ヘルプカードって何!
私はまだレベル1ではあるが難病のALSを患っている。体が不自由さを増すにつれて、一見健康的な人と変わらない私は、どうすれば自分の不調を周りの人の知らせる事ができるのかと考えるようになった。
まず考えたのは、「杖」を持つことであった。ほとんどもの人は杖を持っている人には席を譲る。しかし私は、腕と手の力がかなり衰えていて、杖は手の負担になる。さらに、教室での講義は、不自由な手での印刷物を避けて、データで教材を配信するのにコンピューターは欠かせない。重い物を待てない私は、カートを持ち歩くので、杖は邪魔になる。
そんな折、この病気の特徴的な症状である「突然に足に力が抜ける症状」で、バスのステップで転んで向う脛をケガするという事件が起きた。幸い男性の方が後ろから支えてくださったので、後ろには仰け反らず大事に至らずに済んだ。何としても、自分の不自由さを少しでも理解してもらう必要を感じたのだった。
ある日半蔵門線乗った私は、優先席付近に赤い地に十字の場合マークとハートのマークが優先席の表示にあるのを見つけた。私はそのマークのことを漠然と知ってはいた。早速スマホで調べると、「ペースメーカーをつけたり、精神的な疾患など外見では中々判断できないなんらかの支援や配慮が必要であること伝えるマークであること」を初めて理解した。
九段下駅で降りて尋ねると、都営地下鉄の事務所ですぐに入手できることを教えてくださった。すぐに素敵なヘルプカードをバックに付けこれで一安心と思った。
さて、現実は厳しい、介護支援や医療に携わる方々は、すぐに、良かったといってくださった。しかし、「それはおしゃれな飾りだとおもっていた」という方も多かった。
かくして、ヘルプカードをつけて一ヶ月あまり、私はそのカードの効果を一度も感じていない。普通席ではもちろんのこと、優先席でも、タクシーに乗る時にも…。
私がこのような立場になって、改めてこのようなことを書くのもおこがましいと思う。しかし、ヘルプカードの認識をどのように高めたらよいのか、読んだみなさんに是非教えて頂きたい。私自身も間もなく障害者になると思うが、福祉のこと、介護のこと、障害や難病の医療のことなど学び、もっと優しい人になりたいと思うのである。