ほっと一筆「時々思い出す実父のこと」

2023.6.14


実家に戻ったり、昔の話をしたり、節々で実の父親のことを思い出すことがある。

今でもたまに夢に出てくる。


最後に会ったのは結婚前、もう5年近くになる。

弟の結婚式のための写真(幼少期のもの)を求めて、実父の勤め先までふたりで行ったのだけど、もうまるで他人のような振る舞いであしらわれた。


会った瞬間に、いろんなものが込み上げて泣いてしまったけれど、本当は少し、期待もしていた。

これがきっかけで、もしかしたら、実父と少しでも距離をつめられるんじゃないか。
今までどおりとはいかなくてもパートナー(父の今の恋人)に内緒で、夫や子どもを会わせられるんじゃないか。


そんなことを、うっすら期待していたのだ。



でも、会った瞬間に、そんなそこはかとない希望は消えた。

実父の中にわたしや弟に対する気持ちはなく、むしろ母も含めて憎しみの対象でしかないような扱いだった。


もう家族でも何でもないんだなぁと、本当に、これまでなんだなぁと悲しかった。



父のことを地元にいると思い出すことが普段よりも多くなるのだけど、とはいえもう連絡を取ることができない。(というか連絡したいとは思えない)


夫さんは、どっかで元気にしてたらそれでまあ良いじゃんと言うので、そんなもんなのかしらと思うようにもしている。



生活の節々で思い出すくらいで、ちょうどよいのかもしれない。




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