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どんなイベントに参加したい?

はじめに

私は人混みが苦手だ。都会の交差点も満員のエスカレーターもパーソナルスペースを侵されるので大嫌い。とはいえ、イベントに参加するのも企画運営するのも好きで、気になるイベントがあれば旅行がてら参加したりする。
そんな私が、久しぶりに参加してとても「心地よい」と感じたイベントについてお話します。



心地の良い空間との出会い


日本での屋外イベントに参加する旅に思い出すことがある。カナダに滞在していたころに偶然通りがかったイベントでの光景だ。
夕暮れ時、薄紫色と淡いピンクが混ざった空の下で芝生の広場にシートを敷いて、ワインやおつまみを食べながらステージから流れる音楽を聴く人達。喋ったり音楽に身を任せたり食事したりと皆それぞれにその空間を楽しんでいる。
イベントなのにみんな家で寛いでいるみたいにリラックスして屋外で過ごしている様子は、とても心地よく快適そうだった。私も芝生に腰を下ろしその空間を楽しんだ。

田舎とイベントのベストマッチ


兵庫県の北部、但馬地方に位置する自然豊かな養父市。兵庫県で最高峰の標高1,510m氷ノ山もある。市役所のある八鹿町に今は営業していない山陰美人の酒蔵がある。この建物を会場に毎年秋にイベントが開催されている。
主催は川向にお店を構える居酒屋「TANIGAKI」。産地と食材にこだわった美味しいランチやお酒とおつまみを頂ける。店内も台湾の屋台の様な賑やかな装飾でついついお酒がすすむ。
彼らが毎年手掛けているのが「TANIGAKI FES」。全国の選りすぐりのお店がこの日のために養父市に集まり、山陰美人の酒蔵でフードやアルコールや雑貨が楽しめる。

山陰美人の蔵

初めて参加した私は、カナダの芝生の上で感じたあの心地よさを久々に感じた。
美味しい食事とリズミカルな音楽に賑やかな蔵の中。鉄格子の隙間から差し込む光の筋や黄色い電球の列、太い木の梁、崩れた土壁、座り心地の良い椅子。
外に出れば紅葉し始めた山や豊かに流れる川と、それら自然の香りがのっかった空気が美味しい。

特に良かったのは、程よい動員客数だったことだと思う。

心地よいと感じる人口密度


日常生活において不快に感じない人口密度は、部屋の面積に対して5割までだと思う(おしゃれなカフェをイメージしてみて欲しい。席の間隔が広いよね)。
でもイベント時は会場の空間に対して6割以上の人口密度がないと賑やかさがでない。
でも9割以上だとどうだろう?身動きが取れないほどの人口密度ではいつ何が起こるか分からないので不安だし臨戦態勢でいなくてはと思う。
例えば、満員電車で見ず知らずの人と密着して長時間電車に揺られ、到着を今か今かと待ちわびる。足を踏まれたり下車できなかったりしてイライラしたり傲慢になってしまう要素が盛りだくさんだ。皆この不快な状況から脱したいと我慢している。

大規模すぎるイベントでよく体験するのがこの状況(素晴らしい運営力で快適なものももちろんある)。我慢できずイライラして順番を抜かす人や、ポイ捨てをしたり、導線上に所かまわず座って食事を拡げていたりと、もはや無法地帯。
早くいい席を確保しなくっちゃ!売り切れる前に買いたい!少しでも多く欲しい!
周囲に人が多すぎると不安になって戦闘モードにならざるを得ない。我が我がと傲慢になる。百貨店のワゴンセールのように。

これは「競争倍率の高すぎる環境」が安売りワゴン状態を生み出している。誰だって損をしたくないからあの手この手を使おうとする。人間として至極当然の反応であり、その誘惑に負ける人も多い。

一方で、競争せずとも欲しいものが手に入る環境なら、長蛇の列に並ぶのも、ゆっくり座る席が空いてなくても、トイレが少し遠い場所にあったとしても、たいして気にならない。
なにも急ぐ必要がないのだから、ただその空間を楽しむことに集中できる。

その上で、美味しい料理と心地の良い音楽と自然があれば、自分らしく人間らしさを開放できるのだと思う。

人間らしくいれることが持続可能な生き方


今回はイベントにフォーカスしてみたけど、満員電車を例に出したように日常生活にも人口密度高すぎる問題が溢れている。
私は田舎に生まれて、さらに実家も広めだったので、とにかく狭くて余白のない空間が苦手だ。そしてやはり四季で変化する自然の景色がないと気が狂う。
地方移住や多拠点生活で田舎に住む人も増えた。ぜひとも人間らしい暮らしを楽しんでほしい。でも郷に入っては郷に従えというもので、地域の暮らしをしっかり学んだうえで、尊重しながらその地域の良さをもっと引き出す形で楽しむ方法を発見できれば最高だ。

働き方も同様。私は満員電車で人々の不満や私欲に跳ねだされやむなく下車し、満身創痍で一旦お休みしてしまったくちだが、やはり激安ワゴンの争奪戦を死ぬまで続けることなんてできない。
個人戦ではなく団体戦でサポートしあい、長期的に継続可能な働き方を模索しながら目標を目指す方法があるし、そんな環境作りを行っている会社や組織がどんどん増えてきている。
ありがとう!希望の光だ。

「いかに人間らしく自分らしくいれるか」を私の人生の最終到達地点にしたいと思っている。
住む場所や仕事内容、自身の性格、一緒に居る人や活動してることのすべてが、自分にとって快適であり窮屈に感じないこと。その為に大切なのは「感情」だ。どんな事で怒って悲しんで喜ぶのかで自分がどんな人間なのかを教えてくれる。それを尊重してあげることが自分らしくいること。

イベントにしても人間関係にしても「自分らしさ」を引き出してくれるものにはなかなか出会えない。出会ったからには大切にしたい。
今回そんなことを考えさせてくれた「TANIGAKI FES」だった。

たくさんの人にこの素晴らしいFESを知ってほしい
けど、あまりたくさんの人は来ないでほしい(笑)

TANIGAKI公式インスタ
https://instagram.com/tngk_tanigaki?igshid=bm80ejJteThwN2l0

この古い梁と土壁、最高🤟


おにぎりって美味しい😋

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