ほっと一筆「父とTRICK」

2023.6.25


サブスクでトリックが配信されるとのことで、あまりにも懐かしくてもう何度観たか知らない1話目を、ワクワクしながら観た。


当時、小学生のときにリアルタイムでは観られなかった。
おそらくシーズン3くらいのタイミングで初めて視聴した。
鬼束ちひろの歌は知っていたものの、なんとなく、ごくせんとは違う仲間由紀恵の美人すぎて逆に怖いイメージがあったのと、(小学生だから当然なんだけど)周りに見ている人がいなかったせいでなかなかきっかけがなかった。


沖縄の友だちと文通をしていて、その子がトリックについて言及していて、ドラマが面白いというのを初めて知ったのだけど、何の後押しで円盤を借りることになったのかは覚えていない。笑


ただ、弟と父でどハマりして一気見。
大爆笑しながら何度も鑑賞したことは覚えている。


大人向けだったのもあるんだろうな。
父は気に入った作品を何度も観るのだけど、トリックもまさにそのひとつになった。


笑えるシーンやセリフを覚えるほどに。


父は特に、阿部寛さん演じる上田教授のセリフがお気に入りで、すきなシーンのある話を本当に、もう何度も借りてきては見ていた。笑



だからトリックを見ると、必ず父との思い出がセットだ。
見れば必ず思い出す。
思い出す父との記憶は嫌なものではない。
記憶の父は優しいし、まだわたしたちにとってちゃんと父だった。



トリックは作品として大好きだ。
トリックを大好きだった頃の父のことも、すきだ。


もう一緒に見て懐かしんだり笑ったりできないことが悲しい。


父はトリックをなんらかのサブスクで観ているだろうか。

そしてわたしを思い出してくれているだろうか。


思い出してくれていなくてもいい。
どこかで元気に上田のセリフに大笑いしてくれていたら、それで。

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