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図書館にて思う。

 この頃週一回程度ですが、少し離れた図書館(近隣の図書館より蔵書、設備が充実)に片道小一時間ほどかけてウォーキングがてら通っています。
 私の興味あるジャンルの本も充実しており重宝しておりますが、そこで思うことが二点あります。
 一つは著作権というか著作者報酬(印税)のことなのですが、利用者の立場で言うと図書館は無償で本が読めるので有難いのですが、一冊の本を皆んなで読むと著作者には図書館が購入した一冊分の印税しか払われません。
 小説にしろ、学術文献にしろ、ドキュメンタリーにしろ、その著作に関わる時間や労力は大変なものがあるでしょうし、書かれている方たちの生活もあるでしょう。
 またそれ以上にその著作が社会のさまざまなことを私たちに伝えてくれて、社会認知を助けてくれる意義は計り知れないと思います。
 そう思うとその活動の担い手への報酬が確保されることは、著作者だけでなく受け手の私たちにとっても重要であることが分かります。
 実は私自身はこのような認識を元々あまり持っていなかったのですが、きっかけは図書館でなく息子の発言にありました。
 息子は子どもの頃不登校の時期があったのですが、一人で家にいる長い時間に、本だけでなく、漫画、アニメ、映画やゲーム、音楽で楽しみながら、さまざまな情報を知り、また学んでいました。その経験から著作者、クリエイター、アーティストの方に敬意を持ち、また文化を継続、発展するためになるべく図書館や古本屋、リサイクルショップではなく出来る限り書店で購入し、作者に報酬が発生するよう意識しているとのことです。
※必要に応じて図書館等も利用しています。
※書店でアルバイトして、お客さんに相談されて本を薦めることも楽しかったとのことです。
 本が売れなくなり書店が減少したり、新聞や雑誌も縮少、廃刊が目立つ現状は社会の豊かさや公正さの実現にとってダメージになってくると危惧しますので、図書館も利用しながら、新刊や新聞、雑誌も興味のあるものはなるべく購入していきたいと思っています。
※批判もありますが、私は新聞、雑誌は社会の公正さに貢献しており、不可欠な存在であると認識しています。
 もう一つは図書館の職員の方についてです。
図書館の司書というと、本好きは一度はやってみたいと思う憧れの職業だと思うのですが、現状、所謂行政改革の進行によって、自治体の任期雇用職員が全体の約4割と言われる中、司書は更に任期雇用率が高いとのことです。(コストカットの対象になりやすい。)
 昨今賃上げが叫ばれる中、民間大企業に比べて置き去りにされがちな任期雇用公務員の賃上げもさすがに少しずつ進んでいるようですが、まだまだ低水準にありますので、貴重な教養インフラを支える職員の方の待遇改善も期待したいと思います。

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