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マインドフルネスを企業に広めるために必要なこと

 マインドフルネスの良さを知った人が自分の所属する企業や団体の中に広めたい、よくそんな声を聞きます。私もその1人でした。そんな方にマインドフルネスを広める、3つの方法をお伝えします。まず、1つ目は、自身が変わること、そして、2つ目、組織が変わること、3つ目が、実践が日常とすることになります。少しでもマインドフルネスが企業や団体などに広まることを祈って、Noteに記します。

1.自身の変化

 まず、私自身の自分の変化についてお伝えしましょう。自分の2人の子供との体験についてお話しします。当時、2人にはそろばんを習わしていました。。まず、条件として、NHKのマインドフルネスのビデオ30分一緒に鑑賞しました。そして、実践前にテスト問題を実施後、一緒にメディテーショントレーニング(呼吸瞑想)を3分実施後、再度テストを行いました。2人いるので、n=2です。別な日にもう一回やって、平均値を取りました。結果は、得点が21%上がったり、回答時間が20%早くなったり、パフォーマンスがいずれも約20%上がったのでした。私も子どもの頃、そろばんをやっていたので、よく分かりますが、そろばんは集中力で結果が大きく結果が異なります。テストの最中の子供の様子でも分かりました。メディテーション前は、足ぶらぶらしてたり、姿勢がぐらついてたりしましたが、メディテーション後、足がしっかり止まっていたり、姿勢が真っ直ぐだったり、結果を見る前から集中しているのが分かりました。
 私自身の変化は、アウトプットの変化です。私自身の実践で、新しいことをやりたいというモチベーションが高まりました。当時、ディスプレイの開発をしていましたが、社内デザイナーからこんなことをやりたいと持ちかけられ、社内検討しましたが、普通にやると時間と費用がとてもたくさんかかることが分かりました。そこで、社内の別の部署との連携をして、外部メーカーを使って、3ヶ月で実物大のモックアップを作りました。その出来がとても良かったので、グッドデザイン賞へ応募したいという提案があり、私自身のリーダーシップが高まった結果です。その結果、4495件の中から、ベスト100が選ばれ、さらに、その中から特別賞「未来づくり」6件の一つとして選ばれました。当時、部品メーカーでしたので、完成品のイメージを展示することは少なかったので、最終顧客にもとても脚光を浴びました。

2.組織の変化

 自分への変化を感じて、すぐに組織の中に導入したいと考え、まず、当時開発にいたので、外部講師にお願いして開発向けにセミナー実施しました。次に、人事を説得して責任者と一般社員向けに別メニューの内容を実施しました。翌年は、コーチングやコミュニケーションの文脈で導入しました。並行して、トレーニングをまず週1回から始め、2017年1月からは毎日1回実施しました。そうしていくうちに、だんだんと一緒にトレーニングする仲間が増え、活動のシンボルとして、P-Pauseのロゴを作りました。コンセントから抜いてひと呼吸しよう、指でPauseボタンを押して、ひといき入れよう、という二つの意味を込めました。  
 当時所属する子会社の社内の組織の認知度の変化を調査しました。マインドフルネスを知っていますかという問いに対して、認知度が当初7%から2年後に74%になりました。ただ、実践するのは、その内約10%です。認知度を高め、社内で実施してもいいという雰囲気を作り、実施する人が安心して実施できる環境を整えました。社内で導入にあたり、衛生部会長になり、社員の体と心の健康のためという形で導入していきました。大事なのは、社内の専門家との連携、健康管理室の産業医さんと保健師さんです。お二人ともマインドフルネスを熟知されており、トレーニングのガイドもよく学ばれていました。医療業界では、文献もたくさん出ており、治療の一環にも取り入れられているので、社内の専門家を味方につけるのはとても大事です。外部の専門家として、外部講師も必須です。その活動をしていると、健康組合の社内誌に活動が掲載され、会社全体への活動の口火が切られた瞬間でした。ストレスチェックの結果でも、実施前と比べて、私の部署では、上司のリーダーシップが上がったとかサポート力が上がったとのアンケート結果が出てきて、組織の中での効果も出てきました。

3.実践が日常

 企業の中で、大事なことがその会社での文脈です。海外のメーカーでやっているとか、ITメーカーでやっているとかそんな形では、自分の企業の中への導入は難しいです。私の会社の場合は、創業者が毎日瞑想を実践をされており、メタ認知(自分を客観的に知ること)が大事だと言われていたことを引き合いに出して、導入のための理由の一つとしました。この文脈は、その企業や団体で異なってきます。社内でトレーニングする仲間や社内専門家と一緒にやるのは、この文脈を一緒に考えてもらうことができます。その企業でどのような文脈にするかは、外からは分かりません。中にいる方が考える必要があります。
 P-Pauseのチームメンバーが互いに助け合う仲間で、社内メンバーと社内セミナーを自分たちで実施して、2020年は年間6回、延べ200人に来ていただきました。毎回、社内募集の度に、1日で満員になってしまう、人気のセミナーです。
私が2020年4月にカンパニー直轄に異動になり、社員15000人対象の風土改革MAKE HAPPYプロジェクトのリーダーをすることになりました。顧客をハッピーにするためは、まず、社員をハッピーにするプロジェクトで、そこでP-Pauseを社内SNSを使って、オンライン部活動に発展させました。
 もともと、地方の1工場から始まった、社内のマインドフルネス活動ですが、メンバーの異動により、場所の確保やコロナ禍による、メンバーがバラバラになってしまいましたが、初めはZOOMを使ってやっていましたが、その次に社内インフラツールを使って、オンラインでつないで、複数の拠点やテレワークの場所を繋ぎ、平日毎日トレーニングを続けており、2017年1月から始めた既に5年目に突入しています。あまり人数を増やすと言うよりも、少しずつ継続するコアなメンバーをちょっとずつ増やす活動をしています。

4.終わりに

 本Noteは、2021/3/8に京大テックフォーラムでパネラーとして呼んでいただいた内容を元に書いています。リンク先は、こちらです。
京大テックフォーラム「企業におけるマインドフルネスの可能性 ~企業導入から新規事業開発まで~」
 見出しの花の写真は、私が一眼レフで撮った写真です。この花々のように、企業の中にマインドフルネスの花が咲くことを信じています。

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