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「自分が楽しいだけの譜面を作るわけにはいかない」 | カカリアスタジオ スタッフアドベントカレンダー2021 - Day.6

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ スタッフアドベントカレンダー2021」の6日目の記事です。

今回のアドベントカレンダーでは、Happy Elements カカリアスタジオのスタッフに『カカリアスタジオの仕事』をテーマにインタビューを行っています。様々な職種のスタッフが、どんな仕事を担当したのか、普段どのような考え方でモノづくりをしているのかをご紹介します。

2021年のアドベントカレンダーの6日目は『あんさんぶるスターズ!! Music』の、ゲームデザイナー・譜面制作担当 A.Tさんにお話をうかがいました!

【略歴紹介】A.T/ゲームデザイナー。2019年に入社、『あんさんぶるスターズ!! Music』にてリズムゲームの譜面デザインを担当。2021年12月現在、ゲーム内に実装されている楽曲のゲーム譜面のほとんどを1人で制作している。

「リズムゲームの譜面制作に興味はありませんか?」

ー A.Tさんは「ウキウキ♪あんスタ情報局」などでもご登場されているため、ユーザーの皆さんにも「あんスタの譜面担当」としてご存知の方も多いかもしれません。あらためて自己紹介や入社の経緯をご紹介いただけますか?

よろしくおねがいします。

あらためて入社の経緯をお話しますと、入社のきっかけは 突然SNSのダイレクトメッセージが来たことでして……。「リズムゲームの譜面制作に興味はありませんか?」 と(笑)

実は、現在『あんさんぶるスターズ!!(以下・あんスタ!!)』チームでプログラマーをされている方と10年ぐらい前から知り合いだったんです。もともと私のことを「リズムゲームのランカー」だとご存知で、「こういうゲームを開発中なんですが、一緒に作りませんか?」という感じでお声がけいただいたのがきっかけですね。

それ以前はゲームと全然関係ない職場で普通に働いていましたが、連絡をいただいて「そういうことなら」と入社を決めました。Happy Elements株式会社自体も『メルクストーリア』や『キャットバスターズ』などでも知っていました。


ー あらためて聞いても驚きですね(笑) そういった経緯で入社されて、それでいきなり「譜面を作ってください」となったわけですか?

私が入社した時点ではプログラマーの方がサンプルで作られた譜面があったんですが、その譜面に対して意見を出したり調整したり……という感じでしたね。

▼A.Tさんは「ウキウキ♪あんスタ情報局」にも出演されています。

ー ちなみに、最初にA.Tさんが作られた譜面って何だったか覚えていますか?

最初の頃はいくつかを並行して作っていたんですが、一番最初に完成したのは「ONLY YOUR STARS!」ですね。譜面制作の流れとしては、曲のイメージや歌詞に合わせて私の方でコンセプトを考えて、他の方にレビューしていただきながら作っているという感じでした。

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『譜面』とは
リズムゲームを遊ぶ際に画面に表示される『ノーツ』(アイコン)の順序やタイミングを曲に合わせて配置/設定したもの。一般的に、難易度が高くなるほど複雑になっていく。


ー 『あんスタ!!Music』の体験版にも収録されていた楽曲ですね。実際に体験版が出た時のことなど覚えていますか?

ユーザーさんに遊んでいただく最初の譜面だったので、一番緊張しました(笑)
実際に遊んでいただいた方からは「簡単すぎず、難しすぎず」と、比較的良い反応をいただけていたと思っています。初めて制作者としての実感を得ましたね。


ー 音ゲーマーとしての感覚がハマった感じですね。それで言うと『音ゲーマーとしての感覚』と『作る側の感覚』で違いなどはありますか?

自分がゲームを遊ぶ側のときは出てきた曲を楽しむだけで良いんですが、作る側になるとレベルのバランスなども気にしないといけません。
自分の好みの譜面だけを作るわけにはいかなくて、 自分の好きなものに偏らないように、苦手な譜面でも楽しく遊べるようにと意識して作っています。

また、作る上では簡単な譜面を作るのも難しかったりします。 ノーツ数が少ないので、どこの音を拾ったら一番気持ちよくなるのかな?と考えたり。

『EXPERT』(最高難易度譜面)を作るよりも『HARD』(それより1段階下の譜面)を作るほうが難しかったりもしますね。「ちょっとだけ落とす」というのが難しくて、1箇所変えると他の難易度も変えないと……となったり。そのあたりは社内のレビュワーの方に意見をもらいながら頑張って調整しています。

ユニットごとに「らしさ」のある譜面を

ー ちなみに、最近作られた譜面の中で印象に残っていたり、こだわっているものはありますか?

今年でいうと、6周年記念曲の 『FUSIONIC STARS!!』 ですね。
センターに設定したアイドルによって途中の譜面が変わる というのを、全ユニット分のパターンを作らないといけなくて……
あれは先に共通部分の譜面を作ってから、ユニットごとのアレンジ部分を作ったんですが、スケジュールがタイトだったのもあって苦労しました(笑)

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ー アレンジどころか、ユニットごとにしっかり違う譜面ですよね(笑) しかもそれを各難易度分作る必要があると。

そうなんです、4難易度(Easy/Normal/Hard/Expert)× ユニット数分を。同じ難易度でユニットごとに難しさの差が出ないように調整をして……ギリギリまで社内でもレビューしていただいていました。

『あんスタ!!』の譜面はユニットごとに方向性をもたせて作っているんですが、『FUSIONIC STARS!!』でもそこは意識しています。
例えば、アレンジの部分で同じユニットの別の曲をイメージする箇所を入れたりなどですね。『Crazy:B』だったら、『Crazy Roulette』の譜面っぽい部分をいれて「らしさ」を出したり……。


ー たしかに、Crazy:Bの曲などはとても「らしさ」が出ていますよね(笑) ちなみに、今でもお一人で譜面を作られているのでしょうか?

そうですね。他の方が作った曲も何曲かはありますが、基本的にはほぼすべての曲を私の方で作っています。チームには他にも音ゲーマーの方がいるので、その方たちを中心にレビューをもらいながらという感じです。


ー 他にも何か譜面制作でこだわっている部分はありますか?

『ウキウキ♪あんスタ情報局』でもお話させていただいたんですが、10月に公開された 『Crossing×Heart』 ではノーツの数にこだっていて、100曲目のMVだったので合計ノーツ数を100の倍数にしています。


ー ノーツ数は他の曲でも意味深な数字のことがありますよね。やはり作る時に意識されてるんですか?

最近はあまり入れていなかったですが、過去のものですと「語呂合わせ」にしているものもありますし、『2wink』の曲などはノーツ数が『2のn乗』(128,256など)になるように設定してるものもあります。 あまり気づかれてはいないですが(笑)

2winkのノーツ数
『歓迎トゥウィンク雑技団』難易度Easy:128
『TRICK with TREAT!!(with UNDEAD)』難易度Normal:256
『Fighting Dreamer』難易度Normal:256

「自分が「楽しい」と思える譜面を作ろうと思ってます」

ー 音ゲーマーの方の中には「自分も譜面を作る仕事をしたい」と考えている方もいらっしゃると思います。作り手として「譜面制作にはこういう方が向いている」と思うポイントはありますか?

自分が作るときは『自分で遊んで「楽しい」と思えるもの』を作ろうと思ってます。自分が楽しめないものは他の方も楽しめないと思いますので。
そういう意味では自分が「楽しい」と思える譜面がたくさんある人が向いている のかなと思います。


ー ちなみに、作る側に回ってから普段音ゲーを遊ぶ時の心境に変化はありましたか?

ありますね!
遊びながら「この配置参考になるな」という目で見るようになったり「この配置気持ちいいな」と思ったりするようになりました(笑)

また、『あんスタ!!』にはないのですが、他のタイトルだと「スクラッチ(円盤を回す)」みたいな特殊な操作をするものもあって、遊びながら「これをあんスタの譜面に取り入れるにはどうしたらいいか」など考えて遊んでます。そういう意味では、色んな音ゲーを遊んでいて「俺はもっと面白い譜面を作れる!」という気概を持っている人は、この仕事に向いているかもしれません。

ー 『リズムゲームの譜面を作る』という仕事は、応募する側からすると何の資料や書類を送れば良いのか分かりづらい印象がありますが、そのあたりはいかがですか?

応募書類には今まで触れていただいたリズムゲームをたくさん書いていただけると良いと思います。

それと技術力の証明として、自信のある音ゲーのリザルト画面の画像を送っていただくことになっています。
それも1つではなく複数あると良いですよね、「この音ゲーだとこれくらいのレベルをクリアできます」みたいな感じで。


ー 最後に、譜面制作に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。

自分のやりたいことがかなりできているので、今はすごく楽しいです。
譜面を作りたい方はぜひご応募いただければと思います。


(ー A.Tさんありがとうございました!)

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