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時が止まった庭で

長いことぼんやりと椅子に腰かけて花壇を眺めていたようだ。

どうやってここに来たのか、ここがどこなのかよくわからない。

昼寝から半分目覚めたような感覚だ。さっきからだれも来ないし、人の気配もない。

一体ここはどこだろう。

白い蝶がたくさん舞飛び、赤や黄色の花が咲き乱れている。
ああ、きれいだなあ。

時間が止まっているのか、変な時空に迷い込んだのか。

柔らかな日差しとそよ風の中、あまりの気持ちよさに、またうとうとし始める。

どうでもいいか。

そういえば、この感覚。
前にも感じたことがある。以前にもここへ来たような。

世界のどこでもない場所、時が止まった庭。

絵 マシュー・カサイ「花咲く庭」(一部)油彩F4

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