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夏空を飛ぶ

今日も眩しいくらいの暑い夏日。

湿度が高く、汗が噴き出る。もうベタベタだ。

蝉の割れるような鳴き声に頭痛がしそうだ。

久しぶりに飛ぶか。

周りに人がいないのを確認して、身の回りに陽炎を立たせる。

見られたくないからな。

ポーンと地面をけって、青空高く飛び上がる。

轟轟と風を切り上昇する顔には、眩しい太陽光もちょうどいい刺激。

地表近くの暑苦しい空気と違って高い空の上は涼しい。

時々風がゴウッというほどの勢いで吹いてくる。そのたびにクルクルと吹き飛ばされ上下左右が入れ替わる。

あまりの気持ちよさにアハハッと笑い声まで出る。

雲の上まで出ると、周りは青の世界。

眼下にはいくつかの雄大な入道雲がどっかりと浮かんでいる。

体感温度が下がったので、日光の下でも気持ちがいい。汗はすっかり引いてしまった。

ここは無音の世界。

座禅を組んで浮かんでいると、かすかに遠雷の響き。

遠くから雨雲が近づいてきた。

ここから見ると熱した地表にシャワーを浴びせてるようで面白い。

雨雲の向こうにゆっくりと虹が現れた。

不穏な感じの雨雲と、悠々と浮かぶ白い入道雲、それに淡い虹。

上からボーっと眺めていると光に輝くパノラマ風景の美しさに涙が出た。

夏空を飛ぶ。最高のリフレッシュ。


絵 マシュー・カサイ「夏空を飛ぶ」 水彩・ペン



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