれからも自分なりに韓国の文化を継承していけたらいいなと思っている。
また、おばあちゃんとも沢山の思い出をこれからも作っていきたいなと思う。
今回の提案は、我ながら良い提案をしたなと思った。
おばあちゃんと済州島に行きたい!