見出し画像

本当の自分なんて見つからない

記事を開いていただきありがとうございます。
皆さんこんにちは。ケンゾウと言います。

僕はコミュニケーションの苦手意識が強い。
大学に入学し、初日から仲良くなっている人もいる中、僕は100歩程引いたところから仲良さそうに話している人たちのことを羨ましそうに見た。
入学2日目、勇気を出してトイレにいた自分と同じ状況の人に声をかけた。「あ、あのー、と、友達になってもらえないですかねえ?」
その人は、
「あ、なりましょ」
と言ってくれた。
僕は目が合った時に、電流が走るほどのシンパシーを感じた。
「こいつ、顔つきからして俺と話が合うぞ!」
そう心の中で叫んだ。
帰りの方面が同じだったので、一緒に帰った。
僕はこいつなら共感してくれると思い、自分の人見知りさや、
自意識過剰であることを打ち明けた。
案の定、めちゃくちゃ共感してくれた。
「俺、大学でひとりぼっちにならずに済むんだ」
アドレナリンみたいな物質が出てきてテンションが上がった。
テンションさえ上がればこっちのもので、
いつもなら絶対にできないような
インスタのアカウント交換という快挙も成し遂げた。
彼と僕のインスタのフォロワーとフォロー中の
数もめちゃくちゃ近かった。
俺ら似てるなー。
そしてもう一つ驚いた。
好きなアイドルも全く同じだった。
もう一段階テンションが上がった。
「こいつはまじで親友になれるぞ」
そう思った。
人生で初めて初対面の人と会話が弾んだ。
人見知り同士が共感する時エネルギー波が出る
くらい、物凄いシンパシーと喜びがある。
たまには良いことあるんだなー。

そこから2か月が経とうとしている。
相変わらず彼とは食事に行ったり、
家に遊びに行ったりしているが、
僕は同じクラスの人とは仲良くなれていない。
だが彼はめちゃくちゃクラスに馴染んでいた。
「えぇー!嘘ー!人見知りじゃないのー!」
彼に何故仲良くなれたのか聞いた。
「普通に話しかけてくれたよー」
と、軽い感じで言っていた。
僕は思った。
彼は多分、人と話を合わせるのが上手いんだと。
僕と共感したあの話は、彼の中ではいくつかある
自意識のうちの一つにに過ぎなかった。

彼は何で僕の話に共感できるのに、
人見知りではない社交的な人と交流ができるのだろう。

多分彼は自分の性格や、特徴を受け入れて、
素で人と話すことができるのだろう。

僕は違う。
僕は今の自分を肯定することなく、
”本当の自分”を探していた。
自分は本当はもっといいやつなんだ。
もっと人とコミュニケーションが取れるんだ。
もっとまともで、高尚な人間なんだ。
そんな自問自答を何年も続けている。

おそらく、僕の本質的な部分は変えられないんだろう。
僕はいつまで経ってもネガティブで卑屈で人見知りで
怠惰で低俗な人間なんだろう。
だから、”本当の自分”なんて見つからないんだろう。

でも僕は、これからも探すだろう。
探していくことで、少しでもポジィティブになるんじゃないか。
”本当の自分”はいなくても今の自分を変えることはできるんじゃないか。

いつか自分を肯定できる日が来るのかもしれない。

今回は閲覧していただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?