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メルストのユニットイラストの制作工程

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ デザイナーアドベントカレンダー2020」の13日目の記事です

■はじめに

こんにちは。メルクストーリアチームでイラストレーターをしています はて山 です。
主にユニットやスチルなどのイラスト制作を担当させて頂いています。

この記事では普段のユニットイラスト制作工程についてをまとめさせて頂きました!
使用ソフトはクリップスタジオになります。

※このまとめでは
下の画像のの左のようなイラストを【ユニットイラスト】
右のようなイラストを【キャラクター】と呼ばせて頂いています。

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■キャラクターデザイン

担当するユニットイラストが決まったらキャラクターデザインをしていきます。イベントユニットイラストの場合はシナリオライターさん(以下ライターさん)から頂いた設定やイメージビジュアルを元にデザイン、ダイヤフェスなどで登場するユニットイラストの場合はある程度自分で設定を考えてデザインをしています。

▼イベントユニット
いくつかデザイン案を制作して、その中からライターさんのイメージに近いものを選んで頂きそこからさらに詰めて行く…という制作スタイルなことが多いです。

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髪型や衣装のバリエーションをいくつか提出します。ライターさんから意見を頂いてポーズを変更することもあります。


▼フェスユニット
描きたいユニットの設定ができたらキャラクターと武器のデザインをしていきます。ユニットイラストを描いているうちに配色やデザインを変えたほうがいいな〜となることもよくあり、様子を見ながらデザインを調整しています。

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イベントユニットにも当てはまることですがキャラクターの装飾がちゃんとレアリティにあった豪華さにできているかということを意識してデザインをするようにしています。
(☆5だけど設定などによりデザインがシンプルになる…という場合は、構図や背景モチーフを盛ることでバランスをとることもあります)


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↓今回はこちらのスケアヘッドのユニットイラスト制作工程をまとめました。

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イベントユニットになるのでライターさんから頂いた設定を元にキャラクターデザインをしていきます。

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設定
・性格:冷静 趣味:金借、浪費 職業:記者
・いつもニヤニヤと人を小馬鹿にしたような笑顔を浮かべ、言動も皮肉屋
・行動原理はお金
・自分がいかに儲けることができるかを常に算段しており、儲けられない仕事には一切乗らない

初期稿ではコートを肩に掛けたり髪にメッシュを入れたりと、もっと派手でチャラいデザインにしていましたがライターさんとの擦り合わせで決定稿のしっかりとした正装風に調整することになりました。


■構図ラフ

キャラクターのデザインが決定したのでユニットイラストの構図ラフに取り掛かります。

画面全体のライティングや雰囲気、シチュエーションから考えることもありますが、大体はキャラクターのポーズ重視で考えています。

そのキャラらしいか、かわいい、かっこいいポーズにできているか、画面を全体で見て流れや配置が収まりよいものになっているか、など…。(と言いつつ、ポーズを考えている時点で背景などのシチュエーションも平行で考えていることが多いです。)

▼構図ラフ

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スケアヘッドは 『仕事のためにバーに向かっているところ。裏路地を怪しい雰囲気で歩いている。』というシチュエーションから考え、それに合わせてキャラクターのポーズを決めました。

余裕のあるところや見下すような表情で描きたかったので煽りの構図にしています。 この後角度を調整したり背景やエフェクトを書き込んで構図ラフの完成です!

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▼他構図ラフいろいろ

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アシュレイは 「屋外、椅子に座り星空を見上げている」というシチュエーションから、リトニエルはキャラクターのポーズや装飾の流れから構図を組み立てました。

装飾が多く(大きく)キャラクター自身で画面がほぼ埋まる場合は、キャラクターの配置から考えそれに合わせてシチュエーションを考えたり背景モチーフを描く、というのが個人的にやりやすいです。

大体、2日程掛けて構図ラフを制作します!


■線画

ラフから線画を制作します。
遠近感やメリハリ感が出るようにインク溜りや強弱を付けて線を引きます。
私は基本的にクリスタのGペン(初期設定)を使って線画を描いています。
線画を描くのが好きなのでごちゃごちゃと小物を描くことが多いです。

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遠景の空や建物などは塗りの時に描き込むので線画では省略することもあります。☆5ユニットイラストの場合、線画は2日〜2.5日程度掛けて制作します。キャラクターデザインや背景モチーフの量によっては掛かる日数が増えたり減ったりします。


■塗り

全体の塗り分けができたらまずは背景から塗っていきます。背景のライティングや雰囲気に合わせてキャラクターを塗るのが個人的にやりやすいのでこの順番で塗っています。

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おおまかに背景を塗りました。スケアヘッドが闇属性なので全体的に紫系でまとめています。雰囲気を出したかったので逆光にしましたが、全体的に暗くなるとメリハリがなくなるかなと思って画面左側に光源がある想定で足元に光を当てています。

▼背景塗りでよく使うペン

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背景を塗るときにはよく【油彩平筆(水彩境界線つき】を使っています。いろんな材質の表現に使うことができるので主にこのペンを使って塗ることが多いです。

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木目や砂の表現に使ったり

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植物の影や岩肌、水面の表現などでも使います。

▼その他のペン

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墨の【濃い滲み】ペンは雪や波の描写表現でよく使っています。
紙などザラザラした質感の物を塗るときにも使用します。

メルストはベースはアニメ塗りですが、レアリティが上がるほどに塗り込みが増え厚塗りっぽくなります。


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背景に合わせてキャラクターの塗りもひとまずできました!手前にあるものやキャラクターの顔まわり(髪や肌)などの見せたいところは塗り込んで情報量を増やしています。
キャラクターの塗りでも上記の油彩平筆を使用していますが、基本的にはGペンや不透明度を下げたペンで塗り込んでいます。


■加工

ベースを大まかに塗ったらあとはひたすら加工と加筆をしていきます。

▼加工1 線画加工
まずはキャラの線画に色を付けます。

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光が強く当たる部分や顔まわりなどを主に加工します。
情報量を増やしたり、背景とキャラクターをなじませることができます。

▼加工2 グロー効果とキャラの色味調整

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キャラクターの線画と塗りの統合データをガウスぼかし40~60くらいの数値でぼかします。不透明度を9くらいに下げ、キャラクターの塗りデータにクリッピング、キャラの見せたいところ、明るいところに暖色系、暗いところや遠いところに寒色系の色をオーバーレイでのせています。

グロー効果でキャラがふんわり柔らかい感じになり、オーバーレイ加工では顔まわりを明るく、可愛くできるので女の子キャラでよく使っています。

▼加工3 全体の色味調整
背景を含めてオーバーレイ加工と色味の調整をしていきます。
足元と顔をもっと明るくしたかったので暖色系の色をさらにオーバーレイでのせました。

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最後にカラーバランスレイヤーを制作して全体の色味を調整します。今回は紫系でまとめたイラストだったので、さらに紫寄りになるように色味を調整しました。

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塗りは4日ほど掛けて制作します。


■完成

コインなど光っているものに加算レイヤーをのせたり、パーティクルなどを追加して完成になります。

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画面左が加工前で右が加工後になります。色味が増えて豪華さが出せたかなと思います…!


■最後に

ざっくりとしたまとめになってしまいましたが普段はこのような感じでイラストを制作しています。あまり制作物について話をする機会がないので、こういう場を頂けてとても嬉しく思います。
少しでも楽しんで頂けたなら幸いです!

長くなりましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました!

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