アンニュイな夜 雨音はショパンの調べ
アンニュイ…フランス語のennuiに由来
アンニュイという言葉が流行った時代があった。
退屈そうな、気だるそうな、物憂げな、独特な雰囲気を醸し出す人(ポジティブな意味合いでとらえる)神秘的な感じにもみえる。
独特なオーラの持ち主で、小林麻美さんという芸能人がいた。モデル、女優、歌手。
(1953年生まれ、結婚後引退)
細面な顔と、長いまつ毛、華奢な身体。
美しい髪をかきあげる仕草はミステリアスで
アンニュイという言葉が似合う女性だった。
小林麻美さんの歌で、「雨音はショパンの調べ」
という曲がある。
原曲はイタリアのガゼボ氏の曲だが、日本版は
松任谷由実さん作詞、贅沢なイントロと間奏で
静かで豪華な曲だった。 雨音のような歌声…
Rainy days 断ち切れず
「雨音はショパンの調べ」を聴くと思い出す。
悩みは、どんな年齢でも尽きぬことはない。
学生だった私も、これからの事、恋愛の事、友達の事、色々あった。
今思えば些細なこと。
その「時」は、大きく心を占めて…
自分の傷ついた心が雨に流されればいい
むき出しの心を流してほしいと願った。
雨は強く痛い「時」もあれば、優しくしみこむ「時」もあった。
喫茶店の屋根、傘、木々に雨があたれば、音に変わり、私だけにしか伝わらないメロディーとなる
ショパンの雨音、ロックな雨音、ゴスペルな雨音
雨には香りもある。
雨にあたるとその冷たさと優しさで、少しだけ
「時」を忘れさせてくれた。
若い時代のことは、不思議と雨音と悩みがリンクされて思い出す。
どれもこれも、ときに激しく、優しく包みこんでくれる雨が私を支えてくれた。
今でも、小雨は好き。
物憂げな感じと、草木の香りが鬱蒼と立ち込める
「時」はゆっくり流れる。
※余談🌱
ちなみに小林麻美さんは、70歳目前にカムバックされている。
とある雑誌に「秘すれば花」と言う言葉を書かれていた。
何事にも隠と陽がある。つまり光と影がある。
人として正直であることは必要だけれども。
隠された部分、秘めた中にこそ大切なものがある
そんなミステリアスな部分が魅力に繋がると。
奥深い…そんな文章書いてみたいですね。
アンニュイな夜でした。