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プログラミングの前にコンピュータの仕組みを(4)-トランジスタと表-

えーと前回はこちら。

今回から少し長めになります。
前回の記事で説明した絵はこちら。

トランジスタその1

「だれかがつくったまほうのはこ」を切り出すと下の絵のようになりますね。

トランジスタその2

これってよく見たら「でんきスイッチ」も電気の入り口ですよね。
だからこれは入り口がふたつに出口がひとつの黒い箱です。
でも、「いりぐち」から電気が入って来ないと、「でんきスイッチ」がONであろうとOFFであろうと、とにかく電気は出ていきません。
つまり、

「いりぐち」に電気が来ている時
  → 「スイッチ」がONなら「でぐち」から電気が出る
  → 「スイッチ」がOFFなら「でぐち」から電気が出ない
「いりぐち」に電気が来ていない時
  → 「スイッチ」のON/OFFに関わらず「でぐち」から電気は出ない

文字で書くと分かりにくいですね。表にまとめてみます。
つまりこういうことですね。

$$
\begin{array}{|c:c|c|}\hline
いりぐち&スイッチ&でぐち \\ \hline\hline 
電気来ない&電気来ない&電気出ない \\
電気来ない&電気来る&電気出ない \\
電気来る&電気来ない&電気出ない \\
電気来る&電気来る&電気出る \\
\hline\end{array}
$$

まだ分かりにくいですね・・・。
入り口方面の「電気が来る」場合と、出口から「電気が出る」場合は〇、
「電気が来ない」、「電気が出ない」場合は × で書きなおしてみます。

$$
\begin{array}{|c:c|c|}\hline
いりぐち&スイッチ&でぐち \\ \hline\hline 
×&×&× \\
×&〇&× \\
〇&×&× \\
〇&〇&〇 \\
\hline\end{array}
$$

ずいぶんすっきりしました。
これが上の方に描いた「だれかがつくったまほうのはこ」いわゆるトランジスタの機能です。トランジスタの2本の入り口にこんな風なパターンで電気を入れると、こんな風に電気が出たり出なかったりするということです。

いりぐちとでんきスイッチを左側に、でぐちを右側に描きなおせばこうなります。あー、それぞれの電線に番号をつけておきましょうか。

トランジスタその3

スイッチだって電気が入ってくるところなんだから、もういっそのこと、
"いりぐちその2" ってことでいいですよね。こいつは2つの電気の入り口と1つの出口を持つ箱です。

$$
\begin{array}{|c:c|c|}\hline
入り口1&入り口2&出口 \\ \hline\hline 
×&×&× \\
×&〇&× \\
〇&×&× \\
〇&〇&〇 \\
\hline\end{array}
$$

やがてこの2つの入り口と1つの出口を持つトランジスタを組み合わせれば、上記のような「電気が来る?来ない?」の表のパターンを自由に決めることができるようになったんです。
たとえばこんな「黒い箱」だって作れちゃうようになりました。

$$
\begin{array}{|c:c|c|}\hline
入り口1&入り口2&出口 \\ \hline\hline 
×&×&× \\
×&〇&〇 \\
〇&×&〇 \\
〇&〇&〇 \\
\hline\end{array}
$$

とかね。
ちょっとズルすればこんなのだって。

$$
\begin{array}{|c:c|c|}\hline
入り口1&入り口2&出口 \\ \hline\hline 
×&×&〇 \\
×&〇&× \\
〇&×&× \\
〇&〇&× \\
\hline\end{array}
$$

両方の入り口に電気が来ていないのに、どうやって出口から出すの?
どこから電気を持ってくるの?って思うじゃないですか。
実はもう1本余分に入り口を増やしておいて、そいつは表に載せなきゃいいんです。
その線はもうずーっと電気を通電しておく。
あとは供給され続ける電気を、黒い箱の中のスイッチで煮るなり焼くなり好きにして、出ていくパターンを決めればいいんです。
そういうことができるようになったんです。
なんだか便利になってまいりました! つづく。

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