その1 暗転チップのカットインがない

後期エグゼが好きな人が、たまに「エグゼ3にもカットインがあれば良いバランスになるのに」というような事を言っているのを見かけるが、これは絶対に間違い。

カットインは悪しきシステムだ。
その理由を述べる。

まず、カットインがあるとチップの後出しが有利なバランスになりやすい。
基本的に先に暗転した方が不利なのでチャージショットやバスターといった、リスクのない行動で嫌がらせをするように立ち回って有利を取り、たまらず相手が先に暗転する防御チップを使ったところで本命のチップで差し返す動きが強く、基本の立ち回りとなる。
エグゼ6でスラッシュクロスのチャージショットが強かったり、バグデスサンダーが強かったり、チャージドルサンダーが強かったりするのは全部これが原因(の一因)

エグゼはチップで攻撃し、チップで守るゲームだ。
チップは有限だからこそ強くあるべきだし、価値が高くなければいけない。
無限に使えるバスターやチャージショットが強かったらチップの価値が下がってしまう。
カットインというシステムは、間接的にロックマンエグゼというゲームのコンセプトを破壊している。

対戦ゲームにおいて、待ちとか後出しが強いゲームバランスのゲームは面白くない。これはもう当たり前の事なので今更理由を説明する必要はないだろう。待ちガイルが許されたのは30年前までだ。
リスクのない行動が強いゲームは面白くないと言い換えても良い。
積極的に動いて攻めたり、リスクのある行動を取った方が評価されるゲームの方が面白いに決まっている。

また、カットインは暗転チップさえセットしていれば、攻撃による硬直中など、本来チップを使えないタイミングでもチップを使えてしまう。
それによって、立ち回りで相手の隙を狙う事の意味を失わせてしまっている。

エグゼ3はカットインがない上、インビジブルやオーラ系、バリア系がそもそも暗転チップではないので、先出するしかない。
カットインがあると、防御チップが無駄になることが少なく、ナビチップなどの大技を回避しやすい。
一方、カットインがなくて防御チップを先出しせざるを得ないエグゼ3では、防御チップが無駄になることも多い。そこが良い。対戦ゲームは、防御が強いバランスよりも攻撃が強いバランスの方が面白い。

また、カットインがあると、撒き餌の暗転チップで相手のカットインを誘い、更にカットイン返しで差し返す、というような場面が生まれるが、これを多用するとチップ不足になりやすく、より一層バスターやチャージショットでダメージを稼いでいく必要が出てきて、チップ不遇の負のスパイラルが生まれる。

そもそも、カットインはエグゼ3までの、開幕連打で決着がついてしまうゲームバランスをなんとかするために、毎年新作を出さなければいけない地獄のスケジュールの中で生み出された妥協策に過ぎない。
開幕連打で大きく有利不利がついてしまうようなゲームバランスでなければ、カットインなど必要ないのだ。

と、まぁそれをいうと、エグゼ3は開幕プラントマンで死ぬじゃんって話なんだけど。
その辺は各自ルールを設けて楽しく対戦するしかないかなと。

個人的には連打勝負の解決策をカットインで済ませてしまうのではなく、もっと別の、より良いシステムを模索する方向でシリーズを進化させてほしかった。残念である。
カットインは流星シリーズにも引き継がれたので、開発スタッフはこれでよしと思っていたのかもしれないが、もし仮にエグゼ7が出るとするなら、開幕連打で決着がついてしまう問題に対しては、カットインとは別の解決策を探って欲しいものである。

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