見出し画像

秋霖や日本列島雨の川

 秋霖(しゅうりん)の「霖」は、林の上に雨がかぶさっている状態です。8月11日から秋黴雨(あきついり)になり、梅雨のように雨が降り続きました。例年この時期には、太平洋高気圧が日本列島をおおうので晴天をもたらします。しかし今年は、南にとどまったままです。北のオホーツク海高気圧との間に前線が発生し停滞したため、梅雨のような長雨になりました。

 しかも真夏の暑さで海水が温まり、大量の蒸気が前線にそって流れ込んで大気の川を作りました。これを気象庁は最近「線状降水帯」と呼んでいます。非常に激しい雨が同じ場所で降り続くことです。土砂災害や河川の氾濫がおこりました。

 九州を中心に、大雨の警戒レベル5・緊急安全確保が出されました。アナウンサーが呼びかけます。「命の危険があります。ただちに身の安全を確保する行動をとってください」。3年前の西日本豪雨とよく似た状態になりました。

 あす26日以降は太平洋高気圧が張り出しを強めると、気象庁が発表しました。お盆のころから続いていた長雨から一転、真夏のような強い日ざしと猛烈な暑さが戻りそうです。

 この異常気象は、地球温暖化の影響もあるのでしょう。どうしたら自分の身を守れるのか。初めて、ハザードマップを見てみました。これは、洪水・土砂災害と、地震の危険度を表しているものです。住んでいる地区は、あまり問題がなさそうです。

 でも、何が起こるかわかりません。どうしたいいのだろう。ふと、ボーイスカウトをしていたときに教えてもらった言葉を思いだしました。「そなえよつねに 〈Be Prepared〉」。これで生きていけばいいのだ。15歳のころ習ったことが、60年たって役に立つとは。何事も、経験は大切だと思ったことです。

 写真は、30年以上前に信楽からきた狸です。雨にも負けず、
風にも負けず、庭で見守ってくれています。もう、守護神、
いや守護狸のようなものです。

あなたが幸せでありますように 
琵琶湖のほとりの草庵にて
#エッセー #物語 #秋霖 #線状降水帯 #ハザードマップ
#ボーイスカウト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?